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遺影とは?写真を選ぶ際の注意点や、飾り方を解説

作成日:2024.02.27
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

遺影とは、お通夜や葬儀の祭壇に飾る故人の写真を指します。遺影の写真を選ぶときは、故人の人柄が伝わる写真を選ぶのがよいでしょう。しかし「どの写真を選べば良いのか分からない」「遺影写真の決め手が分からない」などのお悩みを抱えている方もいるでしょう。

 

そこで本記事では、遺影の選び方や注意点、写真を加工する方法などを徹底解説します。遺影用の写真選びに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かること

  • 遺影とは葬儀の際に祭壇に飾る故人の写真のこと
  • 遺影は晩年の写真を選ぶのが一般的
  • 遺影は四十九日までは後飾り祭壇に遺骨と一緒に飾る

目次

  1. 1 遺影とは?
  2. 2 遺影の選び方
  3. 3 家族や本人が納得のいく遺影を作るには?
  4. 4 遺影の写真を加工する方法
  5. 5 遺影の飾り方
  6. 6 遺影の処分方法
  7. 7 遺影用の写真は故人らしさが伝わるものを選ぼう

1 遺影とは?

遺影とは、お通夜や葬儀の祭壇に飾る故人の写真のことで、大きさは四つ切サイズが一般的です。遺影の写真に使う写真に、厳密な決まりはありません。

 

遺影と聞くと、正面を向いてかしこまった写真を想像する方もいるかと思いますが、近年では自然体な姿を撮影した写真を選ぶケースも多くあります。遺影用の写真は、遺族が故人らしいと考える写真を選ぶと良い、と考えましょう。

なお、写真のほかに肖像画や似顔絵などを遺影として祭壇に飾ることもできます。どうしても遺影を用意できない場合は、遺影はなしで葬儀を執り行うことも可能です。

2 遺影の選び方

遺影の選び方

遺影には、決まった選び方やマナーがあるわけではありません。ただし、一般的に押さえておいた方が良いとされることはいくつかあります。ここでは、以下6つの観点から、遺影の選び方を紹介します。

遺影の選び方

  • ・遺影を選ぶ際のポイントや注意点
  • ・サイズ
  • ・亡くなる10年以内の写真が一般的
  • ・遺影として本人だけが利用できる写真
  • ・カメラ目線のものが主流
  • ・最終的に遺族が良いと思う写真を選ぶ

 

故人らしい遺影を選ぶためにも、詳しく確認していきましょう。

2-1 遺影を選ぶ際のポイントや注意点

まず遺影は、基本的に祭壇用と焼香台用を準備します。どちらも同じ写真を使うことが一般的です。

 

次の項目で詳しく紹介しますが、祭壇用と焼香台用で遺影のサイズは異なります。焼香台用の写真は小さめのサイズ(L判など)ですが、祭壇用の遺影写真は大きめのサイズ(四つ切り)です。祭壇用に引き伸ばしてもピンボケしないよう、故人の顔がくっきりと写った写真を選びましょう。

2-2 サイズ

先述したとおり、遺影には祭壇用と焼香台用の2つがあります。以下の表のサイズでプリントしても、故人の顔がきれいに写るものを選びましょう。

祭壇用
四つ切りサイズ
縦305mm×横254mm
A4サイズ
縦297mm×横210mm
焼香台用
L判サイズ
縦127mm×横89mm
小キャビネサイズ
縦165mm×横120mm
2Lサイズ
縦178mm×横127mm

2-3 亡くなる10年以内の写真が一般的

遺影には晩年を使うのが一般的です。亡くなった年齢と比べてあまりにも若すぎる頃の写真にすると、違和感が生じる可能性があります。

 

 

とはいえ、直近の写真が無い場合や、闘病生活が長く病気やけがをする前の元気だった頃の写真を選びたい場合もあるでしょう。遺影に使う写真に決まりはないため、家族が納得できる写真を選ぶことが大切です。遺影は葬儀後も自宅で飾るものなので、本人らしいと思える写真を選びましょう。故人が若い頃の写真を使用したいのであれば、遺影写真とは別にメモリアルコーナーとして葬儀場内へ飾ることもおすすめです。

2-4 遺影として本人だけが利用できる写真

日常で撮ったスナップ写真や、スマートフォンで撮影した画像でも、遺影用の写真として問題なく使うことができます。

背景に故人と無関係のものが写り込んでいる場合は、背景を合成して本人のみの遺影写真に加工することが可能です。背景に何かしらが写っていても、あまり気にしなくても良いでしょう。もし旅行先やお気に入りの場所などの場合は、背景の合成はせずにそのまま利用しても、故人らしい遺影写真となるでしょう。

 

また、隣りに本人以外の人が写っている写真も、本人のみをトリミングして遺影として利用できます。ただし、本人の顔や体に他の人が重なって写ってしまっている場合は、加工で消すことは困難なケースもあります。

選んだ写真が遺影として使えるか、葬儀社や写真館に実際の写真を見せて相談するのがよいでしょう。

 

写真の加工について付け加えると、「写真の表情は気に入っているのだけれど服装がちょっと…」という場合は、服装を着替えさせる加工も可能です。

 

なお葬儀社や写真館によっては、写真の加工費として別途料金が発生する可能性があります。加工を希望するのであれば、事前に料金を確認しておくことをおすすめします。

2-5 カメラ目線のものが主流

遺影に使う写真は、カメラ目線になっている写真を選ぶのがおすすめです。カメラ目線の遺影を飾れば、遺族や参列者が故人と目を合わせてお別れすることができます。

 

ただし遺族が納得した写真であれば、カメラ目線の写真ではなくても問題ありません。以前は正面を向いた写真が一般的でしたが、現在は生前の故人らしさが伝わる、自然な表情の写真を遺影に選ぶケースもあります。

2-6 最終的に遺族が良いと思う写真を選ぶ

遺影はあくまでも、遺族が良いと思う写真を選ぶことが大切です。先述のとおり、遺影の選び方に厳密な決まりはありません。

 

遺影選びのときは、遺族から見て「故人らしい」と感じるかどうかで判断することをおすすめします。生前の故人が指定した写真があれば、そちらを使うのも良いでしょう。ただし、遺影には画質の良い写真を使用するのがおすすめです。画質の悪い写真だと、引き伸ばした際に画質が荒くなってしまうので、注意しましょう。

3 家族や本人が納得のいく遺影を作るには?

ここでは、家族はもちろん、本人も納得のいく遺影を作るためのポイントを解説します。具体的なポイントは以下の4つです。

3-1 イベントのときに写真撮影をする習慣をつける

イベントのときに写真撮影をする習慣をつければ、遺影に使う写真の選択肢が広くなります。近年発売されているスマートフォンのカメラや、デジタルカメラであれば、十分きれいな写真が撮影できます。目安として、200万画素以上、1メガバイトの写真を選ぶのがおすすめです。家族との旅行や誕生日会などには、一人ひとりの表情が分かる写真を撮っていきましょう。服装や背景に写り込んだ人物などは、加工で消すことができます。

 

ただし、顔が分かりにくい暗い場所での撮影や、ピンボケした写真、遠くから撮った写真などは遺影に使いにくいため注意しましょう。顔に焦点を当てて、はっきりと表情の分かる写真を撮ることが大切です。

3-2 撮影した写真を家族と共有する

イベントのときに撮影した写真は、家族内で随時共有すると良いでしょう。

 

故人のスマートフォンにパスワードがかかっていて写真を探せない、といった事態も起こり得ます。遺影の選択肢を広げるためにも、撮影した写真はなるべく家族と共有しておくことを心掛けましょう。写真のバリエーションが多ければ多いほど、家族の間でも会話が広がりやすくなります。

3-3 自分で写真を選んでおく

残された家族の負担を軽くしたい、自分のお気に入りの写真を遺影にしたい、とお考えの方は遺影用に自分で既存の写真を選んでおくのがおすすめです。

自分で加工する場合は、顔の表情がはっきりと分かるものが望ましいです。自分の遺影に使う写真を選んでおくことで、いざという時に家族が急いで写真を探さなくてはいけなくなる事態を避けられます。

選んだ写真は、家族に自身の希望を伝えて写真を共有するか、自分が亡くなった直後に確実に見つけてもらえる場所に保管しておきます。

3-4 事前にスタジオで遺影を撮影する

自分で遺影を準備したい方は、事前に写真スタジオで遺影を撮影しておくのも、おすすめの方法です。

 

スタジオでの撮影は、ヘアメイクや写真加工がセットになっているプランが多くあります。プロのフォトグラファーによる撮影で、きれいな写真に仕上がるでしょう。

 

なお、くらしの友の直営斎場のイベントでは無料遺影撮影会を実施しています。お申し込みが多い場合は先着順となりますので、詳細についてはお問い合わせください。

3-4-1 便利な遺影用写真データのお預かりサービス

葬儀社によっては、遺影用の写真(または画像データ)を葬儀のその時まで預かってくれるところもあります。お預かりサービスを利用すれば、いざというときに写真を探す手間を省けるため便利です。

 

くらしの友では会員さま限定で遺影に使用したい写真データを葬儀までお預かりする「セレモニーフォトサービス」をご提供しています。

 

くらしの友の互助会についてはこちら>

4 遺影の写真を加工する方法

ここでは、遺影の写真を加工する方法として以下の4つを紹介します。

 

  • ●     葬儀社に依頼する
  • ●     インターネットで依頼する
  • ●     プリントサービスを行っているお店に依頼する
  • ●     編集アプリを使って自分で加工する

 

4-1 葬儀社に依頼する

まずは、葬儀社に依頼する方法です。葬儀社の葬儀プランによっては、遺影写真の作成がセットになっているものもあります。基本的には葬儀の依頼時に、遺影の作成も依頼することになります。事前に写真の加工だけを依頼することは難しい場合が多いです。葬儀をお願いする葬儀社が決まっている場合は、確認をしてみるとよいでしょう。

4-2 インターネットで依頼する

インターネットで専門業者に加工を依頼する方法もあります。自宅にいながらやり取りができ、見積もりなども取れるため便利です。

 

業者によっては、郵送で遺影を受け取ることも可能です。即日納品に対応している業者や、格安で受け付けている業者などさまざまあるため、事前に複数の業者のサービス内容や実績を確認し、比較しておくと良いでしょう。

4-3 プリントサービスを行っているお店に依頼する

プリントサービスを行っているお店でも、加工は可能です。プリントサービスのあるお店では、写真の加工や合成について直接スタッフへ相談できます。

 

なお撮影もプロに任せたい場合は、フォトスタジオのある店舗がおすすめです。撮影と加工を全て依頼できるため、遺影の作成にかかる手間をかなり省けます。

4-4 編集アプリを使って自分で加工する

編集アプリを使って、自分で遺影用に写真を加工する方法もあります。切り抜きやサイズの変更、色の調整程度であれば、スマートフォンのアプリからでも加工できます。プロと同じような加工をしたい方はPhotoshop、簡単な加工で良い場合はPhotoscapeなどのツールを使用するのがおすすめです。ツールによって特徴が異なりますので、ご自身に合ったツールを利用しましょう。遺影にこだわりたい方は、自分で加工してみてはいかがでしょうか。

ただし、加工アプリによっては、保存時に解像度が大きく下がってしまうものもあります。

綺麗な写真を残せるよう、データのサイズにも注意しましょう。

5 遺影の飾り方

遺影で使う写真には特に決まりがないものの、飾り方には一定のルールがあります。ここでは、遺影の飾り方として以下の2つを紹介します。

5-1 額縁に入れる

遺影の額縁は黒の漆塗りが定番ですが、現在ではカラフルな額縁やナチュラルな木製の額縁など、豊富な種類から選べるようになりました。故人の人柄や雰囲気、好みで額縁を選ぶと良いでしょう。

5-2 いつまで遺影を飾るのが良い?

葬儀の後は、遺影は遺骨と共に後飾り祭壇に飾るのが一般的です。後飾り祭壇とは、火葬後に自宅へ帰ってきてから四十九日法要(仏式の場合)までの間、遺骨や仮位牌を安置しておく祭壇を指します。葬儀に参列できなかった方が、弔問に訪れる場所でもあります。

 

なお、後飾り祭壇は四十九日法要が終わると片付けます。後飾り祭壇を片づけた後、遺影は仏間や床の間の長押などに壁掛けの形で代々飾るのが一般的です。仏間や床の間がない場合は、リビングなど家族の目に入りやすい場所に飾ると良いでしょう。

6 遺影の処分方法

遺影を処分する方法としては、以下の3つの方法があります。

 

  • ●     自治体で可燃ごみとして処分する
  • ●     神社やお寺でお焚き上げをする
  • ●     葬儀社に依頼する

 

ここでは、それぞれの処分方法を解説します。

6-1 自治体で可燃ごみとして処分する

遺影には宗教的な意味合いはありませんので、自身で可燃ごみとして処分して問題ありません。そのままごみとして処分するのに抵抗を感じる場合には、普段の他のごみとは別の袋に白い布などで包んで、塩を振って清めてから処分するとよいでしょう。

6-2 神社やお寺でお焚き上げをする

遺影を処分する方法として、神社やお寺でお焚き上げをする方法があります。費用はかかりますが、自分で処分するのに抵抗を感じる方におすすめです。

お焚き上げを依頼するのは菩提寺以外でも構いません。自宅の近くのお寺など、依頼しやすいお寺を探しましょう。

6-3 手元に保管しておく

遺影は、常に飾っておくのではなく、保管をしておいても構いません。例えば、故人が亡くなった月にだけ飾る方法もあります。

 

置き場所に困るほど遺影のサイズが大きい場合は、写真を小さく加工して飾るのもおすすめです。遺影を小さいサイズにすれば、壁掛けにしたり机などに置いたりして、飾りやすくなるでしょう。

6-4 葬儀社に依頼する

葬儀社によっては、葬儀後に遺影の引き取りを依頼できるケースもあります。四十九日法要後のタイミングなどに相談してみると良いでしょう。費用などの詳細は葬儀社によって異なるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

 

ただし、葬儀から一定期間以上経過すると、遺影の処分を受け付けてもらえないケースもあります。葬儀社に遺影の処分が可能かどうかを、事前に確認しておくと良いでしょう。

7 遺影用の写真は故人らしさが伝わるものを選ぼう

本記事では、遺影を選ぶときのポイントや注意点を解説しました。遺影用の写真に厳密なルールはないため、家族が納得できる形や、故人らしさが伝わる形を考慮して選びましょう。周囲に人が写り込んでいたり、服装に問題があったりしても、基本的に加工で修正できます。また、あらかじめ遺影に使用できる写真を選び、保管しておけば、いざというときの選択肢が広がるでしょう。

 

くらしの友では、葬儀の手配・準備に関するお問い合わせを受け付けています。無料遺影撮影会も実施していますので、遺影の準備や写真選びにお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

くらしの友の葬儀についてはこちら>

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