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中袋なしの香典袋の書き方やマナーとは? お札の入れ方も解説

作成日:2024.01.18
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

葬儀や通夜に参列する際は香典を渡すのがマナーです。香典は香典袋に包みますが、中袋が付いていない場合があります。中袋がない場合はどのように香典を包んだらよいのか分からず、お困りの方もいるでしょう。

 

本記事では、中袋なしの香典袋にどのようなマナーがあるのかを解説します。

この記事で分かること

  • 中袋なしの香典袋の表書きのマナーは一般の香典袋と同じ
  • 中袋なしの香典袋は外袋の裏面に金額と住所を記載する
  • 中袋がない香典袋はお札の入れ方に地域差がある

目次

  1. 1 そもそも香典とは何?
  2. 2 中袋なしの香典袋のマナーや基本情報を紹介
  3. 3 中袋なしの香典袋の書き方やマナーを解説
  4. 4 香典袋の中袋がないときのお札の入れ方を解説
  5. 5 香典袋の封の仕方とは?
  6. 6 香典の渡し方を4つの手順で解説
  7. 7 香典の書き方でよくある質問
  8. 8 中袋なしの香典のマナーを把握して失礼のないようにしておく

1 そもそも香典とは何?

香典とは、故人に対する供養や感謝を伝えるために、ご家族にお渡しする金銭や品物を指します。現代では現金を持参するのがマナーとして広まっていますが、香典の文化が始まった頃は違いました。

 

もとは線香やろうそく、野菜や米などをお供えの品として持参していました。それが時代の変化とともに、葬儀にかかる出費の負担を助け合うという相互扶助の考えで、現金を持参するようになっています。

※地域によっては現金ではなく、お線香や花をお供え物として持参するケースもあります。

 

香典を送る際に知っておきたい包み方や表書きの書き方は、こちらのページでご確認ください。

 

香典の贈り方>

2 中袋なしの香典袋のマナーや基本情報を紹介

一部の香典袋に中袋が付いていないのは、外袋、中袋と袋が二重になっている状態が一部の地域においては「不幸が重なる」というイメージを持たれているからです。自分の住んでいる地域、もしくは葬儀が執り行われる地域がどのようなしきたりなのかを確認しておきましょう。

3 中袋なしの香典袋の書き方やマナーを解説

住む地域によっては、中袋なしの香典袋を使ったことがない人もいるかもしれません。自分が使用する際に備えて、マナーを把握しておきましょう。

3-1 表面の書き方・マナー

中袋の有無に関わらず、表面の書き方やマナーは共通です。水引を境にして、表書きは上段中央に、香典を出す人の名前を下段中央に記載します。なお、同姓の人も参列している可能性があるため、名前はフルネームで記載するのが一般的です。

 

表面上段中央に記載する表書きは次のとおり宗教や宗派によって異なります。

宗教
表書き
仏教
御霊前/御香典/御香料/御仏前※浄土真宗の場合
神道
御神前/御榊料/御玉串料
キリスト教
御花料・忌慰料 ※プロテスタントの場合/ 御霊前・御ミサ料 ※カトリックの場合

どのような宗教、宗派に基づいた葬儀なのかが分からないのであれば、「御霊前」と表書きに記しておきましょう。

 

なお仏教の場合、浄土真宗以外は四十九日の法要までは「御霊前」と記載しますが、法要以降は「御仏前」と記載するのがしきたりです。

3-2 裏面の書き方・マナー

中袋なしの香典袋は、裏面に包んだ金額と住所を記載します。

 

故人のご家族は香典に基づいてお返しを用意するため、どこに香典返しを送ればよいのかが分かるように書きましょう。住所・氏名は、正確に記載することが大切です。

3-3 住所の書き方・マナー

住所は縦書きが一般的です。金額と並べて記載しますが、文字は金額よりも小さく書きましょう。住所を縦書きで記載する際、番地や部屋番号などの数字は漢数字を使用します。

 

一部の香典袋には住所欄が横書き用でプリントされているケースがあります。横書きで欄が用意されているのであれば、縦書きではなく横書きで住所を記載しても構いません。横書きで住所を記載する際は、番地、部屋番号といった数字は算用数字を使用しても構いません。

3-4 各金額の書き方

金額は旧字体を用いて裏面に記載します。旧字体を使用する理由は、金額が書き変えられるのを防ぐためです。例えば、「一」は1画足すだけで「二」になります。

 

香典額に応じた旧字体の記載例は次のとおりです。

香典額
旧字体
3,000円
金参仟圓
5,000円
金伍仟圓
1万円
金壱萬圓
5万円
金伍萬圓
5万円
金壱什萬圓

表のとおり、金額は「金〇〇圓」と記載します。10万円を包む場合は「金什萬圓」と記載するのではなく、「壱」を忘れずに足して「金壱什萬圓」と記載しましょう。

 

なお住所を記載する際と同じく、横書きで金額欄がプリント済みの香典袋もあります。金額欄が書きであれば、「3,000円」といったように算用数字で記載します。金額を一目で確認できるように、3桁ごとに「,(カンマ)」を忘れずに打ちましょう。

4 香典袋の中袋がないときのお札の入れ方を解説

中袋のない香典袋へのお札の入れ方

一般的な香典袋であれば、香典は中袋に包みます。香典袋に中袋がなければ、お金を包むのは外袋です。ここではお札を包む枚数や向きなどのマナーを解説します。

4-1 お札の枚数

お札は偶数を避けて奇数枚を包むのがしきたりです。割り切れる偶数は「別れ」や「縁の切れ」といったネガティブなイメージにつながってしまいます。また奇数にすべきなのは香典に包む金額だけではありません。入れるお札の枚数も奇数にしましょう。なお10は偶数ですが、マナー違反と捉えられることは一般的にありません。

 

偶数以外にも4、9の数字も避けるべきです。それぞれ「死」や「苦」といったイメージにつながるためです。

4-2 お札の向き

中袋があるなしに関わらず、香典袋を使用する場合、外袋の表に対してお札の向きは裏側(肖像が描かれていない面)、かつ肖像を下向きにします。肖像を下向きにするのは、悲しさ故に顔を伏せているというイメージに由来しています。

 

1万5,000円、5万円といったように何枚か包む場合であっても、お札の向きは全てそろえましょう。

4-3 お札の種類

お札の種類には千円札と二千円札、五千円札、一万円札がありますが、香典に包む際は同じ種類のお札を包みましょう。例えば5万円を包む場合、一万円札を4枚、五千円札を2枚といったように、お札の種類が混在してしまうのはマナー違反とされています。香典に包むお札は種類を統一しましょう。

 

お札の種類によっては、何枚も包むことになります。種類が統一されていればマナー違反には当たらないものの、受け取るご家族にとってはお札の枚数は少ない方が管理しやすいでしょう。

4-4 新札や古札に関するマナー

香典には、使用感やシワがあるお札を包みます。新札しかない、お札がきれいすぎて気になるという場合は、一度折り曲げて使用感を出すとよいでしょう。ただし、破れていたり、汚れがひどかったりする古札は失礼に当たります。

 

香典に新札を包むのがマナー違反とされているのは、新札は銀行で両替して入手するケースが多いことから、「葬儀を予期していた」と捉えられる恐れがあるためです。

4-5 その他のお札の入れ方に関する注意点

香典は地域によって風習が異なります。例えば、群馬県などの一部地域では「新生活」として香典を渡します。「新生活」とは香典の額を少なくして香典返しを辞退するという風習です。「新生活」は、冠婚葬祭にかかる費用負担の軽減を目的に戦後からスタートしたとされています。

 

このように香典や葬儀のしきたりには地域の特色が反映されます。そのため、不明な点があれば葬儀会社に確認してみましょう。

 

5 香典袋の封の仕方とは?

一般的に封筒は封で閉じますが、一般的に香典袋に封は不要です。香典は受付でご家族や受付の担当者が中身を確認します。のりで封をすると、ご家族が香典袋を開ける際に手間取ってしまうかもしれません。

 

なお、香典袋の中には、封をするためのシールが同封されているものも販売されています。「シールなら使用しても構わない」と考える方もいるようですが、結局は開封する際の手間につながります。ご家族の負担を考慮するのであれば、シールは使わない方がよいでしょう。

 

6 香典の渡し方を4つの手順で解説

香典は次のような流れで渡します。

  • 1 受付での記帳
  • 2 香典を取り出す
  • 3 お悔やみを伝える
  • 4 両手で香典を渡す

6-1 受付で記帳を行う

香典は通夜か葬儀で渡すのが一般的です。どちらの場合であっても、受付で芳名帳に記帳後に渡します。記帳で求められるのは参列者の氏名と住所です。氏名はフルネームで記載しましょう。

 

なお、一部の芳名帳では電話番号やメールアドレスの記入欄があります。電話番号、メールアドレスも求められた場合は、連絡がつく番号・アドレスを記載します。

6-2 袱紗(ふくさ)を右手で置き香典を左手で取り出す

芳名帳への記帳を終えたら袱紗(ふくさ)を右手に置き、香典を左手で取り出します。袱紗とは冠婚葬祭でお金を包む際に用いられる布です。葬儀では紫、紺、深緑色などの袱紗を使用するのがマナーです。葬儀のような弔事では蓮や菊の柄が描かれた袱紗を使用します。香典を袱紗から取り出す際は、左開きで取り出しましょう。

 

なお、弔事用の袱紗がなければハンカチやスカーフでも代用可能です。ハンカチやスカーフを袱紗代わりに使用する場合であっても、寒色を選ぶのがマナーです。

6-3 香典の向きを変えお悔やみを伝える

香典を取り出したら、表書きが相手に分かるように向きを変えます。向きは変え方に注意しましょう。結婚式のような慶事では時計回りに向きを変えます。一方、香典のように弔事では反時計回りに向きを変えるのがマナーです。

 

香典の向きを変えたら、受付の担当者に次のようにお悔やみを伝えましょう。

●     このたびはご愁傷様でございます

●     心よりお悔やみ申し上げます

お悔やみの言葉を伝える際は、死因を訪ねたり、縁起が悪いとされる忌み言葉を使ったりするのは失礼に当たります。忌み言葉として挙げられるのは、以下のような言葉です。

忌み言葉の種類
具体例
重ね言葉
重ね重ね、ますます、度々、いよいよ
繰り返しを連想させる言葉
引き続き、再び、次に、また
直接死を表現する言葉
死亡、死ぬ、逝去
縁起の悪い言葉
消える、浮かばれない

お悔やみの言葉は静かな声で伝えましょう。また、他の参列者の迷惑にもなるため、長い時間をかけないことがマナーです。

6-4 香典を両手で渡す

お悔やみの言葉を述べたら両手で香典を渡しましょう。片手で渡すのは相手に失礼に当たります。香典を渡している間、袱紗は受付台に置くか香典の下に重ねておきましょう。

7 香典の書き方でよくある質問

香典についてのしきたりには地域差があり、複雑な点もあります。ここでは書き方をはじめとして、香典についてよくある質問を解説します。

7-1 中袋なしの香典袋は住所をボールペンで書くのはよくない?

住所を書く際にボールペンを使用しても失礼には当たりません。

 

一般的に香典袋に記載する際は、薄墨や薄墨用の筆ペンを使用します。そのため、表面の表書きと氏名を記載する際はボールペンを使用しません。

 

しかし住所を薄墨で書いてしまうと、にじんで細かい文字が読みづらくなってしまいます。香典返しの送り先が分からなくなると、故人の家族に手間をかけてしまうかもしれません。

 

そのため、裏面に記載する住所であれば、ボールペンを使用することは問題ないとされています。

 

なお、地域によっては薄墨を使用しないというしきたりも存在しています。表書きを書く際も、地域独自の風習に注意しましょう。

7-2 中袋なしのお札の入れ方は地域によって異なる?

中袋の有無に関わらず香典にお札を包む際、入れ方は地域によって異なります。先述のとおり、一般的には肖像が裏になるように入れるのがマナーです。しかし、地域によって肖像を上にするのがマナーというケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

7-3 香典は葬儀後に渡してもよい?

通夜や葬儀に参列できなかった場合は、後日弔問した際に香典を渡します。葬儀後に弔問するのであれば、参列できなかったことへのお詫びを伝えて、事前に伺っても問題ない日程を確認してから伺いましょう。突然伺うのはマナー違反に当たるので、注意してください。

弔問の際は玄関先でお悔やみの言葉を伝えましょう。家に上げてもらったら、お焼香をして再びご家族にお悔やみを伝えます。ご家族は葬儀後で疲れているため、長居は控えることが大切です。

8 中袋なしの香典のマナーを把握して失礼のないようにしておく

香典袋には中袋がないものもあります。表書きや包む金額、お札の向きなどは中袋のある香典と基本的には変わりません。ただし住所と包んだ金額の記載方法には注意が必要です。中袋がある場合は中袋に記載しますが、ない場合は外袋の裏面に住所と金額を記載します。

 

なお中袋の有無に関わらず、香典や葬儀に関する決まり事は地域によって異なります。故人に対する供養と感謝の気持ちを伝えるためにも、一般的なマナーと併せて、地域のルールをしっかり押さえておきましょう。

 

くらしの友では、葬儀に関するさまざまなご相談を受け付けています。葬儀費用やプランなどで疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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