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生活保護受給者の葬儀(福祉葬)の仕組み|費用負担を抑えて葬儀を行うための条件と手順
/(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
生活保護を受給している方の葬儀は、自治体の「葬祭扶助(福祉葬)」を利用することで、費用負担を抑えて行うことが可能です。葬祭扶助とは、生活保護受給者や経済的困窮者が亡くなり、葬儀費用の負担が難しい場合に、自治体が火葬など最低限の葬送費用を支援する制度です。
対象となるのは、例えば生活保護を受給している方で、かつ身寄りがなく、費用を負担できる人がいない場合などで、自治体の判断により適用されます。ただし、この制度を円滑に利用するためには、葬儀を行う前に申請が必要になるなど、事前に知っておきたい注意点があります。
本記事では、葬祭扶助を利用するための条件や申請の流れ、香典の扱いなど、福祉葬を行う際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 生活保護を受けている方の福祉葬を執り行うための主な要件
- 亡くなってから火葬当日までの手順
- ケースワーカーへの伝え方や、香典を受け取った場合の扱い方
目次
1 大切な方が旅立たれた際、まずご確認いただきたいこと
葬祭扶助を利用するためには、事後の申請では認められない場合があるなど、最初の手順が重要です。まずは、公的な支援を受けるために不可欠な各所への連絡と、制度の適用を妨げないため注意点を確認しましょう。
1-1 担当のケースワーカーへ現在の状況を連絡する
葬祭扶助を利用するためには、自治体への申請が必須となります。まずは第一報として、担当のケースワーカー(福祉事務所の担当職員)へ現在の状況を連絡しましょう。もし夜間や休日で役所が閉まっている場合でも、翌朝一番で連絡を入れるようにしてください。
連絡の際には、亡くなった場所(病院や自宅)、喪主の連絡先、故人様の預貯金の有無などを伝える必要があります。これらの情報をあらかじめ整理しておくと、やり取りがスムーズになります。あわせて「葬祭扶助を利用して葬儀を行いたい」という意向を伝えておくことで、その後の支援が円滑に進みます。
1-2 葬儀社へ「生活保護の福祉葬を希望する」と伝える
葬儀社へ連絡する際は、最初に「生活保護の福祉葬(葬祭扶助)を希望する」と明確に伝えることが重要です。なぜなら、福祉葬は自治体と葬儀社の契約に基づいて行われる特別な形式だからです。先に一般的な葬儀プランで契約を結んでしまうと、後から制度を適用させることが難しくなる場合があるため、必ず依頼の冒頭で伝えるようにしましょう。
1-3 葬儀社への「搬送費」や「火葬料」を立て替えて支払わない
搬送費やドライアイス代、火葬料などを含む費用は、自治体から葬儀社へ直接支払われます。そのため、ご遺族がこれらを立て替えて支払う必要はありません。
注意が必要なのは、数千円程度の少額であっても自費で支払いを済ませてしまうと、「支払い能力がある」とみなされ、制度の利用が認められなくなる場合がある点です。どのような項目であっても、まずは支払わずに葬儀社とケースワーカーへ相談し、自治体の判断を待つことが大切です。
2 生活保護受給者の葬儀で利用できる制度「葬祭扶助(福祉葬)」とは?
ここからは「葬祭扶助(福祉葬)」が具体的にどのような仕組みなのかを解説します。
福祉葬は、正式には「葬祭扶助」と呼ばれる制度です。経済的な事情により葬儀費用を支払うことが難しい場合でも、火葬など最低限の葬送を行えるよう、自治体が費用を支援します。 ここでは、福祉葬の具体的な仕組みと内容を解説します。
2-1 葬祭扶助(福祉葬)とは
葬祭扶助とは、経済的な理由で葬儀費用を負担できない場合に利用できる公的支援制度です。支給される金額は自治体によって異なりますが、およそ20万円前後が基準額として設定されています。お住まいの地域の正確な基準については、役所の窓口で確認しておくと安心です。
この制度でカバーされる範囲は、ご遺体の搬送、安置、火葬、骨壷など、最低限必要とされる費用に限られます。
2-2 葬儀費用は「代理受領」により役所から葬儀社へ直接支払われる
福祉葬の費用は「代理受領」という仕組みをとっています。これは、役所が葬儀社へ直接費用を支払う方法です。ご遺族が多額の現金を一度に用意したり、ご自身で管理したりする金銭的な不安や手間を軽減できるよう配慮された仕組みになっています。
2-3 福祉葬(葬祭扶助)が火葬のみの「直葬」が中心となる理由
福祉葬の多くは「直葬(火葬式)」という形で行われます。葬祭扶助では費用の上限が定められています。読経や戒名授与といった宗教儀式は原則として扶助の対象外とされ、宗教者を招かない直葬という形式が選ばれます。くらしの友でも、福祉葬のご相談を承っておりますので、まずはお問い合わせください。
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3 葬祭扶助の対象となる方(利用条件)について
葬祭扶助は、葬儀費用の負担が難しい場合に限り葬儀費用が支給される制度です。そのため、申請時には故人様の資産状況や、ご親族による扶養の可能性などが確認されます。
3-1 1.亡くなられた方が生活保護を受けており、遺された資産がない場合
故人様自身が生活保護を受給しており、かつ手元の現金や預貯金が火葬費用を賄うのに十分でない場合に適用されます。故人様に預貯金などの資産がある場合は、まずその資産を葬儀費用に充て、不足分について扶助が検討されることになります。
3-2 2.葬儀を執り行う方が生活保護を受けており、費用の用意が難しい場合
亡くなられた方本人が生活保護受給者でなかった場合でも、葬儀を執り行う方(施主・喪主)が生活保護を受給しており、葬儀費用を支払うことが難しい場合には、制度を利用できる場合があります。
3-3 扶養義務者 (親族)の確認が行われる場合があります
申請にあたっては、役所からご兄弟やご親族へ「葬儀費用の援助が可能か」という確認の連絡が行われる場合があります。葬祭扶助では、親族からの援助(扶養)が優先されるため、援助が可能な方がいる場合は、そちらを優先するよう判断される可能性があります。
ただし「親族の援助が可能=葬祭扶助の利用は認められない」というわけではありません。親族関係が疎遠である場合や、親族自身も経済的に負担が難しい場合などは個別の事情を踏まえて総合的に判断されます。 不安なことがある場合は、ケースワーカーへ現在の状況を率直に相談することが大切です。
4 安心してお見送りするための申請と葬儀の流れ
葬祭扶助(福祉葬)を利用する場合の手順は、一般的な葬儀とは一部異なります。役所への申請から火葬当日、費用の精算まで、安心してお見送りするためのステップを確認しておきましょう。
4-1 ステップ1:福祉事務所(役所)での葬祭扶助の申請
まずはケースワーカーや役所の福祉事務所窓口で、葬祭扶助を利用したい旨を相談します。手続きをスムーズに進めるために、死亡診断書のコピー、生活保護受給者証、印鑑などを用意しておくと、お手続きが重荷にならないでしょう。
4-2 ステップ2:葬儀社との打ち合わせ・日程の調整
葬儀社スタッフにも、葬祭扶助(福祉葬)を希望していることを必ず伝えます。役所からの承認を待つ間、安置や火葬日程について打ち合わせを行い ます。
4-3 ステップ3:最後のお別れと火葬(当日)
直葬当日は、納棺後に火葬場へ移動し、最後のお別れを行ったうえで火葬・収骨へと進みます。
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4-4 ステップ4:葬儀費用の支払い
前述の通り、葬祭扶助の費用は自治体から葬儀社へ直接支払われます。そのため、ご遺族が費用を立て替えたり、葬儀社へ直接支払ったりする必要はありません。経済的な不安や管理の負担を感じることなく、お見送りを終えることができる仕組みになっています。
5 生活保護を受けている方の葬儀で、よくある質問
福祉葬ならではの疑問や、葬儀後の手続きについて不安に思われる点にお答えします。
葬儀後の納骨については、どのように考えればよいでしょうか?
福祉葬の扶助範囲には、一般的に納骨の費用は含まれておりません。そのため、合祀(ごうし)墓や自治体が運営する納骨堂など、費用負担を抑えられる供養先を選ぶケースも多く見られます。納骨先や供養方法にはさまざまな選択肢があるため、ご遺族の事情や希望に合わせて無理のない方法を検討するとよいでしょう。
いただいたお香典は、どのようにお伝えすればよいでしょうか?
お香典は、お返し(返礼品)や遠方からの参列者の交通費、お花代など、葬儀に関する実費に充てる範囲であれば、収入として扱われないことが一般的です。ただし、自治体によって取り扱いが異なる場合もあるため、事前にケースワーカーへ相談しておくと安心です。
葬祭扶助の申請が受理されなかったら、どうなりますか?
亡くなられた方に十分な預貯金がある場合や、親族に支払い能力があると判断された場合は、葬祭扶助の申請が認められないことがあります。その場合でも、葬儀社が用意している「直葬(火葬式)」などのシンプルなプランを選ぶことで、費用負担を最小限に抑えながらお見送りを行うことは可能です。
6 まとめ:福祉葬は大切な方と向き合うための「社会の支え」
生活保護受給者の葬儀で利用できる「葬祭扶助(福祉葬)」は、経済的な事情により葬儀費用の負担が難しい場合に、自治体が最低限必要な葬送費用を支援する制度です。利用するためには、葬儀前の申請が必要になるため、まずはケースワーカーや葬儀社へ早めに相談することが重要です。
また、福祉葬は費用を抑えた形式ではありますが、故人様とのお別れの時間を持つことに変わりはありません。地域や制度のルールを確認しながら、無理のない形でお見送りを行うことが大切です。
適切な手順を知り、信頼できる葬儀社へ相談することが、心穏やかなお別れの時間を過ごすための助けとなります。私たち「くらしの友」は、制度の利用を含め、ご遺族の不安を一つひとつ解消し、後悔のないお別れをお手伝いすることを大切にしています。
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