つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」
この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。

編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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宿してるよ、親父の心亡くなって四半世紀以上過ぎてしまったけれど、俺の中にはしっかりと親父の心が宿っているよ。
覚えているかな。俺が小学六年の卒業式を迎えた時のことだ。前日の夜、親父はこう言った。「お前が無事卒業できるのはあの先生のおかげだ。明日、お礼を言いに行ってはどうだ」と。確かに俺は小学一年の時に死にかけた。授業中眠り始めた俺を背負い「眠っちゃダメ」と言いながら学校医のところに急いでくれた。脈拍が弱り匙を投げそうな医師に懇願し、必死の応急措置を呼び俺を甦らせてくれた。あの時先生が繰り返していた「お願いします」の声は、かすかに耳の隅に残っている。翌朝お礼に行くと「女の私にあの時の君は重かった」と思い出を語ってくれ、「先生も嬉しい」と握手までしてくれた。職員室に入ったのも初めてだし、先生と握手するなんて夢のまた夢のような出来事だった。
そして親父、もう一つあるんだ。中学三年の年末、担任が家にやってきて進学を勧めてくれたことがあったよね。それも有名校のおまけまでついて。二か月半後、合格を知らせると親父は一番に先生にお礼の電話をしただろう。あの日学校に戻ると、担任が「みんな自分一人で受かったような顔をして」と厳しい顔して言い、「合格の礼を言ってきた親は一人だけだ」とクラスに親父のことを告げたんだ。親父はいきさつから言って当たり前のことをしただけと思っているだろう。いや、明治生まれだからと言ってすましていたかもしれないけれど、それが違うんだな。時代の変遷とともに礼節の方も失われてきていたんだ、当時すでに。だからあの電話が昭和生まれの担任の心を強く打ったんだと思う。担任も目を赤くして喋っていたけれど、嬉しかったよ、本当に。褒められたのは親父なんだけれど、ね。
感謝する心。それをさりげなく行動に表す。やっているよ、今も、注意しながら、ね。だから言ってるんだ、俺の中には親父の心が宿っているって。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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