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家族葬で渡すお布施の金額相場は?注意点やマナーも解説

作成日:2024.02.28
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

家族葬にかかる費用の一つが、僧侶に手渡すお布施です。

 

お布施を包むときに気になるのが、金額が少ないと失礼に当たるのではないかという問題です。本記事では、家族葬におけるお布施の金額相場やお布施の内訳、お布施の書き方・包み方・渡し方のマナーを解説します。

この記事で分かること

  • 家族葬でもお布施を包む必要がある
  • お布施の金額に決まりはないが、大まかな相場は存在する
  • お布施には書き方・包み方・渡し方にも大切なマナーがある

目次

  1. 1 お布施とは? 僧侶に謝礼としてお渡しする費用
  2. 2 家族葬におけるお布施の相場は? 地域別に紹介
  3. 3 家族葬で渡すお布施の内訳
  4. 4 家族葬におけるお布施の書き方
  5. 5 家族葬のお布施は何に包む?包み方を解説
  6. 6 家族葬におけるお布施の渡し方
  7. 7 家族葬のお布施に関する注意点4つ
  8. 8 家族葬で渡すお布施の相場やマナーを知ろう

1 お布施とは? 僧侶に謝礼としてお渡しする費用

お布施(ふせ)とは、葬儀に来てもらった僧侶に対し、謝礼としてお渡しする費用のことを指します。

 

葬儀において、僧侶の果たす役割はさまざまです。お経を上げて故人を追善供養したり、戒名(浄土真宗の場合は法名)を付けてもらったりします。

 

お布施は金銭的な報酬というよりも、僧侶に感謝の気持ちを伝えるという意味合いがあります。そのため、お布施に決まった金額はありません。寺院や菩提寺との関係性にもよりますので、相場や平均の金額は、あくまでも参考としてとらえるようにしてください。

2 家族葬におけるお布施の相場は? 地域別に紹介

家族葬は一般葬よりも参列者が少なく、小規模な葬儀です。しかし、参列者の人数はお布施の相場には影響しません。家族葬であっても、一般的な金額を包むと良いでしょう。

 

目安として、2021年8~12月に一般財団法人日本消費者協会が実施した調査結果を見てみます。これによると、お布施の金額の全国平均は42.5万円でした。また地域別では、以下のような結果が出ています。

 

  • ●     北海道:25.4万円
  • ●     東北:34.2万円
  • ●     関東:48.7万円
  • ●     東京:57.2万円
  • ●     北陸:31.6万円
  • ●     東海:43.6万円
  • ●     近畿:38.7万円
  • ●     中国四国:43.7万円
  • ●     九州:35.0万円
  • ●     無回答:34.0万円

 

家族葬のお布施の相場に迷ったら、上記の調査を参考にしてみてください。お布施の金額は地域によって差があるため、いくら包めばよいのか迷ったら、菩提寺に問い合わせても問題ないでしょう。

 

※参考:一般財団法人 日本消費者協会. 「第12回 葬儀についてのアンケート調査報告書 p13」.

2-1 家族葬のお布施の相場は宗派によっても異なる

家族葬のお布施の相場は、宗派によって異なる点に注意してください。一般的に複数名の僧侶を招く宗派(禅宗など)はお布施の相場が高い傾向にあり、庶民を通じて広がった宗派(浄土真宗など)の葬儀では相場が低くなる傾向にあります。

 

ただし、戒名の位によってもお布施の金額は上下します。戒名や読経など、お布施がどのような内容のものに対するお礼なのかも知っておきましょう。

3 家族葬で渡すお布施の内訳

家族葬で渡すお布施の内訳は、読経に対するお礼、戒名に対するお礼、御車代、御膳料の4種類です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 読経に対するお礼

家族葬で渡すお布施には、僧侶に対し、お経を上げてもらったことへの謝礼として手渡す費用が含まれます。

 

仏式の葬儀や法事・法要では、僧侶を招き、故人のためにお経を上げてもらいます。これを読経(どきょう/どくきょう/どっきょう)といいます。読経のタイミングは、臨終後間もない故人の枕元で行う枕経(まくらきょう)や、お通夜など、さまざまです。読経を行う理由は、お経を唱えて徳を分け与え、故人を浄土へ導く回向(えこう)という考え方がもとになっています。

3-2 戒名に対するお礼

家族葬で渡すお布施には、故人に戒名を付けてもらったことへの謝礼として、僧侶に手渡す費用が含まれます。戒名とは、故人を浄土に導くため、仏の弟子となった証として付ける名前です。

 

宗派によっては戒名がありません。例えば、浄土真宗では戒名ではなく法名、日蓮宗では法号と呼ぶ点に注意しましょう。

 

戒名には位があり、お礼の相場も戒名の位によって変動します。例えば、最も戒名の位が低いのは信士・信女で、順に居士・大姉、院信士・院信女、院居士・院大姉と位が高くなっていきます。戒名の位も宗派によって異なるため、事前に菩提寺の宗派を確認してください。

3-3 御車代

御車代はお車代ともいい、僧侶の交通費のことです。御車代はお布施とは別の封筒に入れ、僧侶に手渡すことがマナーとされています。

自動車のガソリン代や、タクシー代、公共交通機関の利用料金としてお渡しするのが御車代です。交通費は会場までの距離によりますが、一般的に5,000~1万円ほどをお渡しすれば、マナー違反には当たらないといわれています。僧侶が遠方から来る場合は、交通費や宿泊費に相当する金額を上乗せした御車代を包みましょう。

 

なお、葬儀式場への送迎用の車を葬家が手配する場合や、家族葬をお寺で行う場合は、御車代は不要です。

3-4 御膳料

御膳料(おぜんりょう)とは、僧侶が会食に参加しない場合に、食事代に相当する金額としてお渡しするお金のことです。

 

葬儀では、参列者一同が集まって会食をする機会が何度かあります。例えば、お通夜の後で行う通夜振る舞いや、葬儀や初七日法要の後で行う精進落としなどです。会食には僧侶も参加しますが、当日のスケジュールによっては参加できない場合もあります。その場合に食事の代わりとしてお渡しするのが、御膳料です。御車代と同様に、御膳料を渡すときはお布施とは別の封筒に包みましょう。

御膳料の金額は、一般的に5,000~1万円が目安です。こちらは一人当たりの金額なので、複数名の僧侶が来る際は人数分の金額を用意しましょう。

お通夜・葬儀と2日間に渡って執り行う場合には、2日分をまとめてお渡しします。

 

なお僧侶が会食に参加する場合は、御膳料を包む必要はありません。

4 家族葬におけるお布施の書き方

ここでは、お布施を包む封筒の表書き、中袋、裏面のマナーを紹介します。

4-1 表書き

お布施を包む封筒の表面には、「御布施」と書き、その下に喪主(または施主)の氏名を記入しましょう。氏名は名字だけ(例:○○家)でも構いません。

 

表書きだけでなく、お布施を包む封筒は、毛筆または筆ペンを使用して記入するのがマナーです。鉛筆やボールペンで表書きすると、相手に対して失礼に当たるため、記入時に注意してください。

4-2 中袋

お布施を入れる封筒に中袋が付いている場合は、お布施の金額、喪主(または施主)の氏名、住所の3点を記入します。金額は中袋の表面中央に書き、氏名や住所は裏面の左下に記入しましょう。

 

お布施の金額を記入するときのルールは2つあります。

 

  • ●     金額の部分の前に「金」、終わりに「也」を書く
  • ●     金額は算用数字でなく、旧字体の漢数字で書く(例:金伍萬圓也)

 

旧字体の漢数字は以下の表を参考にしてください。

壱(一)
弐(二)
参(三)
伍(五)
陸(六)
漆(七)
捌(八)
拾(十)
仟(千)
萬(万)

 

なお、肆(四)や玖(九)は、それぞれ「死」や「苦」を連想させるため、どちらかを含む金額を包むことは、葬儀の香典では忌避されます。ただしお布施の場合には包んでも問題ありません。

4-3 裏面

中袋がないタイプの封筒を使う場合、裏面にお布施の金額、喪主(または施主)の住所の2点を書きましょう。中袋が付いている場合、裏面には何も書かなくても問題ありません。

 

お布施の金額は、前述したように旧字体の漢数字で書き、先頭に「金」、終わりに「也」を記入してください。なお、住所や郵便番号の数字は、旧漢数字ではなく日常で使用される漢数字で問題ありません。

 

お布施の書き方について詳しく知りたい方はこちらも参照ください。

5 家族葬のお布施は何に包む?包み方を解説

お布施を渡すときは、お札を奉書紙(ほうしょし)に包むか、中のお札が透けないよう厚手の白封筒に入れます。ここでは、お布施の包み方に関するマナーを紹介します。

5-1 奉書紙

お布施のお札は、奉書紙に包んで渡すのがマナーとされています。奉書紙とは、高級和紙の一種で、室町時代の公文書にも使用されていたといわれる歴史ある紙です。当時は楮(こうぞ)という植物が原料に使われていましたが、現在は主にパルプが原料に使われ、厚手でしっかりとした紙になっています。

 

奉書紙には、表面と裏面で感触が異なり、ツルツルした表面が表にくるようにお札を包みましょう。

5-2 白い封筒

奉書紙の代わりに、厚手の白い封筒でお札を包んでも構いません。封筒の表面には、前述したように毛筆または筆ペンで「御布施」と書き、その下に喪主(または施主)の氏名、住所を記入しましょう。すでに「御布施」とプリントされた封筒の場合、氏名・住所のみ記入してください。

 

なお、無地でない封筒(郵便番号などが記入されたものなど)や、白以外の封筒(茶封筒など)でお布施を包むのはマナー違反のため、白い無地の封筒を用意してください。

6 家族葬におけるお布施の渡し方

お布施の渡し方

お布施を渡すときのマナーも大切です。僧侶にお布施を渡す際は、袱紗(ふくさ)か切手盆(きってぼん)を用意しましょう。

6-1 袱紗から取り出して渡す

お布施を渡す際は、お布施の入った封筒を袱紗で包み、そこから取り出して僧侶に手渡してください。袱紗とは、弔事や慶事の際に、のし袋や金封を包む布のことです。お布施を袱紗に包まず、封筒のまま手渡すと相手に対して失礼になるため、袱紗に包んでからお布施を渡しましょう。

6-2 切手盆に乗せて渡す

ご自宅に切手盆がある場合は、お布施を切手盆に乗せて渡しましょう。葬儀社が用意してくれる場合もあります。

切手盆とは、黒塗りのお盆のことで、お布施の他にも香典やお祝い金を手渡す際にも使われています。切手盆を使ってお布施を手渡すときの手順は以下のとおりです。

 

  • 1、切手盆の上にお布施の封筒を重ねる
  • 2、「御布施」の文字が僧侶に向けて渡す

 

切手盆に乗せて渡すときはお盆ごと手渡し、僧侶がお布施を受け取ったら、空のお盆を受け取ります。

7 家族葬のお布施に関する注意点4つ

その他、お布施を包むときに注意したいマナーが4つあります。

7-1 新札を使用する

お布施として包むお札は、新札を用意してください。

 

葬儀の香典には、新札ではなく古札が使われるため、お布施も古札を包むのがマナーなのではないか、と誤解する方もいるかもしれません。しかし、お布施は香典と違い、僧侶に対する感謝の気持ちを表すためのものです。手元に新札がない場合は、銀行で古札と交換して、新札を包みましょう。

7-2 一言あいさつを添えて渡す

僧侶にお布施を手渡すときは、一言あいさつを添えてください。あいさつの言葉は、葬儀の前に渡す場合と、葬儀の後で渡す場合で変わってきます。

 

葬儀の前に渡す場合は、「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつしましょう。僧侶が遠方から来られた場合は、「遠方よりお越しいただき、ありがとうございました」と申し添えるとより好印象です。家族葬で執り行うことになった経緯などを伝えてもよいでしょう。

 

また葬儀の後で渡す場合は、「本日はありがとうございました」と感謝の言葉をかけましょう。

7-3 葬儀の最中に渡さない

お布施を渡すタイミングは、葬儀が始まる前が一般的です。僧侶が式場に到着をしたら、控室に伺い、あいさつと一緒に手渡します。

 

菩提寺から僧侶を招く場合は、事前にいつお布施を渡すべきか確認をしておくとよいでしょう。葬儀が終わってから後日お寺を訪問するなど、別のタイミングを指示される場合もあります。葬儀社に僧侶の紹介を依頼した場合は、いつ渡すのか葬儀社に確認をしてください。

7-4 お布施の封筒は濃い墨で記載する

封筒の表書きには、薄墨ではなく、黒墨を使います。薄墨には、相手に哀悼の意を表す意味合いがあるため、主に香典を入れる封筒の表書きなどに使われています。しかし、お布施は僧侶に感謝の気持ちを表すためのものであるため、濃い黒墨を使用する方が適切です。

8 家族葬で渡すお布施の相場やマナーを知ろう

家族葬は、故人の関係者のみが集まる小規模な葬儀です。しかし、僧侶に渡すお布施の金額は、参列者の人数とは関係ありません。家族葬であっても、失礼に当たらない一般的な相場のお布施を僧侶に渡す必要があります。

 

 

またお布施を渡すときのマナーも大切です。お布施の書き方・包み方・渡し方のマナーを知り、失礼にならないように注意しましょう。

 

家族葬をお考えなら、くらしの友にお任せください。葬儀の流れから気になるお布施のマナーまで、無料電話相談も受け付けています。

 

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