【特選】編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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一生分の親孝行
おとうさん、あと2ヶ月で一周忌ですね。「11月の、おかあさんの三回忌はどうしよう。」と相談していたのに、まさかおとうさんが、奇しくもお母さんと同じ11月に、旅立ってしまうなんて。
「おとうさんは絶対長生きするよ!最低でも90歳、ううん、100歳まで頑張ろう!」と言うと「そうかぁ。」と、心から嬉しそうに笑っていたっけ。
補聴器を新調し、白内障の手術を受け、あとは義歯を作れば身体のメインテナンスは完璧、のはずだったのに。少しずつ衰えていくおとうさんの姿に、気付いてあげられなくて、本当にごめんなさい。
「もしもし、じいちゃんだけど、なんか頭がくらくらするんだ。」「もしもし、じいちゃんだけど、熱があるみたいで。」毎日夕方になると決まってかかってくる電話に、「あー、またか」と、うんざりしながらも駆けつけた私。その電話もかかってこなくなり、いつもうとうと寝てばかりとなり、食欲も落ち、一日おきに往診で点滴を打ってもらうようになっても、すぐ元気になると信じていた。
倒れる2日前、どうしても床屋に行きたいと騒いで、さっぱりと身だしなみを整えたのは、いつもお洒落なおとうさんらしいです。
救急搬送され、医師から、「急性肺炎で厳しい状態です。」と言われた時の驚きと後悔…。私は日本一の大馬鹿者です。
確か入院して3日目、高熱で苦しむおとうさんに、「おとうさん、苦しい?私が代わってあげたい、代わってあげるよ。」と呟いたら、意識がないはずなのに、『ううん』と首を横に振ってくれたよね。入院していた十日間、妹の輝美ちゃんと、昼夜交代でおとうさんのそばにずっといられたこと、ただただ、生きていてくれさえすれば、他に何にもいらない、と毎日祈り続けたこと、最後を看取ってくださった看護師の方が、「こんなに一生懸命看病した人を、見たことがありません。」と、共に涙ぐんでくださったことが、せめてもの救いです。一生分の親孝行をさせてもらいました。本当にありがとうございました。
ところでおとうさん、そちらの暮らしにはもう慣れたでしょうか。あばあちゃんやおじいちゃん、大好きなおかあさんにも会えましたか?私はまだまだ、こちらの世界で頑張りますので、どうか見守っていてください。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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書籍のご案内

この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。
