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訃報（ふほう）とは？誰にいつ知らせれば良い？マナーと文例も紹介
／(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
「訃報（ふほう）」は、家族以外の方に亡くなったことを知らせる唯一の手段です。しかし近しい方が突然亡くなった場合、悲しみや動揺のため、情報が錯そうしたり、誤った情報を伝えてしまったりすることがあります。また、誰にいつ訃報を知らせたらよいか分からない方もいるでしょう。あらかじめ、マナーを守った訃報の伝え方を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、訃報について基礎から解説します。訃報連絡の例文も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 訃報（ふほう）の意味・悲報との違いなど、訃報に関する基本的な知識
- 訃報を誰に、いつ、どのような順番で伝えるべきか
- 訃報連絡に必要な内容や、電話・メールなど連絡手段別の例文
目次
1 訃報に関する基礎知識
まずは、訃報の意味や悲報との違い、訃報の対義語など、訃報に関しての基礎知識を解説します。
1-1 訃報の読み方や意味
訃報は「とほう」や「けいほう」と間違えて読まれることもありますが、正しくは「ふほう」と読みます。訃報とは、親戚や親しい友人、知人に本人が亡くなったことを知らせる連絡のことです。一般的には、故人の家族が行うのが基本です。
「訃（ふ）」は人の死に関する知らせ、「報（ほう）」は事実を伝えることを指します。2つの漢字が合わさることで、亡くなったことを知らせるという意味になります。
訃報を受けた際は、特別な事情がない限り、葬儀に参列し、故人のご冥福をお祈りすることが望ましいとされています。葬儀の場は、故人への追悼の意を表す大切な機会です。
1-2 訃報と悲報の違い
訃報とよく似た言葉で「悲報（ひほう）」がありますが、明確に異なる点は死を表しているかどうかです。訃報は亡くなったことを知らせるという意味があり、はっきりと死を意味する言葉ですが、悲報は悲しい出来事があったことを知らせるという意味になります。
そのため悲報は人が亡くなった場面で使われることはあまりなく、事故やけが、試合に負けたときなど、幅広い使い方をすることがほとんどです。
またニュースや新聞など不特定多数の方に向けて使われる言葉でもあり、主に親戚や親しい友人、知人に向けて使われる訃報とは受け手の点でも異なります。
1-3 訃報の対義語
訃報の対義語として、明確に定義されたものはありません。ただし意味合いとしては「朗報」や「吉報」などは対義語となり得るでしょう。
なお朗報は嬉しい出来事の知らせ、吉報は喜ばしくめでたいニュースを意味しており、朗報の対義語は悲報、吉報の対義語は「凶報」です。
訃報の対義語がない理由は、人の誕生を知らせるという意味を明確に表す言葉が存在しないからとされています。
2 訃報を知らせる相手とタイミング
次に、訃報を知らせる相手とタイミングを解説します。伝える順番は以下の通りです。迷ったときは参考にしてください。
- 1.家族や親族
- 2.故人の知人や友人
- 3.故人の勤務先や関係者
ただし訃報を知らせる順番に決まりはないため、紹介した順番に違和感があるときは、家族で相談して決めていきましょう。
2-1 家族・親族
訃報とよく似た言葉で「悲報（ひほう）」がありますが、明確に異なる点は死を表しているかどうかです。訃報は亡くなったことを知らせるという意味があり、はっきりと死を意味する言葉ですが、悲報は悲しい出来事があったことを知らせるという意味になります。
そのため悲報は人が亡くなった場面で使われることはあまりなく、事故やけが、試合に負けたときなど、幅広い使い方をすることがほとんどです。
またニュースや新聞など不特定多数の方に向けて使われる言葉でもあり、主に親戚や親しい友人、知人に向けて使われる訃報とは受け手の点でも異なります。
＞＞家族葬に呼ばない親戚がいる場合はどうしたらよい？対応法から注意点まで解説
※参照：厚生労働省.「6等親内の血族」.
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1130-14k_1.pdf
（参照2025-04-01）.
2-2 故人の知人・友人
葬儀に参列してほしい友人や知人には、訃報を知らせる際に葬儀の日取りも伝えましょう。
家族葬を予定していて、葬儀への参列を辞退したい場合は、葬儀の事後に連絡しても問題ありません。葬儀後に訃報を知らせる際には、以下の内容を伝えます。
- ●すでに葬儀を執り行ったこと
- ●事後報告になった理由とお詫びの言葉
- ●故人が生前にお世話になったことへの感謝の言葉
2-3 故人の勤務先・関係者
故人の勤務先や関係者の方へ訃報を伝える際は、人事部や故人の直属の上司などに連絡を入れます。
事務的な手続きなどで、訃報連絡以降にもやり取りが必要になることがあるので、常に連絡が取れる連絡先を伝えておきます。
家族葬として執り行うなど、会社関係からの参列や香典を辞退したい場合などは、その旨を知らせて参列を事前に丁寧にお断りしておきましょう。
会社に伝える内容や例文などをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
3 【例文あり】訃報の知らせ方
最後に、訃報連絡を伝える内容を例文としてご紹介します。訃報連絡に書いておきたい内容以外にも、電話やメールなど連絡手段別に解説しているので、状況に合わせて参考にしてください。
3-1 訃報連絡の内容
最後に、訃報連絡を伝える内容を例文としてご紹介します。訃報連絡に書いておきたい内容以外にも、電話やメールなど連絡手段別に解説しているので、状況に合わせて参考にしてください。
3-2 訃報連絡の内容
訃報連絡で必ず伝えたい内容は、通夜や葬儀の日程・喪主の名前と連絡先です。
執り行う葬儀の宗教や宗派に関しては、形式が一般的な方法と大きく異なる場合のみ記載しておけば、参列者が戸惑わずに済みます。注意点などがあれば併せて知らせるとよいでしょう。
また死因の詳細は、無理に伝える必要はありません。もし記載するとなった場合でも、デリケートなことなので家族でよく話し合って決めましょう。
3-3 電話で訃報を伝える場合
電話はすぐに連絡ができるため、訃報連絡の手段として最も有効です。
電話での訃報の伝え方の例文をまとめました。必ずしもこの通りに伝える必要はありませんので、例文を参考にしながらご自身の言葉で調整して使用してください。
電話で訃報を知らせる際の例文
突然のお電話で失礼いたします。○○（ご自身の名前）と申します。
○月○日に、父（母／○○）の○○（故人の名前）が亡くなりました。
生前は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
葬儀は、○月○日（○曜日）○時より、○○（会場名）にて執り行います。
ご多用とは存じますが、もしご都合がつきましたらご参列いただけますと幸いです。
3-4 メールで訃報を伝える場合
電話がなかなかつながらない、相手がとても忙しいなど、電話で訃報を伝えるのが難しい場合はメールを使うのも一つの手段です。
普段からメールやSNSでやり取りをしている相手であれば、違和感なく受け取ってもらえるかもしれませんが、年配の方や目上の方であれば、失礼だと捉えられるかもしれません。
あくまでやむを得ない状況での手段なので、改めて電話や対面で伝えられれば、丁寧な印象になるでしょう。
件名には「訃報」と明記した上で、文章を書いていきます。例文は以下の通りです。
メールの訃報通知 例文
件名： 訃報のご連絡
突然のお知らせとなりますが、◯◯（故人の名前）が◯月◯日（曜日）に永眠いたしました。ここに謹んでご通知申し上げます。
なお、葬儀につきましては下記の通り執り行う予定です。
通夜：◯月◯日（曜日） ◯時より
葬儀・告別式：◯月◯日（曜日） ◯時より
会場：◯◯葬儀場（住所、詳細）
故人が生前大変お世話になりましたことを心より感謝申し上げます。
（送信者名）
（連絡先電話番号）
なお、香典を辞退する場合には、以下のような一文を添えると良いでしょう。
誠に恐縮ですが、故人の意向により、香典はご辞退申し上げますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
3-5 FAXで伝える場合
高齢の方や耳の不自由な方、取引先に対しては、訃報連絡をFAXで行う場合もあります。以下を参考にしてください。
FAXの訃報通知 例文
○○（故人の名前）が○月○日（曜日）に永眠いたしました
ここに謹んでご通知申し上げます
葬儀については下記の通り執り行う予定です
記
通夜：○月○日（○曜日） ○時より
葬儀・告別式：○月○日（○曜日） ○時より
場所：○○（会場名・住所）
故人に対する温かいご支援に深く感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
送信者名
送信者の連絡先
3-6 手紙やハガキで伝える場合
家族葬を執り行った場合は、事後報告の手段として手紙やハガキで訃報を伝えます
参考となる例文を以下に記載しましたので、参考にしてください。縦書きで記載し、薄墨で印刷します。
葬儀の事後報告 例文
拝啓
○○の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
突然のお知らせとなりますが、○月○日（○曜日）、○○（故人の名前）が永眠いたしました
葬儀は○月○日（○曜日）に近親者のみで執り行いましたことをご報告申し上げます
生前は故人に多大なるご厚情を賜り 深く感謝申し上げます
これからも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
敬具
送信者名（家族名）
4 まとめ：訃報は大切な伝達手段：マナーを守った適切な伝え方
訃報の連絡は、故人を悼み、遺族の思いを伝える大切な手段です。適切なタイミングと方法で通知を行うことで、相手に配慮し、悲しみの中でも確実に伝えることができます。
訃報を伝える際は、悲しみや混乱の中でも冷静に、マナーを守りながら行うことが重要です。
「くらしの友」では、家族葬・一般葬・一日葬などさまざまな葬儀プランをご用意しております。厚生労働省が認定する葬祭ディレクターが多数在籍しており、ご家族や故人の意向に添って葬儀をお手伝いいたします。
