監修者
関 道明/(株)くらしの友 商事本部
約20年にわたり、お客様の仏壇・仏具の購入をサポート。それ以前には約10年にわたり、葬儀業務に携わってきた実績もあり、終活から葬儀後の法事・法要まで幅広い知識と経験で、お客様のご要望にお応えしています。

位牌は故人様の魂が宿る大切な仏具ですが、さまざまな事情から処分を検討しなければならない場合があります。

本記事では、位牌の基本知識から処分のタイミング・準備、具体的な方法、注意点までをわかりやすくまとめました。

適切な供養を行うことで、故人様への感謝の気持ちを伝え、ご家族や親族と相談しながら、円満な形で位牌を手放せるようにしましょう。

1.位牌の基本知識と役割

1-1 位牌とは

故人(亡くなった方)の戒名(法名)や俗名、没年月日・享年などを記した木製の札のことです。
主に仏教において、亡くなった方の霊を供養・礼拝するために使用されます。

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1-2 位牌の宗教的な役割

主に故人様の魂(霊)を象徴し、その魂を祀るための依り代(よりしろ)としての役割を果たします。
仏教的な考え方に基づき、以下のような意味と目的があります。

◆役割と内容

役割 内容
魂の依り代(よりしろ) 故人の霊(魂)が宿る場所とされる。遺族はここを通じて故人に語りかけたり、供養を行う。
供養の対象 仏壇に祀られ、毎日の読経やお線香、お供えを通じて故人を供養する対象となる。
故人の存在の象徴 故人が今も家族のそばにいるという精神的な支えとなる。特に初期の喪失感を癒す役割がある。
先祖供養の継承 複数の位牌が並ぶことで、家系としての先祖を意識し、代々の供養を続ける場となる。
仏教的救済の一環 戒名を授け、位牌を祀ることで、故人が成仏し極楽浄土へ導かれることを願う。

◆宗派別の扱いの違い

宗派 位牌の扱い
浄土宗・曹洞宗・臨済宗など 一般的に位牌を用いる
浄土真宗(本願寺派など) 位牌を使用せず、「法名軸(掛け軸)や過去帳」で供養する。理由は「すでに成仏している」ため、位牌による霊の依り代を必要としないという教義に基づく。

2.位牌を処分するタイミング

位牌を処分するタイミングとして、以下のような場合が考えられます。

  • 葬儀で使用した白木位牌を本位牌に取り替える時
  • 仏壇の中で、複数の位牌を保管し続けるのが難しくなり、一つの位牌にまとめる時
  • 弔い上げや一定の年忌法要を終えて、先祖の位牌と一つにまとめる時
  • 夫婦それぞれ位牌を一つの位牌(夫婦位牌)にまとめる時
  • 仏壇を新しいものに買い換える時
  • 引越しや家庭の事情・後継者の問題などで、仏壇(位牌)の管理が難しくなった時

※弔い上げ…最後の年忌法要のこと。一般的には、三十三回忌で区切りを検討することが多い。

3.位牌を処分する方法

大きく分けて2つの方法が挙げられます。
大切に扱ってきたからこそ、僧侶の手によってきちんと処分していただくことが大切です。

3-1 寺院で位牌の閉眼供養を行い、お焚き上げする

位牌を新しく作成する、位牌をまとめる場合に選ばれます。
寺院に直接依頼する場合や、専門業者(遺品整理業者や仏具専門業者)に依頼する場合があります。

◆閉眼供養(へいがんくよう)

位牌に宿る故人様の魂を抜き取る儀式のこと。
「魂抜き」とも呼ばれます。

◆お焚き上げ

古いお守りやお札、位牌などを燃やし天に還す儀式のこと。
炎の力によって浄化するという意味が込められています。

なお新しい位牌には、故人様の魂が宿るように開眼供養(かいがんくよう)を行います。

3-2 位牌を寺院に納めて、永代供養を行う

管理を寺院に依頼する方法です。
位牌を寺院内の位牌堂に安置し、一定期間が過ぎた後にお焚き上げしてもらいます。
家庭の事情等で位牌の管理が難しくなった場合などに選ばれます。

4. 位牌処分の依頼先と費用相場

4-1 閉眼供養とお焚き上げの場合

<寺院に依頼する>
費用はお布施として渡します。一般的には1万円から3万円程度とされますが、地域や寺院ごとに変わるため、相場を事前に調べた上で寺院に問い合わせすると安心です。

位牌の大きさや数が多い場合にも費用が変わる恐れがあるため、問い合わせした際に確認しておきましょう。

準備するお布施の金額の目安、閉眼供養の日程調整などは早めに行い、万全な状態で儀式に臨むようにしましょう。

 

<専門業者に依頼する>
近所にお願いできそうな寺院がない場合には、専門業者(遺品整理業者や仏具専門業者など)に依頼するのも一つの方法です。

遺品整理を依頼した際や位牌を購入した際に、提供サービスの一環として対応してくれます。

料金相場としては、数千円~数万円と言われますが、対応範囲や料金形態など、専門業者によって差があるので、事前にしっかりと確認しましょう。公式サイトやロコミでサービス内容を比較し、閉眼供養やお焚き上げの実績豊富な専門業者を選ぶことがポイントです。

4-2 永代供養の場合

<依頼先:位牌の永代供養に対応した寺院>

最近では菩提寺(先祖のお墓があるお寺)ではなくても受け入れてくれる寺院が増えています。

永代供養の費用は、一般的に数万円から十数万円程度が相場とされます。位牌と一緒に遺骨も納めるかどうか、寺院や霊園の立地、プランの違いで金額が変わることもあるので比較検討が必要です。

内容をよく確認し、管理や供養の方法が希望に合っているかどうかを判断しましょう。

5.位牌処分に関する注意点

5-1 宗派ごとの考え方や供養の方法

宗派によっては、位牌に対する考え方や供養の方法が異なります。例えば浄土真宗では、「お亡くなりになった方は現世に留まらず、阿弥陀如来により極楽浄土へと導かれる」という考えのため、魂が宿るとされる位牌は用いず、代わりに法名軸・過去帳を使用します。

自分の宗派の慣習をよく理解し、迷ったら菩提寺に相談するようにしましょう。

5-2 家族や親族間での事前調整

位牌は家族・親族に関わる大切な仏具です。独断で処分すると後々トラブルの原因になりかねません。
事前に親族にも相談し、処分について合意を得ておくことが大切です。場合によっては菩提寺(先祖のお墓がある寺院)など第三者も交えて、皆が納得できる形で進めましょう。

5-3 依頼先とのトラブル対策

依頼した専門業者との間で費用や作業内容についてトラブルになったりすることがあります。事前の情報共有や見積書(高額になる場合には契約書)の取り交わしを徹底することが、トラブルを避けるカギです。

万が一問題が発生した際には、消費生活センターなど公的機関に相談して解決の糸口を探しましょう。

6.よくある質問(Q&A)

Q1:近くに依頼先がない場合はどうしたら良いですか?

A1:郵送対応している寺院や遺品整理や仏具の専門業者に依頼する方法があります。
公式サイトなどに「郵送での位牌供養」の案内が記載されているので、事前にしっかり確認しましょう。

Q2:位牌を燃えるゴミとして処分できないのですか?

A2:基本的には、位牌を燃えるゴミとして処分するのはおすすめできません。
宗教的にも故人様への敬意として不適切であり、後悔やトラブルを生む可能性があります。
もし費用の問題などで難しい場合には、寺院に相談してみましょう。

7.まとめ:位牌をきちんとした方法で処分(供養)し、心の整理を付けられるようにしましょう

位牌の処分は、故人様への敬意を保ちつつ、家族・親族と相談の上で円満に行うことが求められます。
閉眼供養やお焚き上げをはじめとする手順を踏んで、遺族として故人様・先祖様へ思いを馳せて心の整理を付けられるようにしましょう。
宗派や家庭の事情に合わせて、最適な方法を選んで手続きを進めてください。

位牌の処分でお悩みがございましたら、くらとも仏壇の各店舗でもご相談承ります。ご連絡・ご来店ください。

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