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ご遺体を安置する際の主な場所とは?各安置場所のメリット・デメリットも解説

作成日:2024.10.21
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

大切な方が急に亡くなられると、どこでご遺体を安置すればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。ご遺体を安置できるところは大きく分けると3つあり、事前にそれぞれのメリット・デメリットを把握しておけばいざというときも慌てずに決断できます。

 

そこで本記事では、ご遺体を安置できるところを3つ紹介します。それぞれのメリット・デメリットや費用目安も紹介しているので、併せて参考にしてください。

この記事で分かること

  • ご遺体を安置する場所は、自宅・葬儀場・民間施設の3つ
  • 葬儀場や民間施設は、依頼するところによって費用差が大きい
  • 自宅に安置する場合は、搬送できるかどうかを事前に確認する
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目次

  1. 1 ご遺体の安置とは
  2. 2 ご遺体を安置できる期間とは?
  3. 3 主な安置場所の種類を紹介 それぞれのメリット・デメリットも解説
  4. 4 ご遺体を安置する際の費用
  5. 5 まとめ:各安置場所の特徴を知り、後悔のない選択を

1 ご遺体の安置とは

ご遺体の安置とはご臨終から葬儀までの間、ご遺体を保管することです。火葬は死亡後24時間以内には実施できず、そのため葬儀までの数日間は適切な温度管理を行いながら安置することが重要です。

病気や事故など何らかの理由によって死亡判定を受けると病院や警察の霊安室に移されることが一般的です。しかし、病院や警察の霊安室では、ご遺体を長時間安置することはできず、一時的な対応に限られます。そのため、葬儀を執り行うまでの数日間、ご遺体を保管できる場所を用意する必要があります。

 

ご遺体を安置するところは故人が亡くなってからすぐに決める必要があるので、安置場所の種類や、それらのメリットやデメリットを把握し、早い段階で安置場所を決めておくと安心です。

1-1 安置までの流れ

家族が亡くなったときは、ご遺体を自宅に搬送するのも一つの方法です。布団の上にご遺体を寝かせて、ドライアイスなどで冷やしながら状態を維持します。具体的なメリット・デメリットを紹介します。

亡くなってから安置までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 1.医師による死亡確認:医師から死亡診断書を受け取ります。
  2. 2.葬儀社への連絡:葬儀社を決定し、搬送を依頼します
  3. 3.故人の搬送:葬儀社がご遺体を自宅や安置施設に搬送します。
  4. 4.故人の安置:遺族が希望する場所で故人を安置します。ご遺体にドライアイスを添え、枕飾りを設置します。
  5. 5.関係者への連絡:菩提寺や親族などに必要な連絡を行い、葬儀の準備に入ります。

1-2 安置に必要なもの

1-2-1 遺族が用意するもの(自宅に安置する場合)

  • 布団

敷き布団と掛け布団を各1枚準備。枕も用意。ベッドを使用していた場合はそれを使うことも可能です。葬儀社に安置する場合は、葬儀社が用意してくれます。

1-2-2 葬儀社が用意してくれるもの

  • 防水シーツ
  • ドライアイス
  • 枕飾り一式
  • 着衣:病院で着せてもらった浴衣をそのまま使用できます。

また、急いで準備する必要はありませんが、枕花や故人が好んだ食べ物などをお供えとして用意してもよいでしょう。

2 ご遺体を安置できる期間とは?

ご遺体を安置できる期間は、明確な決まりはありません。ご遺体の保全状況や安置場所の環境、その時の気候などにより異なりますが、数日から10日程度までとされています。

火葬場の混雑状況や、年末年始の火葬場の休業期間、菩提寺や遺族・親族の都合などによっては、安置が長引く可能性も想定されます。また、日本では「友引に葬儀をするのは縁起が悪い」として、友引の日の葬儀を避ける慣習もあり、ある程度の期間、安置が必要になる場合もあるでしょう。

しかし日数が経過するにつれてご遺体の状態が次第に悪くなってしまうため、あまり長期間の安置はおすすめできません。

 

なお、前述のとおり日本では死後24時間以内に火葬してはいけないと法律で定められており、1日以上の安置が義務付けられています。(※他の法令に別段の定があるものを除く)

従って死後24時間以上経過していれば、葬儀や火葬を行うことができ、それに伴い安置期間を決まります。

 

※出典:厚生労働省.「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」.https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei15/ ,(参照 2024-08-27).

3 主な安置場所の種類を紹介 それぞれのメリット・デメリットも解説

ご遺体を安置できるところは、主に以下の3つです。

  • 自宅
  • 葬儀場
  • 民間施設

それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

3-1 自宅に安置する

家族が亡くなったときは、ご遺体を自宅に搬送するのも一つの方法です。布団の上にご遺体を寝かせて、ドライアイスなどで冷やしながら状態を維持します。具体的なメリット・デメリットを紹介します。

3-1-1 メリット

まず、葬儀までの数日間を家族が一緒に過ごせることが挙げられます。この時間は、故人を偲びながら、思い出を語り合う貴重な機会です。自宅という故人と家族が慣れ親しんだ空間で過ごすことで、家族間の絆を深めることができる点が大きな利点です。

また、民間の葬儀施設では面会時間が限られていることが多く、訪問できる時間帯に制約がある場合があります。一方で、自宅での安置であれば、いつでも故人に寄り添うことができます。

 

このように、自宅に遺体を安置することは、慣れ親しんだ場所で故人と過ごしながら、心の整理をするための貴重な時間を確保できるというメリットがあります。

3-1-2 デメリット

まず、自宅には遺体を安置するための専用設備がないことが挙げられます。一般的に、葬儀社などの民間施設には遺体を適切に保管するための冷蔵設備や環境が整っています。これに対して自宅ではそのような設備がないため、温度管理が難しくなります。

 

特に、夏場や気温が高い時期には、冷房を使用していても遺体の状態に対する不安が増します。高温多湿の環境では、遺体の腐敗が進行しやすく、見た目や匂いなどの問題が生じる可能性があります。このような状況は、家族にとって精神的な負担となることが考えられます。

このため、自宅での安置を選択する際には、設備や環境の整備が十分にできるかどうかを慎重に検討することが重要です。

また、ご遺体を自宅で安置する場合は、搬送経路や安置するスペースを確保しなければいけません。アパートやマンションといった集合住宅の場合、通路や居住スペースが狭く、ご遺体を自宅内の安置スペースまで運べないケースも少なくないからです。

自宅に安置したい場合は、担架(たんか)が通るかどうかを確認しておくとよいでしょう。もし自身での判断が難しい場合には、葬儀社に相談すれば親身になって回答してくれます。

3-2 葬儀場に安置する

病院からご遺体を搬送する時点で利用する葬儀社が決まっている場合は、葬儀場に安置することも可能です。具体的なメリット・デメリットを紹介します。

3-2-1 メリット

葬儀場には、冷蔵設備が整っているケースが多く見受けられます。このため、すぐに火葬が行えない場合でも、ご遺体の状態を適切に維持しやすいというメリットがあります。温度管理がしっかりと行われることで、遺体の腐敗を防ぎ、見た目や匂いなどの問題を軽減できます。

 

もし通夜・葬儀を行う葬儀場に安置できれば、何度もご遺体を移動させる必要がありません。一度の移動で済むことで、適切な状態を維持しやすくなり、ご遺体の腐敗損傷を防ぐことができます。また、移動を複数回行うと、そのたびに搬送費用が発生することが一般的です。したがって、移動が1度で済むことで、搬送にかかる費用を削減することができます。

また、葬儀場の専門スタッフにご遺体の管理を一任できるため、家族は葬儀の準備や心の整理に専念できる環境が整います。これにより、家族の負担を軽減し、故人との最後の時間をより大切に過ごすことができるでしょう。

3-2-2 デメリット

葬儀場に安置すると面会時間が制限されていることがあるので、家族や親しい人が故人に最後の別れを告げる時間が限られてしまうことがあります。

また、安置料は日数に応じてかかることが一般的ですので、経済的な負担が増すことはデメリットと言えます。

3-3 民間施設に安置する

民間の安置施設を利用するのも一つの方法です。民間の安置施設とは、葬儀社以外の民間企業が運営する、遺体を一時的に安置するための専用施設です。具体的なメリット・デメリットを紹介します。

3-3-1 メリット

民間施設は、面会時間が柔軟に設定されていることが多く、ご遺体の受け入れや面会時間に制限を設けていない場合もあります。そのため故人との最後の時間をゆっくりと過ごしたり、葬儀社を慎重に選んだりもできるでしょう。

3-3-2 デメリット

民間の安置施設を利用する場合、安置料や施設利用料がかかります。これにより、葬儀全体の費用が増加する可能性があります。また民間の安置施設は地域によって数が限られているため、希望する条件に合った施設が見つからない場合があります。民間施設の場所が自宅から遠いと家族の移動距離が長くなり、負担も大きくなりやすいです。葬儀場のように冷蔵設備が整っていない場合もあるため、施設の環境を確かめておくことも重要です。

4 ご遺体を安置する際の費用

最後に、ご遺体を安置する際の費用を以下の3つに分けて解説します。なお、安置にかかる費用の総額は、日数により異なります。

  • ・自宅に安置する場合
  • ・葬儀場に安置する場合
  • ・民間施設に安置する場合

自宅に安置する際の費用目安は、5万~7万円です。具体的な内訳は、以下の通りです。

費用の内訳
費用の目安
搬送にかかる費用①
(病院~安置場所まで)
2万円/10km
搬送にかかる費用②
(安置場所~葬儀場まで)
2万円/10km
ご遺体の保全費用
(ドライアイスなど)
5,000~2万円/1日
施設の利用料
なし
付き添い費用
なし

自宅でご遺体を安置すると施設利用料や付き添い費用がかからないため、金銭的な負担を軽減しやすいでしょう。上記以外にかかる費用として、枕飾りがあります。枕飾りとは故人の眠る棺の枕元に飾る祭壇のことで、葬儀社によっては自宅にご遺体を安置する際に準備します。詳細は葬儀社によって異なりますが、枕飾りの費用目安は5千円ほどです。

 

なお、ドライアイスの費用は季節や気温、火葬までの期間などによって変動します。

4-1 葬儀場に安置する場合

葬儀場に安置する際の費用目安は、3万~10万円ほどです。具体的な内訳は、以下の通りです。

費用の内訳
費用の目安
搬送にかかる費用①
(病院~安置場所まで)
2万円/10km
搬送にかかる費用②
(安置場所~葬儀場まで)
なし
ご遺体の保全費用
(ドライアイスなど)
5,000~2万円/1日
施設の利用料
5,000~3万円/1日
付き添い費用
なし~5万円

葬儀場に安置する場合は依頼先やエリアによって、金額が大幅に異なります。予算を考慮した上で希望に合う葬儀社を選ぶことが大切です。なお、葬儀社によってはお通夜や告別式などがセットになったプランを提供している場合があります。全て依頼する場合は、内訳を確認しましょう。

4-2 民間施設に安置する場合

民間施設に安置する際の費用目安は、3万~4万円ほどです。民間施設は運営元によって料金が大きく変わり、対応方法にも違いが見られるため、信頼度も含めて事前にチェックしましょう。具体的な内訳の目安は以下の通りです。

民間施設は安置に特化しているため、葬儀の前に再度ご遺体を搬送する必要があります。つまり、葬儀場にご遺体を安置するケースよりも費用がかかりやすい点に注意が必要です。

一部の施設では、最低利用日数が設定されていることがあります。逆に、長期間の利用を希望する場合、割引が適用されることもあります。地域によって相場が変動するため、具体的な料金を知りたい場合は、複数の施設に問い合わせて見積もりを取得することをお勧めします。

費用の内訳
費用の目安
ご遺体の搬送にかかる費用①
(病院~安置場所まで)
2万円/10km
ご遺体の搬送にかかる費用②
(安置場所~葬儀場まで)
2万円/10km
ご遺体の保全費用
(ドライアイスなど)
5,000円~2万円/1日
施設の利用料
5,000円から3万円/1日
付き添い費用
5,000~3万円

5 まとめ:各安置場所の特徴を知り、後悔のない選択を

ご遺体の安置方法は故人が亡くなった後に早急に決めなければならず、突然の出来事に混乱する方も多いかもしれません。しかし、冷静な判断力を失ってしまうと希望通りのかたちで安置できなかったり、予想以上に費用がかかってしまったりすることもあるでしょう。今回紹介した各安置場所のメリット・デメリットを参考に、故人との最後の時間を過ごす場所を決めてみてください。

 

くらしの友では安置方法をはじめ、葬儀に関する質問や相談を受け付けています。「ご遺体の正しい安置方法が分からない」「どのように管理すればよいか分からず不安」といったお悩みを抱えている方も多いでしょう。くらしの友では、そのようなお声にも耳を傾け、丁寧に対応させていただきます。葬儀に関するご相談がある方は、お気軽にご相談ください。

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