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無宗教の葬儀はどのような流れ? 費用やマナー、注意点を解説

作成日:2024.01.18
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

近年、宗教的な儀式を行わない無宗教葬を行う方も少しずつ増えてきています。無宗教の葬儀には、一般的な葬儀にはないメリットがある一方、注意しなければならない点もあります。

 

本記事では、無宗教葬の概要から、選ぶ理由とメリット、注意点の他、主な流れやマナーまでを解説します。

この記事で分かること

  • 無宗教葬では、宗教的な儀式を行わず、自由な形式で葬儀を行える
  • 無宗教葬を選ぶメリットには、故人の遺志や、遺族の意向を反映しやすいという点にある
  • 無宗教葬の一般的な流れは、「参列者の入場」「開式の言葉など」「黙祷・献奏を行う」「お別れの言葉」「献花を行う」「閉式の言葉/出棺」

目次

  1. 1 無宗教葬とは?
  2. 2 無宗教葬を選ぶ理由とメリット
  3. 3 無宗教葬の費用はどれくらい?
  4. 4 無宗教葬を行う場合の2つの注意点
  5. 5 無宗教葬の主な流れ
  6. 6 無宗教葬に関するマナー
  7. 7 無宗教葬後の供養方法
  8. 8 無宗教葬儀を行う場合はマナーと注意点を押さえておこう

1 無宗教葬とは?

無宗教葬とは、宗教的な儀式を行わない葬儀で、自由葬と呼ばれることもあります。日本では仏教の風習に基づいて行われる仏式の葬儀が8割程度を占めており、無宗教葬は約8%(※)と少数派ではあります。

ただし、近年は無宗教葬を選ぶ方も増加傾向にあるといわれています。

※2022年 (株)くらしの友の葬儀実績に基づく

 

仏式の葬儀の場合、僧侶を招いてお経を読んだり焼香をしたりするのが一般的ですが、無宗教葬では供養の仕方に決まりはありません。故人の家族が自由に演出や形式を決めることができます。

2 無宗教葬を選ぶ理由とメリット

無宗教葬を選ぶ理由やメリットには、大きく分けて3つあります。

無宗教葬を選ぶメリット

  • 1. 故人の遺志や遺族の意向を反映しやすい
  • 2. 費用を抑えられる
  • 3. 誰でも参列できる

2-1 故人の遺志や遺族の意向を反映しやすい

無宗教葬は決まりや形式にとらわれないため、さまざまな演出を行うことが可能です。例えば、葬儀で故人の好きだった音楽や映画を流したり(献奏)、故人が趣味で作った創作物を展示したりすることも可能です。故人が遺言やエンディングノートで「こんな葬儀にしたい」と要望を遺していた場合、無宗教葬ならその要望をかなえやすくなります。

2-2 費用を抑えられる

仏式の葬儀では、僧侶に読経や戒名の御礼としてお布施などを渡す必要がありますが、無宗教葬では僧侶を呼ばないので、これらの費用が発生しません。その分費用を節約できるため、予算を抑えた葬儀を行えます。

2-3 誰でも参列できる

特定の宗教を信仰している方の中には、宗教上の理由で宗教葬に参列できないこともあります。無宗教葬なら宗教の別がないため、どなたでも参列することが可能です。

3 無宗教葬の費用はどれくらい?

前述のとおり、無宗教葬ではお布施など宗教者に渡すお金は不要です。その分の費用は節約できますが、宗教者に手渡す以外のお金は、仏式の葬儀や神道式の葬儀など一般的な宗教葬と同じくらいの費用がかかるので注意しましょう。具体的な費用の内訳としては、ご遺体の搬送費や式場使用料、祭壇料、棺代などがあります。

 

無宗教葬の形式は自由な形式で行えるので、人によって内容が異なるため費用の相場というものがありません。その分、事前におおよその費用を把握しにくいので、予算を先に決めてから内容を決定することをおすすめします。

4 無宗教葬を行う場合の2つの注意点

無宗教葬を行う際に気を付けたい注意点を2つご紹介します。

無宗教葬を行う場合の注意点

  • 1、菩提寺と事前に相談する
  • 2、親族の意向を考慮する

4-1 菩提寺と事前に相談する

 

先祖代々の墓が置かれている菩提寺がある場合、本来は菩提寺に連絡して葬儀を依頼するのが習わしです。菩提寺を通さずに葬儀を無宗教葬を行うと、納骨を断られるなどお寺とトラブルになる恐れがあります。

 

そのため菩提寺がある場合は、まずは菩提寺に故人が亡くなったことを連絡するのがマナーです。そのうえで、葬儀の形式について故人の遺志や遺族の希望がある場合は、相談をしましょう。

4-2 親族の意向を考慮する

無宗教葬は近年徐々に認知されてきている形式ですが、宗教葬に比べるとまだまだ少数派の新しいスタイルです。そのため、無宗教で葬儀を執り行うことに抵抗を覚える方もおり、親族から反対される恐れがあります。特に何の相談もなく無宗教葬を行うと、親族間でトラブルが起こったり、不和の原因となったりする可能性があります。故人と特に近しい関係にあった親族や、親族の主立った方には、事前に遺族の意向を伝え、意見を伺いましょう。その際、なぜ無宗教葬で葬儀を行いたいのか、親族に理解してもらえるようきちんと説明することが大切です。

5 無宗教葬の主な流れ

無宗教葬には決まった形式がないので、当日の流れや演出は個々によって異なります。以下では一例として、無宗教葬の主な流れを紹介します。

5-1 参列者が入場する

葬儀の参列者が会場に入場します。

入場時は、故人が好きだった曲を流したり、吹奏楽やバンドで生演奏を流したりするケースもあります。

5-2 開式の言葉やメッセージを読む

参列者全員が着席したら、司会者が開式の辞を述べ、今から葬儀・告別式を執り行うことを伝えて式が始まります。開式に際して、なぜこの形式を選んだのか、その理由や故人の要望などを話してもよいかもしれません。メッセージについては、故人の人柄を説明したり、生前の思い出などを話したりするのが一般的です。

5-3 黙祷を行う

仏教葬では僧侶がお経を読み上げますが、無宗教では読経を行いません。その代わりとして、参列者全員で黙祷を捧げるケースがあります。司会者が黙祷の合図をしたら、手は合わせず、少し頭を下げて目を瞑ります。

5-4 献奏を行う

献奏とは、もともとは音楽を演奏して神仏に奉納する儀式を指しますが、亡くなった方の霊前で行う演奏も献奏と呼ばれています。曲は、故人の好きだった曲や、故人との思い出の曲を選びます。生演奏はもちろん、CDなどをかけて流す方法もあります。このとき、故人の写真をスライドや映像などで映す演出を行ってもよいかもしれません。

5-5 お別れの言葉を伝える

参列者が故人にお別れの言葉を伝えます。参列者の中から、代表する数人が行います。一言メッセージを伝える、あらからじめ用意した手紙を読み上げるなどの方法があります。お別れの言葉を述べる人数は、参列者の人数やスケジュールの都合などによって検討が必要です。準備や心構えもあるので、お別れの言葉を述べてもらいたい人には、事前に依頼をしておきましょう。

5-6 献花を行う

仏式の葬儀では焼香を行いますが、無宗教葬では必ずしも焼香を行う必要はありません。代わりに参列者一人ひとりが花を献花台に置く献花を行う場合があります。花は菊や白いカーネーションが一般的ですが、故人の好きだった花を選ぶケースもあります。

 

献花の順番は喪主から始まり、家族、親族、参列者と、故人と関係が近い順で行います。なお、献花ではなく焼香を行っても構いません。

5-7 閉式の言葉を告げる

喪主が閉式の言葉を告げます。葬儀に参列してくれたことと、故人との生前のお付き合いについて感謝の言葉を述べるのが一般的です。葬儀の後、会食の席を設けている場合は、この場で参列者に伝えます。

6 無宗教葬に関するマナー

無宗教の葬儀のマナー

無宗教葬の服装や献花、香典のマナーについて解説します。

6-1 服装のマナー

自由なスタイルの無宗教葬ですが、家族から特に指定がない場合は一般的な葬儀と同じく、喪服を着用しましょう。男性は黒のスーツに黒のネクタイ、靴下、靴を身に着けます。女性は黒無地のスーツかワンピース、黒のストッキング、靴、バッグをそれぞれ身に着けます。

 

家族から「平服でお越しください」といった指定がある場合は、ダークカラーのスーツやベーシックな色合いのワンピースなどを着用するのが無難です。平服とはいっても、ジーンズのような普段着や、カジュアルすぎる服装、派手な色柄の服装はNGです。女性の場合、アクセサリーもパールのネックレスなどにとどめておきましょう。

6-2 献花のマナー

献花は仏式の葬儀の焼香と同じく、喪主、家族、親族、友人・知人の順で行います。献花は葬儀社が用意してくれるので、順番になったら家族に一礼してからスタッフよりお花を受け取ります。このとき、上着やバッグなどの荷物は持たず、お花は両手で受け取るのがマナーです。受け取った後も、献花台に捧げるまでお花は両手で持ち続けます。自分から見て花弁側が右、茎側が左になるように持ちましょう。自分の順番になったら、献花台で一礼し、花を右に回して茎の部分を霊前に向けて捧げます。そのまま手を合わせて黙祷し、再び家族の方へ一礼します。

6-3 香典のマナー

無宗教葬でも香典は準備する必要があります。なお、無宗教葬の香典相場は一般的な葬儀と変わりません。香典を入れる袋は、白い封筒か、絵柄の無い不祝儀袋を使用します。ただし、表書きは宗教的な表現を使わないことが大切です。例えば、仏式で用いる御仏前や、神道で用いるご神前、キリスト教で用いる御ミサ料などは宗教的な表現となるので控えましょう。御霊前や御花料は宗教や宗派とは無関係なので、無宗教葬の香典の表書きにはいずれか一方を書くようにします。

 

香典の相場や香典袋の書き方などは、以下のページをご参考にしてください。

家族葬の香典マナーとは? 相場や注意点、辞退された時の対処法も

7 無宗教葬後の供養方法

無宗教を終えた後の供養方法について解説します。

7-1 無宗教葬では戒名は必要ない

戒名は仏教における習わしなので、無宗教葬やその他の宗教では不要です。

7-2 無宗教での仏壇についての考え方

無宗教の場合、戒名と同じく、仏壇は必須ではありません。ただ、仏壇を設置してはいけないというわけではないので、実家から仏壇を引き継いだ場合などは自宅に設置してもよいでしょう。無宗教だけど手を合わせる拠り所となる仏壇が欲しいという方は、現代風のモダンな仏壇を設置するケースもあるようです。

 

洋室や寝室に適した仏壇や祈り壇は以下でご紹介しています。

 

洋室に置くお仏壇一覧

寝室に置く祈り壇一覧

7-3 無宗教でのお墓についての考え方

無宗教の場合は、公営の霊園や民営の公園墓地などを利用するのが一般的です。最近は樹木葬や散骨などの供養方法を選ぶ方もいます。子どもがいない方や、お墓の継承者がいない場合は、永代供養を選ぶのも一つの方法です。

7-4 無宗教での法要(四十九日や一周忌)についての考え方

四十九日や一周忌は仏教葬の考え方なので、無宗教の場合はこれらの法要は不要です。ただし、家族が希望すれば法要を行っても構いません。その際は読経などは上げず、会食などをするケースがあるようです。

8 無宗教葬儀を行う場合はマナーと注意点を押さえておこう

特定の宗教宗派によらない無宗教葬は、故人の遺志や遺族の意向を反映しやすい、また宗教者に払う費用が必要ないなどのメリットがあります。

その一方で、菩提寺や親族とトラブルになる可能性もあるので、事前によく相談し、了解を得ておくことが大切です。また、特定の宗教宗派によらないということは、その後の供養についての拠り所がないという面もあります。葬儀後のことも考えたうえで、葬儀の形式を決めることが大切です。

無宗教でも服装や献花などのマナーは必要なので、事前にひと通りのルールを覚えておくことが大切です。

 

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くらしの友の葬儀についてはこちら>

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