つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」
この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。
編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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大切にされることの「実感」
13年前、僕の娘が生まれた年に、おばあちゃんは亡くなった。
僕が大好きだからと、買い物帰りの大荷物を抱えて、わざわざ遠回りをして買ってきてくれたエチオピア屋のみたらし団子。今もみたらし団子を見ると、おばあちゃんを思い出すよ。
子供の頃一番つらかったのは、両親が喧嘩をすることだった。どうすればいいかわからなくて、自分の無力が、ただ痛くて苦しかった。
そんな時、「子供のことを考えろ」と、おばあちゃんはいつも僕のことを一番に思ってくれたね。「そんなんだら、りゅういぢはおれが育てる」と言って、しっかり抱きしめてくれていた。
ひらがなを覚えた時も、カタカナを覚えた時も「えらいねぇ。よくがんばって。りゅういぢは頭がええねぇ」といつもいつも、何度も繰り返し褒めてくれた。
絵を描けば、どんな絵だって「うめーねぇー。おれにくれるか」と、大事にしてくれた。
父の転勤で遠くなってしまってからも、年に何度も遊びに来てくれて、そのたびに「りゅういぢがいちばん可愛い孫だから来るんだ」と言ってくれた。
おばあちゃんに、大切に思ってもらえていることが、その「実感」がずっと僕の力だった。思い出すと「してくれた」ことばかりだよ。僕がおばあちゃんにしてあげたことなんて何もなかった。
おばあちゃんのお葬式に集まった従兄弟たちと、通夜の晩を飲み明かした。僕は、就職してからの何年分もの失敗話や自慢話を、間断なく訴えるように話し続けた。
普段口数の少ない僕の話を、従兄弟たちは頷きながら聞いてくれた。だからきっと、おばあちゃんにも聞こえたよね。
僕は今、妻と三人の子供たちと、両親と一緒に暮らしている。おばあちゃんが僕にしてくれたように、思いを伝えることは出来ないけれど、家族を大切に思う気持ちは、ちゃんと覚えているからね。「心の手紙」に
寄せられたご感想応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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