【特選】編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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命日の味ご飯
空が青く高くなると、またお父さんの命日がやってきます。久しぶりに、お父さんの好きだった「味ご飯」を炊こうと思います。
ガレージわきの花壇に、ポコポコと顔を出しはじめた茗荷を摘み取って、具材の一つにするのもいいかも知れません。もちろん、ササガキ牛蒡や鶏肉、椎茸もちゃんと入れますからね。
思い起こせば、とにかくお父さんは味ご飯の信奉者でした。「味ご飯は、これ一つで栄養たっぷりや」とか「冷めてもうまいで弁当にぴったりや」「「お茶漬けが、またうまい」など、泉のように湧き出る味ご飯賛歌を幾たび聞かされたことでしょう。
この教育効果は絶大で、いつの間にか私も味ご飯党になりました。お父さん好みの具材はマニフェストとして受け継いでいますが、新しい党員としては、銀杏や蕗、わらびなど、旬の味わいを投入して変化をつけたいところです。
お父さん。あなたが不治の病に見舞われ、63歳の若さで亡くなった時、あなたを救うすべを見つけられなかった無力さに打ちひしがれました。昼ご飯も取らずに通夜を終え、居間のソファに腰かけたままの私に、一回り顔の小さくなったお母さんが「なんか食べんと」と言いました。「味ご飯があるんやわ」。一昨日、あなたが突然、味ご飯が食べたいと言いだし、茶碗に半分ほど食べた。その残りが冷蔵庫に入っているのだと。
熱いお茶をかけて食べました。なかったはずの食欲が、懐かしい味と香りに呼び覚まされ、ああ美味しいと感動すら覚えました。親が亡くなったというのにご飯が美味しいなんて、と思ったとたんに涙がボロボロとこぼれ、嗚咽しながら、それでも残さず食しました。
あれから28年。この春、お母さんがあなたのもとに旅立ちました。お母さんは毎年、お父さんの命日には味ご飯を炊き、仏壇に供えていました。これからは、私が二人にお供えします。私の味ご飯もなかなかのものですよ。どうぞ安心してください、お父さん。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
小冊子プレゼント

書籍のご案内

この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。
