遺言書を作ろうと思います。どんな点に気をつけたらよいでしょうか?
遺言は、自分の意思どおり円滑に遺産の承継を実現させるためのものです。 したがって、遺言書作成で留意すべきは、遺産の分割手続きを行う際に問題の生じない内容とすることです。要は、相続人に無用の負担をかけたり、悩ませたり、争う気持ちを起こさせたりしない内容の遺言とすることが肝要です。
具体的な留意点を挙げれば、
【1】改めて遺産分割協議をしなくてすむよう、全財産を遺言の対象として個々の財産の具体的割付を明示する。
【2】将来の財産変動も考慮して、金融資産の配分は、金額で指示するのではなく、換価代金の割合で指示する。
【3】可能なかぎり遺留分(※)を侵害しない分配内容とする。
【4】相続税の納税財源も考慮に入れた配分とする。
【5】考えが固まっていれば、補充遺言(財産を与えたい者が先に亡くなったり、遺贈を断った場合のその財産の処分方法)も忘れないようにする。
【6】遺言執行者を指定する。
【7】遺言書を作成する前に専門家に十分相談する。 以上の点は、是非心がけたいものです。 (※)遺留分は、兄弟姉妹を除く相続人に法律が保証している最低限の相続割合です。