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初七日法要とは?意味・流れ・マナーを解説 準備や供養のポイントも紹介


/(株)くらしの友 商事本部
東京都23区エリアを中心に、法事や葬儀などの施行業務を担当。法事・法要・仏壇や位牌のほか、墓地や墓石など、先祖供養に関連するさまざまな知識をもつエキスパート。
大切な人が亡くなった際に、通夜や葬儀・告別式に次いで大切な儀式として、「初七日法要」を行います。初七日法要とは何で、どのような意味を持つ儀式なのかが分からない方もいるでしょう。
この記事では初七日法要の基礎知識や、法要の準備や供養のポイントも解説します。初七日までの期間中にしてはいけないことや、マナーも紹介するので参考にしてみてください。
この記事で分かること
- 初七日法要の意味や由来、現代での位置づけ
- 初七日法要の流れや準備、供養のポイント
- 初七日までの注意点や、避けた方が良い行動

目次
1 初七日法要について知っておきたい基礎知識

初七日(しょなのか/しょなぬか)は、故人が亡くなった日を起算日として7日目を指します。初七日は、故人にとって重要な節目となることから、法要を執り行うのが一般的です。
ここからは初七日の起源や意味などの基礎知識を解説します。四十九日との関係や、地域ごとの特徴も紹介します。
1-1 初七日の起源と仏教的な意味
仏教において初七日は、故人の魂が三途の川のほとりに到着する日です。三途の川を渡って極楽浄土へ向かうための、重要な節目として考えられています。
初七日の日に行う法要には、故人が緩流を無事に渡れるようにという願いが込められています。
初七日法要を含むすべての法要は、「追善供養(ついぜんくよう)」とも呼ばれます。これは、遺族が初七日法要などの供養を行うことで、故人が受けるとされる生前の罪の審判を少しでも軽くするためのものとされています。なお、仏教における「罪」には、嘘をつくことや人を傷つける言葉なども含まれます。
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1-2 初七日法要と四十九日法要の関係
初七日は四十九日までの弔いのプロセスにおける、最初の重要な節目です。
仏教においては、亡くなった日を含む49日目まで7日ごとに法要を行うしきたりがあります。亡くなってから49日目のことを「四十九日」と呼び、四十九日が過ぎた後は、忌明けとなります。
亡くなった日から、故人は7日ごとに閻魔大王(えんまだいおう)の裁きを受けるとされており、49日目に最後の審判を受けて極楽浄土へ行けるかどうかが決定します。
四十九日までの期間中、遺族は7日ごとに行われる裁きの日に合わせて法要を行い、故人の霊が無事に成仏できるように祈るのが昔ながらの習慣です。
しかし現代では7日ごとに法要を行うのが難しいという理由で、初七日と四十九日のみ法要を行うのが一般的です。
1-3 地域による初七日の違い
初七日の数え方や風習、儀式の内容は、地域や宗派によって異なる場合があります。
関西の一部地域では、命日から7日目を初七日として数えるのではなく、命日の前日を1日目としてカウントします。つまり、1月1日に亡くなった場合、12月31日を1日目とするため、1月6日が初七日となります。
また関東地方では葬儀当日に、初七日法要も併せて行うことが一般的ですが、関西地方の一部地域では別の日に改めて行うことも多くあります。
初七日法要を葬儀当日に行う理由として、参列者の負担の軽減が挙げられます。初七日法要を葬儀とは別の日にあらためて行うとなると、参列者は仕事を休んだり、遠方から足を運ばなければいけなかったりするためです。
また初七日法要における供物の内容や、参列の声掛けをする範囲は地域によって異なります。この記事では主に関東地方における風習や内容を中心に、解説します。
2 初七日法要は何をする?法要の流れと準備
初七日の法要には、故人の親族を呼ぶことが一般的ですが、中には友人や葬儀の時にお世話になった方々を招いて行うこともあります。通夜や葬儀よりも参列する機会が少ないため、どのようなことをするのかが分からない方も多いでしょう。
初七日の法要では何をするのか、具体的な流れや概要を解説します。
2-1 初七日法要当日のスケジュール

正式な初七日法要は、自宅に僧侶を呼び、参列者を招いて執り行います。
一般的な初七日法要の流れは以下の通りです。
- 1.参列者の着席・僧侶入場
- 2.挨拶:参加者が揃ったら、喪主が挨拶を行う
- 3.読経:僧侶が経文を唱え、故人の冥福を祈る
- 4.焼香:喪主から順番に参列者が焼香を行い、故人への哀悼の意を示す
- 5.法話:僧侶から故人の生前の功績や、仏教の教えを聞く
- 6.挨拶:初七日法要が滞りなく行われたことに感謝し、会食の案内を行って喪主が挨拶を行う
- 7.精進落とし:参列者をもてなす。昼食と兼ねて行われることが多い
葬儀当日に行う場合と初七日当日に行う場合、いずれも初七日法要では儀式を通じて、故人の魂が安らかに旅立てるように祈ります。
また精進落としは、昼食を兼ねて行われることがほとんどです。
2-2 初七日法要に必要な物と準備のポイント
初七日法要を執り行う上で、必要な物や準備のポイントを押さえておくことで、落ち着いて初七日を迎えられます。滞りなく進行するためにも、必要な物を抑えておきましょう。
一般的に準備しておくべきことと、準備のポイントは以下の通りです。
・葬式時に菩提寺へ、初七日法要の日程や場所を相談するとスムーズ
・僧侶と相談し、日程を調整
・昼食と兼ねることが多い
・果物、個別包装のお菓子などの供物
・位牌
・遺骨
・遺影 など
2-3 精進落としの意味と役割
初七日法要の後に行う精進(しょうじん)落としは、もともと、忌明けまで遺族は肉や魚を絶つのが習わしで、忌中が終わり、通常の食事に戻ることを「精進落とし」と呼んでいました。
現在の精進落としは、遺族や参列者が集まり、故人を偲びながら食事を共にする場として浸透しています。葬儀においてお世話になった人々に対して、感謝の気持ちを表すために、もてなすことが目的です。
時間がなかったり、何らかの理由で会食が開けなかったりする場合は、参列者に向けてお弁当の用意を行いましょう。
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2-4 初七日法要のお布施のマナー
初七日法要は、葬儀当日に行う場合でも、葬儀の分と同様にお布施を別途用意しておきましょう。
初七日におけるお布施の金額は厳密に定められているわけではありませんが、一般的には3万~5万円が目安となっています。金額の相場が不安な場合は、葬儀社に相談してみるのがおすすめです。
またお布施を入れる封筒には、水引が付いていない白無地の物を使用しましょう。表書きには「お布施」「御布施」と黒墨で記載します。香典とは異なり、薄墨ではない点に注意しましょう。
初七日法要を葬儀の後日、自宅で行う場合は、僧侶への交通費として「お車代」の準備も欠かせません。
また、僧侶が精進落としに参加しない場合は、食事代として御膳料も渡します。当日慌てないためにも、事前に僧侶が参加するかどうかを確認しておくか、食事代を現金で用意しておくと安心です。
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3 初七日法要に参列する場合のマナーと注意点
初七日法要に参列する側が知っておきたいマナーや、注意点を解説します。遺族に対して失礼にならないように、マナーや注意点を理解した上で参列すると良いでしょう。
3-1 初七日の服装とマナー
服装は、葬儀と同じタイミングで初七日法要が行われる場合は、葬儀の際に身に付けていた喪服をそのまま着用します。
また別の日に改めて初七日法要が行われる場合、施主や遺族は正喪服か準喪服を身に付けます。参列者も準喪服を着用しましょう。準喪服は以下のような服装が挙げられます。
- ・男性:黒のスーツ、白のワイシャツ、黒のネクタイ、黒無地の靴下、黒の革靴
- ・女性:黒のワンピース・セットアップ・スーツ、黒で薄手のストッキング、黒のローヒールパンプス
装飾品については、結婚指輪以外は原則として身に付けません。日常的に身に付けている物がある場合は、外し忘れないように気を付けましょう。
就学児は学校の制服を着用すれば問題ありません。
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3-2 親族・参列者が気を付けるべきマナー
親族や参列者は、香典を持参して遺族に渡せば、他の物は特に用意する必要はありません。
香典以外にお供え物を持参する場合には、2,000~5,000円程度の高価過ぎない物を用意するのがおすすめです。菓子やフルーツなどの消え物であれば、遺族も受け取りやすいでしょう。
個包装の物を選ぶと、仏前に捧げた後で小分けにして分けて持ち帰ることもできます。
3-3 香典の費用に関する疑問を解決
初七日法要における香典の費用相場は、葬儀で包んだ香典の半額程度が目安になります。ただし、割り切れる数字は「縁を切る」という意味になることから、割り切れない奇数の金額にして包むことが大切です。
葬儀の香典で1万円を包んだ場合、初七日法要では5,000円を包むと良いでしょう。
なお葬儀と同日に初七日法要を行う場合、香典返しは式終了後に遺族から渡されることが多いですが、地域によっては香典返しがないこともあります。
4 繰り上げ初七日・繰り込み初七日の注意点
「繰り上げ初七日」と「繰り込み初七日」は、どちらも葬儀の当日に初七日法要を行う方法で、火葬前か火葬後かという違いで使い分けています。
●繰り込み初七日…式中初七日とも呼ばれ、葬儀に続けて行う
●繰り上げ初七日…葬儀や火葬の後に行う初七日
本来の初七日法要は、亡くなった日から7日後に行いますが、繰り上げ初七日や繰り込み初七日が主流になりつつあります。※地域により異なります。
繰り上げ初七日の法要時間は、お寺によって異なりますが、一般的には30分程度です。
繰り込み初七日法要は、火葬の前に行われるため、寺院によっては断られることもあります。初七日法要を火葬後に行うのか、火葬前に行うのかは、菩提寺に確認しておく必要があります。
5 初七日まで避けること

初七日や忌中までの期間にしてはいけないタブーなどを詳しく解説します。
5-1 神社への参拝やお祝い
神道において「服忌(ぶっき)」の期間中は、神社へのお参りは避けた方が良いと考えられています。五十日祭までが「忌」の期間、一年祭(1周忌)までを「服」の期間とするのが一般的です。
またお正月を祝うために飾り付けを行うのも避けましょう。お正月の飾り付けは、神道の文化であり、故人が亡くなってすぐは控えるのがおすすめです。
年賀状での挨拶も、控えて送らないように配慮しましょう。
お歳暮・お中元は、初七日の期間中に贈っても問題はありません。お歳暮やお中元は日頃の感謝の気持ちを伝える方法の一つであるためです。
5-2 結婚式、旅行や出張
初七日の期間中は、知り合いの結婚式やお祭りへの出席は避けるようにしましょう。
ただし自分自身の結婚式の主催に関しては、柔軟な対応が求められます。日程が決まっている場合でも、変更ができる場合は変更する方が良いとされていますが、無理に中止する必要はないため、状況に応じて判断してください。
旅行に加えて、留学や出張など、勉強や仕事が理由の遠出も極力避ける必要があるとされています。どうしても変更できない場合を除き、できれば避ける方が良いでしょう。ただし、個々の事情に応じて柔軟に判断や対応することが大切です。
5-3 四十九日まで避けた方が良いこと
四十九日を過ぎるまで、遺族は忌中(きちゅう)であり、仏教においては故人が閻魔様からの最後の審判を受けるまで見守らなければいけない期間です。そのため、忌中もできるだけ、初七日までの期間と同じように生活することが推奨されています。
また故人は四十九日が過ぎる忌中の間は、自宅にいると考えられているので、家の改築や大掃除、引越しは避けるようにしましょう。
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5-3-1 忌中と喪中
忌中(きちゅう)は、外部との接触を避けて喪に服し、故人のために祈りを捧げる期間です。仏教においては四十九日法要を行うこと、神道においても五十日祭を行うことで忌明けとなります。
また喪中(もちゅう)は、近親者が亡くなった遺族が、故人を偲び、亡くなったことへの悲しみを乗り越えて普段の生活に戻るための期間です。
喪中には、忌中の期間を含んでおり、故人が配偶者や1親等の場合は、12~13カ月程度が喪中とされます。故人が2親等にあたる場合は、3~6カ月ほどを喪中期間とすることが一般的です。
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6 まとめ:初七日法要で迷ったら葬儀社へ相談を
初七日法要は、故人の魂が三途の川のほとりに到着してから、無事に川を渡り切ってもらうことを願う儀式です。故人を偲ぶとともに冥福を祈りましょう。
初七日法要に参加する機会の少ない場合は、不安に思う方もいるかもしれません。本記事の内容を参考に、流れやマナーを覚えておきましょう。株式会社くらしの友では、初七日法要の準備もサポートをしています。24時間365日対応のコールセンターも設けていますので、気になったらすぐにお問い合わせいただけます。事前相談も行っているので、初七日法要の内容や費用など、分からないことがある方はお気軽にお問い合わせください。

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