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喪主は誰がやる?喪主の決め方や知っておきたいマナーを解説

作成日:2024.02.14
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

葬儀にあたり「葬儀における喪主は誰がやるの?」「そもそも喪主って何をやるの?」と疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

 

喪主とは葬儀を執り行う責任者のことで、遺族の代表者ともいえます。この記事では、喪主の意味や喪主をやる人、喪主の役割やマナーについて解説します。

この記事で分かること

  • 喪主をやる人に決まりはない
  • 喪主をやる人は配偶者・血縁関係がある人が一般的

目次

  1. 1 葬儀における喪主とは?
  2. 2 葬儀の喪主は誰がやる? 決め方をケース別に解説
  3. 3 喪主は何をやる?主な役割を解説
  4. 4 喪主が知っておきたいマナー3つ
  5. 5 喪主を決めるときによくある質問
  6. 6 喪主の役割を理解して葬式をスムーズに行おう

1 葬儀における喪主とは?

喪主とは、葬儀や法事を執り行う責任者を指します。主催者として周囲に気を配り、葬儀が円滑に進むように務めるのが喪主の役割です。

 

また、葬儀では喪主からの参列者へ向けてあいさつを行う場面があります。喪主のあいさつでは、故人がお世話になった人への感謝や、葬儀に来てくれた参列者にお礼を述べるのが一般的です。

喪主を務める人に決まりはありませんが、一般的な決め方はあります。葬儀における喪主の決め方や、マナーについては後半で解説します。

1-1 喪主と施主の違い

喪主と施主は混同されがちですが、実はそれぞれの役割が異なります。喪主は葬儀もしくは法事の責任者で、遺族の代表者です。一方の施主は、葬儀の費用を負担する役割を担っています。つまり、葬儀社とのやり取りや内容の決定は喪主が率先して行い、葬儀の費用に関することは施主が確認・契約を行います。

 

喪主と施主は協力し、葬儀の段取りを決めていくのが一般的です。また、喪主と施主を兼任するケースも多くあります。

2 葬儀の喪主は誰がやる? 決め方をケース別に解説

葬儀の喪主の決め方

葬儀の喪主は、基本的には誰が務めても問題ありません。また、喪主は一人ではなく複数人で務めても大丈夫です。とはいっても、一般的には故人と血縁関係にある人、もしくは配偶者であるケースが多いです。

 

ここでは、葬儀の喪主の決め方を以下の3つに分けて解説します。

  • ●     配偶者
  • ●     家族・親族
  • ●     友人・知人

2-1 配偶者

最近では、喪主は故人の配偶者が務めるケースが多いです。配偶者が亡くなっていたり、病気などを患っていたりする場合は、他の親族が喪主を務めます。故人の配偶者も高齢であることが多く、喪主をするのが困難というケースは珍しくありません。配偶者が難しい場合は、代わりに親戚や他の人を検討しましょう。

 

故人の関係者と話し合って決めることで、周囲も納得しやすく、葬儀の段取りもスムーズに進みます。

2-2 家族・親族

故人に配偶者がいない場合、喪主を務めることが難しい場合は、家族・親族など血縁関係が近い人が喪主を務めます。喪主の候補者の順番としては、長男・次男など故人の直系の男子で年齢順、その次に長女・次女など直系の女子で年齢順に検討するのが一般的です。故人に子どもがいない場合は、血縁関係が近い順番になります。血縁関係の順番は両親、故人の兄弟、おじ・おばです。

 

ただし、血縁関係が近い人が喪主をしなければならないという決まりはありません。結婚や就職などで遠方に住んでいたり、故人とのつながりが薄かったりする場合は、同居している人物が優先される場合もあります。故人との関係性で喪主を決めるのも一つの方法です。

2-3 友人・知人

故人に配偶者や親族がいない場合は、友人や知人が喪主を務めても問題ありません。長年親しい関係にある友人の他、何らかのコミュニティでのつながりから喪主を決めるケースもあるようです。故人の関係者が多い場合は、亡くなる直前まで親しい仲にあった人、もしくは近所に住んでいる友人などから喪主を選出することもあるでしょう。

 

また、喪主は複数人で務めても問題ありません。一人に決められない場合は、兄弟姉妹など複数人を喪主として選出する方法もあります。役割をしっかりと分担すれば、一人当たりの負担を減らすことにもつながります。

3 喪主は何をやる?主な役割を解説

喪主がやることは、主に以下の6つです。

喪主がやること

  • ● 役所での死亡手続き
  • ● 葬儀の準備
  • ● 葬儀の日程や費用の決定
  • ● 寺院との連絡
  • ● 代表のあいさつ
  • ● 香典返し

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 役所での死亡手続き

役所への死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内とされています。国外で亡くなった場合は、死亡を知った日から3カ月以内が目安です。

 

死亡手続きには、死亡したことを医学的・法律的に証明する「死亡診断書」が必要です。死亡診断書を提出しないと生存しているとみなされて、火葬や埋葬ができず、年金の支給・課税も継続されます。死亡診断書を渡されたら、すぐに役所へ提出しましょう。

 

また、死亡届の提出先は戸籍法第86条・87条で以下のように定められています。

 

  • ●       死亡地にある役所
  • ●       故人の本籍地にある役所
  • ●       届出人の所在地にある役所

 

上記のいずれかに該当する役所に死亡届を提出します。病院外で亡くなった場合は、死体検案書が発行されます。効力は死亡診断書と同じです。

 

死亡手続きが済むと、死亡した事実が戸籍や住民票に反映されます。

 

なお、役所への死亡届の提出を代行してくれる葬儀社もあります。葬儀の依頼をする際に確認しましょう。

3-2 葬儀の準備

葬儀の準備を進めるにあたり、まずは葬儀全般の責任者である喪主を決めます。先述したとおり、喪主は故人の配偶者、家族・親族の順で選ばれますが、喪主の決め方に明確なルールはありません。故人との関係性や住まいの場所など、血縁関係以外のことを重視して決めるのもよいでしょう。

 

喪主が決まった後は、宗教・宗派の確認を行い、しきたりに沿って葬儀の内容を決めます。葬儀の準備は多岐にわたりますが、流れをしっかり確認しておけばスムーズに進行しやすくなります。

 

葬儀の準備についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。

3-3 葬儀の日程や費用の決定

どのように葬儀を行うかある程度決まったら、日程や費用を検討します。日程は僧侶のスケジュールや火葬場の空き状況に合わせて決める必要があります。また葬儀の費用に関することは施主と喪主が相談して決めます。

 

身近な人が亡くなり、その直後に喪主として葬儀の準備を行うのは、精神的に大きな負担です。葬儀に関する悩みは、できれば生前のうちに、葬儀会社に相談しておくと、負担を軽減できます。基本的に葬儀会社の多くは事前相談を受けており、葬儀の費用や形式など、さまざまな疑問に答えてくれます。いざという時に慌てずに、そして後悔の残らない納得のいくお別れができるよう、事前に葬儀の内容や費用について、考えておくとよいでしょう。

3-4 寺院との連絡

寺院との連絡も喪主の役割です。菩提寺がある場合は、菩提寺に訃報を伝えて僧侶のスケジュールを確認します。お盆やお彼岸などの繁忙期ではスケジュールを押さえられない場合もあるため、早めに連絡を入れましょう。

 

ただし寺院へ連絡する時間帯は、常識的な時間にしましょう。寺院への連絡では、まず以下の項目を伝えます。

 

  • ●     身内に不幸があり、葬儀を依頼したいこと
  • ●     故人の名前・生年月日・年齢
  • ●     喪主の連絡先
  • ●     その他、家族の意向

 

そして、僧侶のスケジュールを確認し、それに合わせて火葬場や式場の予約を取り、葬儀の日程を決定します。

葬儀の当日は、僧侶が葬儀場へ到着したら、喪主が遺族を代表して僧侶へあいさつし、控室へお通しします。

3-5 代表のあいさつ

喪主の重要な役割ともいえるのが、遺族を代表して、参列者へのあいさつを行うことです。通夜や葬儀では、以下の場面で喪主があいさつをします。

 

  • ●     出棺前(告別式)
  • ●     精進落としの席での開式・閉式時

 

喪主のあいさつの基本的な構成は下記の通りです。

喪主あいさつの構成例

●     自己紹介

●     参列者へのお礼の言葉

●     故人の享年・亡くなる前の様子

●     故人の生前のエピソード

●     遺族についてのお願い

●     お礼の言葉

あらかじめ構成を押さえておき、伝えたい内容を盛り込んであいさつ文を作りましょう。

3-6 香典返し

香典返しとは、いただいた香典(不祝儀)へのお返しの品物のことです。食品などの消耗品を送るのが一般的です。これらの消えものには不幸を消滅させる、不幸を洗い流すといった意味があります。

 

香典返しは、いただいた香典の3分の1から半額程度の品物を贈るのが一般的です。時期は忌明け後に手渡すのがマナーとされていますが、現在は、通夜や葬儀の際にお渡しする即日返しのケースも増えています。

また手渡しではなく郵送しても問題ありません。

 

香典返しについては詳しくはこちら

4 喪主が知っておきたいマナー3つ

次に、喪主が知っておきたいマナーをご紹介します。

  • ●     服装
  • ●     髪型
  • ●     アクセサリー

それぞれのマナーを詳しく見ていきましょう。

4-1 服装

喪服には正喪服・準喪服・略喪服の3つの区別があります。男性の正喪服は紋付き袴やモーニング、女性の正喪服は五つ紋の黒無地の着物やブラックフォーマルです。正喪服は主催者側である喪主や親族が着用します。

 

近年は喪主であっても準喪服を着ているケースがありますが、失礼のないように基本的な服装は押さえておくとよいでしょう。露出は控えめにし、襟が詰まった服装は避けるのが基本です。派手な色や光沢のある素材の服装も避けましょう。

 

4-2 髪型

男性のヘアスタイルであれば、清潔感がある髪型を意識しましょう。寝癖がついていたり、髪を逆立てたりするようなスタイルはマナーに反します。前髪が目にかかる場合はカットしたり、ジェルやワックスで横に流したりしましょう。ただしジェルやワックスの香りが強すぎると、周りを不快にさせる可能性がありますので心配であれば、無香料または微香料のものが無難です。

 

女性の場合、髪の長さがロングやセミロングであれば、耳より下の位置でまとめましょう。焼香や礼をするときに、髪の毛が顔にかからないようにするためです。ヘアゴム・ヘアピンを使用する場合は、黒色のシンプルなデザインを選びましょう。お辞儀をしたときに髪がかからない長さであれば、特別セットする必要はありません。ハーフアップやおくれ毛を垂らすようなスタイルは避け、清潔感のある髪型を意識しましょう。

 

4-3 アクセサリー

葬儀では基本的にアクセサリーは付けませんが、確認するための時計、結婚指輪と真珠のネックレスであれば問題ありません。

ゴールドやシルバーなどの装飾品、派手なイヤリングは控えましょう。

真珠のネックレスが許されるのは、真珠が別名「月の涙」と呼ばれ、故人との思い出を懐かしむものであることに由来しています。ただし、真珠であっても、不幸が重なることを連想させるため二重のネックレスや、デザインが派手なものは避けるようにしましょう。

5 喪主を決めるときによくある質問

ここでは、喪主を決めるときによくある質問と回答をまとめました。

5-1 子どもが娘しかいない場合、喪主は誰がやる?

子どもが娘しかいない場合は、長女が喪主になるのが一般的です。喪主になれる人に決まりはないため、故人との関係の深さや血縁関係で決めるとよいでしょう。

 

かつての日本では家督を継ぐという意味で、喪主は長男が担うべきとの考えがありました。現在ではその習慣も薄れてきており、女性でも喪主を務めることが多くなっています。ただし、女性が喪主であることに親族などが難色を示すケースもあるようです。念のため、事前に了承を得ておくのがおすすめです。

5-2 喪主をやりたくない場合、断ることができる?

喪主を断ることは可能ですが、代わりに喪主となる人を選ぶ必要があります。喪主はお金を扱う場面も多いため、故人との関係が深い人を選ぶのが一般的です。喪主を断る際は、断る理由をしっかり説明しましょう。故人の関係者と話しながら喪主を決めていくことで、納得のいく形で葬式を進めやすくなります。

5-3 家族や親族がいない場合の喪主の決め方は?

家族や親族がいない場合は、友人や知人が喪主を務めます。喪主をできる友人知人がいなければ、故人が入居していた介護施設の代表者が務めることもあります。

 

喪主になる人が誰もいない場合は、葬式はせずに行政が火葬のみを行うこともあります。

6 喪主の役割を理解して葬式をスムーズに行おう

喪主を務める人は厳密には決まっていないものの、一般的には故人の配偶者、次に血縁関係の近い人が務めます。もしも配偶者・家族がいないのであれば、友人に頼むケースもあります。

 

また複数人で喪主を務めることも可能です。本記事で紹介した内容を参考に、スムーズに喪主を務められるようにしておきましょう。

 

くらしの友では、葬儀に関するご相談を承っております。24時間365日対応可能なフリーダイヤルもご用意しております。葬儀についてご不明点やご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

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