つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」

この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。

過去の受賞作品
過去入賞した金賞・銀賞作品をご覧いただけます。
最新の受賞作品(2022)
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母の「伴走者」から「後継者」となる!
「お母さん、マラソン走ってみたい。一回限りだろうから、明日から一緒に走って!」
お母さんのその言葉で、私達母娘の二人三脚でのマラソン人生が始まったね。
「継続は力なり」「出来る人と違って、出来なければ人の何倍も何十倍も努力しないといけない」と言い、たゆまぬ努力を重ね、マラソンが生き甲斐となったお母さんは、いつしか「一回限り」を「一生走る」に言い換えていたよね。
走り出して三年目、「一回限り」との思いで参加したホノルルマラソンだったけれど、すっかり魅了され、三十二年間参加出来たね。
走歴十年を記念し、「一生一度の思い出作りに」と、百キロウルトラマラソンに挑戦したお母さん。ウルトラマラソンの魅力にも触れ、計八回の百キロレースを走破したお母さんは、やっぱりスーパーウーマン!
次々と自己の限界に挑戦し、それをクリアするお母さんの姿は、私をワクワクさせ、「不可能なんて無いのでは」と思わせてくれた。
お母さんと過ごした四十七年間、伴走をした三十五年間を、「本当に親孝行だね」と多くの方に言われたし、お母さんにもいつも感謝されたね。お母さんは、「ただ『ありがとう』の言葉では気が済まない」と、心のこもった感謝の言葉と共に、毎日繋いで走ったお母さんの左手の手形が押された感謝状もプレゼントしてくれたね。
でも、私としたら、二十二歳で失明し、死を選ぼうとした時期もあったお母さんが、マラソンを転機とし、「私より幸せな人がいるのかしら」「目で感じる光は無いけれど、心はいつもいい天気!」と言いながら、輝いて生きている、そのお母さんの側に居られることが本当に幸せで、私の原動力でした。
恒例のホノルルマラソンより帰国後、癌が発覚、病勢が強く、半年で天国に旅立ってしまったけれど、お母さんの強い思いは、一緒に歩んだマラソン人生の中で、しっかり受け継いでいるからね。
「三キロから始めたマラソンが、百キロまで走れるようになった。まさに継続は力なり。マラソンに出逢い、生きる喜びを感じられた。この喜びを、一人でも多くの人に伝えたいし、味わって欲しい。人生を無駄にせず、誰かの役に立てる生き方がしたい!」
お母さん! 今後は、「伴走者」から「後継者」となって、お母さんの強い意志を継ぐから、どうかずっと見守っていてね!
編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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油菓子作って
「のんちゃん、おやつは何にする?」
おばあちゃんに聞かれたら、保育園児の私はいつもこう答えていたね。
「油菓子作って!」
家は共働きだったから、おばあちゃんが毎日里山を越えて孫の面倒を見に来てくれていた。おやつの時間は、おばあちゃんの独壇場だったよね。
小麦粉と何かを混ぜて作ったタネをスプーンですくって、黄金色の油の中にポトリ、ポトリ。
こんがり揚がるのが待ちきれなくて、私はコンロの前でおばあちゃんの割烹着にまとわりついていた。アツアツの油菓子ほどおいしいお菓子はなかったよ。
私が小学生になったら、おばあちゃんは田んぼが忙しいからと来なくなっちゃった。仕方がないからお母ちゃんに油菓子を頼んだら、ドーナツが出てきたの。
「これ、油菓子じゃないよ」
と文句を言ったら、
「あれはおばあちゃんのお菓子なの」
と、良く分からない答えが返ってきたっけ。今思うと、あの時おばあちゃんに油菓子の作り方を教わっておけば良かったよ。おばあちゃんが病気で歩けなくなる前に。
お母ちゃんも、私の事も忘れてしまう前に。
「おいしいものを食べたら幸せになれるんだよ」
おばあちゃん、よく言っていたよね。その通りだったよ。私は油菓子をいっぱい食べたおかげで、好きな人と両思いになれたよ。結婚もできたよ。
「幸せです」って報告した時、おばあちゃん分かってくれたかな?
おばあちゃんのお葬式の日、焼香していたら何故だか油菓子の香ばしい匂いが鼻をついて、私、思わず泣いちゃった。
おばあちゃん、ごめんね。私、おばあちゃんの孫なのに料理はからきし駄目なんだ。
子どもができたから油菓子を作ってみたんだけど、失敗しちゃった。おばあちゃん、夢枕でいいからもう一度、油菓子作って。この子に食べさせたいから。
おばあちゃんが私を幸せにしてくれたように、私はこの子を幸せにしたいの。だからお願い。お願いします。===========
こちらの作品は、第2回「つたえたい、心の手紙」応募作品です
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「心の手紙」に
寄せられたご感想応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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