つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」
この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。

編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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幸せになりますおじいちゃん、ご無沙汰しております。
6歳だった私も23歳になりました。会社勤めをして2年目、失敗にもへこたれず、毎日新しいことの発見に刺激を受けながら、笑顔で頑張っていますよ。
私が生まれた時、おじいちゃんはすでに癌と闘っていたのですね。おじいちゃんの辛い治療や、悲しみを知るのには、私は幼過ぎました。
「じいじ、抱っこ。」「じいじ、ご本よんで。」と随分わがままを言いましたね。絵本を読んでくれたおじいちゃんの朗らかな顔と、病院のベッドの上で沢山の管に繋がれた淋しそうな姿が、私の脳裏で交差しています。
会社を辞めて家で治療に専念しながら、おじいちゃんはおばあちゃんと二人で、手打ち蕎麦を始めましたね。畑でそばを蒔いて、収穫してそば粉をひいて、山で自然薯を掘ってきてつなぎに加えて、何度も試作を繰り返して努力を重ねながら、本当に美味しいお蕎麦が出来あがりました。お蕎麦は評判になり、沢山のお客さんが買いに来てくれましたね。二人で寄り添いながら、いたわりながら、微笑みながら、一日一日を大切に過ごしていたおじいちゃんとおばあちゃんを見ていると、苦労はしても、きっと幸せな人生だっただろうと思わずにはいられません。おばあちゃんは、今でも一人で蕎麦を打っています。きっとおじいちゃんのことを思い出しながら。
おじいちゃん、実はね、私にも彼ができました。先日彼の家を訪れ、彼のおばあさんにお蕎麦を渡しました。おばあさんは蕎麦を見るなり、「あなた、晴義くんのお孫さん? 私は小学校の同級生なのよ。お蕎麦を買いに行ったことがあるの。小さい女の子がいたけど、もしかしてあなた?」
私はすっかり時間がタイムスリップしてしまい、おじいちゃんが白い粉を手にいっぱいつけて蕎麦をこねている足下を、私が小さなサンダルをキュッキュッと鳴らしてはしゃぎまわっている光景が浮かびあがりました。
彼もこのお蕎麦が大好きだったそうです。何だかおじいちゃんが引き寄せてくれた縁なのかもしれませんね。
私、幸せになります。見守っていてくださいね。おじいちゃん。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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