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葬儀の受付は何をする? 主な役割や流れ、注意点などを詳しく解説

作成日:2024.01.10
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

葬儀の受付を初めてお願いされた場合、一体どのようなことをすればよいのか戸惑う方が多いかもしれません。葬儀の受付には複数の役割があるので、おおよその仕事やマナーを押さえておくと、当日スムーズに受付を行うことができます。

 

本記事では葬儀の受付の概要や主な役割、事前準備、知っておくべきマナーや注意点について解説します。葬儀の受付に関するよくある質問もまとめているので、葬儀の受付を頼まれた方はぜひ参考になさってください。

この記事で分かること

  • 葬儀の受付とは葬儀の参列者を出迎え、対応する業務のこと
  • 葬儀の受付の主な役割は、香典の受け取りや記帳の依頼、返礼品の手渡し、荷物・衣類預かり、香典を会計係に渡すことなどがある
  • 葬儀の受付は、服装や丁寧な言葉遣い、会話や携帯電話に関するマナーに気を付けなければならない

目次

  1. 1 葬儀の受付とは
  2. 2 葬儀の受付は誰がやる? 3つのケース別に解説
  3. 3 葬儀の受付の主な役割・流れ
  4. 4 葬儀の受付に必要な事前準備
  5. 5 葬儀の受付係が知っておくべきマナー・注意点5つ
  6. 6 葬儀の受付係に関するよくある質問6つ
  7. 7 葬儀の受付を頼まれたら当日の役割や流れをチェックしておこう

1 葬儀の受付とは

葬儀の受付とは、葬儀の参列者を出迎え、対応する係のことです。受付は、遺族に代わって弔問客や参列者を迎える係であるため、受付係を引き受けたら失礼のないよう、きちんと対応しなければなりません。

葬儀が始まる時間は決まっているので、受付での対応に遅れが生じると参列者に迷惑がかかる恐れがあります。葬儀の受付を頼まれたら、役割や業務を事前に覚えておきましょう。

2 葬儀の受付は誰がやる? 3つのケース別に解説

葬儀の種類や状況によって、誰が受付をやるかが異なります。3つのケース別に見ていきましょう。

2-1 一般葬

身内だけでなく故人の勤め先や友人、知人、近所の人なども参列する一般葬では、喪主や故人の家族は参列者の対応に追われることになります。そのため、受付は喪主の友人や知人、遠縁の親族、勤務先の人、近所の人などに依頼するケースが多い傾向にあります。

2-2 家族葬

家族葬の場合、参列するのは身内だけなので、喪主以外の親族が受付を請け負うケースが多いようです。決まった人が最初から最後まで受付をする場合もあれば、交代制で行う場合もあります。

2-3 受付を頼める人がいない場合

受付を頼める人がいない場合は、受付代行業者を利用する方法があります。受付は参列者から渡された香典を受け取り、管理する役割を担っているため、代行業者を選ぶ際は実績があり信頼できるところを選ぶことが大切です。

 

また、受付代行業者を利用すると代行費用が発生します。家族葬など小規模な葬儀では、受付は1人で十分ですが、規模の大きい一般葬を行う場合は3~4人必要になることもあります。予算や葬儀の規模に合わせて、適切な人数を依頼するようにしましょう。

3 葬儀の受付の主な役割・流れ

葬儀の受付の主な役割・流れ解説図

葬儀の受付が担う主な役割と、当日の流れおよび業務のやり方は以下のとおりです。

  1. 1.参列者から香典を受け取る
  2. 2.記帳を依頼する
  3. 3.返礼品を渡す
  4. 4.香典を会計係に渡す

参列者からお悔やみのあいさつを受けたら、受付係は家族の代理として「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」などと感謝の意を伝えましょう。

 

香典を受け取るときは「お預かりいたします」と一言添え、両手で受け取ります。その後、芳名帳への記帳をお願いし、あらかじめ用意しておいた箱に香典袋を納めます。

 

参列者が記帳を終えたらお礼の言葉を述べ、返礼品を手渡しします。会場にクロークがある場合は、参列者の荷物や衣類を預かることもあるので、荷物預かりの札を渡すのを忘れないようにしましょう。受付を終えたら、預かった香典袋を会計係に手渡します。

4 葬儀の受付に必要な事前準備

葬儀の受付を頼まれたら、事前準備として以下のことを行いましょう。

4-1 葬儀のスケジュールを把握する

まず、葬儀の当日のスケジュールをしっかりと把握しておきます。葬儀場の開場時間、葬儀が始まる時間、終わる時間など、おおよその流れをチェックしておきましょう。

 

当日は葬儀が始まる1時間前には会場入りし、他の受付係とスケジュールの確認を行うとよいでしょう。

4-2 会場の状況を把握する

受付にいると、参列者から「トイレはどこですか?」「コインロッカーはありますか?」など、さまざまな質問をされることがあります。質問に対してスムーズに答えられるよう、会場内の主要な場所を事前に確認しておくことをおすすめします。

 

会場の様子は館内図を見るだけでなく、実際に歩き回って確認しておくと把握しやすいのでおすすめです。

4-3 受付台に必要なものを確認する

受付に必要なものが受付台にそろっているかどうかをチェックします。受付台には以下のようなものが設置されていることが多いです。

  • ・筆記用具
  • ・芳名帳
  • ・香典入れ
  • ・名刺入れ
  • ・返礼品

返礼品は受付台の上ではなく、背後のロッカーや棚などに置いてある場合もあります。受付に必要な道具は葬儀社がセットしてくれるので、受付が自分で準備する必要はありません。なお、使い方が分からないものや足りないものがある場合は、あらかじめ葬儀社のスタッフに確認しておくとよいでしょう。

4-4 喪主の希望を確認する

受付は喪主の代理という立場なので、喪主の希望を確認し、意向に沿って動く必要があります。

 

例えば、喪主が香典を辞退する方針を示している場合は、全員一律で断るのか、御花代として渡された場合は受け取るのかなど、考えられるパターンごとの対応を尋ねておくことが大切です。

 

返礼品についても、連名や一同の場合はいくつ渡すのか、返礼品の受け取りを断られた場合はどうするのかなどを確認しておけば、当日の業務がスムーズに進むでしょう。

5 葬儀の受付係が知っておくべきマナー・注意点5つ

葬儀の受付係を頼まれた方が知っておくべきマナーや注意点を、5つご紹介します。

5-1 服装を整える

葬儀の受付係は喪主や家族の代理を務める重要な立場なので、服装はきちんと整えておく必要があります。故人の身内や親族が務める場合はもちろんですが、故人の勤務先や近所の人の場合でも、喪服を着用するのがマナーです。

 

男性の場合、ネクタイや靴下、靴は全て黒でそろえます。ポケットチーフやタイピンなどはせず、カフスは光らない黒石のものを選びましょう。

 

女性の場合、黒い無地のワンピースやスーツを着用します。季節を問わず、どちらも長袖を着用し、肌はなるべく見せないようにしましょう。ストッキングは黒、バッグや靴も黒で、金具や光沢のないシンプルなものを選びます。

5-2 家族側の立場として参列者へあいさつをする

葬儀の受付係は、故人や喪主との関係性にかかわらず、家族側の立場となります。参列者が受付に来たら、喪主の代わりとして「本日はお越しいただきありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えましょう。

 

雨や雪など天気が悪い日に行われた場合は「本日はお足元が悪い中、お越しいただきありがとうございます」とねぎらいの言葉を添えるとなお丁寧です。

 

相手が親族の場合は「このたびは心よりお悔やみ申し上げます」と伝えるのが基本です。

 

TPOをわきまえて、あいさつは静かなトーンで行います。葬儀の場で必要以上に声を張る必要はありません。

5-3 丁寧な言葉遣いと対応を心掛ける

受付を行うときや、参列者の質問に対応するときは、できるだけ丁寧な言葉遣いと対応を心掛けることが大切です。

 

例えば芳名帳への記帳をお願いする場合であれば、「ここに書いてください」と伝えるのではなく、「こちらにご記帳をお願いいたします」と丁寧な言い回しで伝えます。お辞儀をするときも、頭を軽く下げるのではなく、手をそろえてきちんとお辞儀することを心掛けましょう。

 

また冠婚葬祭では、縁起が悪い言葉として、忌み言葉の使用を避ける風潮があります。「かさねがさね」「たびたび」「くれぐれも」などの重ね言葉や、「死」や「苦」を連想させる4や9などの数字は原則として使用しません。受付の際はこれらの言葉を使わないよう注意しましょう。

5-4 談笑や私語は控える

葬儀は厳粛な場なので、談笑したり、私語をしたりするのは控えましょう。特に受付は会場の目立つ場所にあるので、たとえ声を潜めていたとしても、私語を繰り返していると人目に付きやすい傾向にあります。

 

同じ受付係の人や会計係の人、喪主の方などと必要最低限の事務的な話をするのは構いません。しかし参列者の中に友人や知人など顔見知りの方がいても、手短にあいさつするか、黙礼にとどめておきましょう。

 

事務的な会話を交わすときも、大きな声を出すのは避け、相手に聞こえる程度の小声で話すようにします。

5-5 携帯電話は電源を切るかマナーモードにする

携帯電話は電源を切っておくか、マナーモードに設定して、大きな音を立てないようにしましょう。また受付に立っている間は、基本的に携帯電話を操作しないよう気を付けてください。

 

やむを得ず応答しなければならない場合は、受付から離れ、別の場所で通話をしましょう。受付にいる間に携帯電話を操作すると、家族や参列者にマナー違反と思われる可能性があるので要注意です。

 

できれば携帯電話は受付には持ち込まず、バッグやロッカーなどにしまって別の場所に保管しておくことをおすすめします。

6 葬儀の受付係に関するよくある質問6つ

葬儀の受付についてよくある質問を6つご紹介します。

6-1 葬儀の受付での返礼品の渡し方は?

参列者へのお礼の品として贈る返礼品(会葬御礼品)は、受付で香典を預かり、芳名帳に記帳いただいた後に渡します。その際は「ありがとうございます」とお礼を言いながら渡すようにしましょう。

 

なお、返礼品(会葬御礼品)は参列者全員に渡すものですが、香典を預かった方には別途香典返しも渡します。

6-2 お通夜や告別式で、受付係はどう受け答えしたらよい?

お通夜や告別式の受付に参列者が訪れたときは、以下のように感謝を述べます。

 

「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」

「お心遣い、ありがとうございます」

 

また、芳名帳への記帳をお願いする際には「こちらにご記帳をお願いいたします」と促すとスムーズです。香典を受け取ったときは「ありがとうございます」または「お預かりいたします」と丁寧に伝えましょう。

6-3 葬儀の受付係は孫がしてもよい?

葬儀の受付は孫が請け負っても構いません。代行業者などに依頼すると費用がかかるので、喪主が困っているようなら率先して受付を申し出てもよいでしょう。

 

なお、受付は家族の代表となるので、内孫・外孫に関係なく、受付をする際は家族側の立場として参列者にあいさつするよう心掛けましょう。

6-4 葬儀の受付係は、開式の何時間前に行けばよい?

葬儀の受付は、当日のスケジュールや館内の様子、受付台に必要なものが置かれているかなどをチェックしなければなりません。そのため、受付開始の1時間前には会場に入り、準備をきちんと整えておきましょう。

6-5 葬儀の受付を頼まれたら断るのはNG?

葬儀の受付を頼まれたら、よほどの事情がない限りは引き受けましょう。ただ、何らかの理由によってどうしても受付ができない場合は、その場ですぐに断りましょう。

 

一度引き受けた後や返事を保留にした後に断ると、喪主は葬儀までの短い間に別の受付係を探さなければならなくなります。相手に迷惑がかかる可能性が高いので、引き受けられない場合はすぐに断ることが大切です。

6-6 葬儀・お通夜・告別式の違いは?

葬儀は一般的に2日間にわたって行われ、1日目はお通夜、2日目が葬儀・告別式となります。お通夜は葬儀の前に親族が故人との別れを惜しみ、同じ時間を過ごすことを目的としています。

 

一方、葬儀と告別式は故人とお別れするために行うものです。葬儀は宗教的な儀式を伴うもの、告別式は宗教的な儀式を伴わないものを指します。

 

それぞれの詳しい違いについてはこちらのページを参考にしてください。

7 葬儀の受付を頼まれたら当日の役割や流れをチェックしておこう

葬儀の受付には、参列者へのあいさつや香典の預かり、芳名帳への記帳依頼、返礼品の手渡しなど、さまざまな役割があります。葬儀の受付を頼まれたら、早めに会場入りし、当日の役割や流れ、館内の様子などをしっかりチェックしておきましょう。

 

また、受付は家族代表の立場になるため、丁寧な言葉遣いと対応を心掛けることが大切です。

 

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