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葬儀費用がないときはどうすべき? 対処法や今後のための対策

作成日:2023.12.20
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

葬儀を執り行うための大きな心配ごとは費用です。故人のためにも立派な葬儀にしたい気持ちはあっても、現実問題として費用の工面が難しいという方も多いでしょう。

 

本記事では葬儀費用の相場や葬儀費用がないときの手段、葬儀に関連する給付金、生前に葬儀費用を工面するための対策について解説します。

この記事で分かること

  • 葬儀にかかる費用の平均総額は186.1万円
  • 葬儀費用がないときは、葬儀の簡略化、区民葬・市民葬で対処するか、保険組合や自治体からの給付金が受け取れるか確認する
  • 生前に葬儀費用を工面するためには生命保険や互助会に加入する

目次

  1. 1 葬儀費用の相場はどれくらい?
  2. 2 葬儀のお金がない場合は? 3つの手段
  3. 3 葬儀の費用を支給されるお金で支払う場合
  4. 4 「葬儀費用がない」と困る前に事前に対策できること
  5. 5 「葬儀費用がない」という時によくある質問
  6. 6 葬儀費用がないときは葬儀規模の縮小や給付金の活用を検討しよう

1 葬儀費用の相場はどれくらい?

くらしの友が実施した調査により、2020年度の葬儀費用の平均総額は186.1万円であることが分かりました。なお、同調査は関東の一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の喪主経験者400人を対象に実施されたものです。同調査によると葬儀費用の平均総額は1993年の405.0万円をピークに減少傾向が続いており、2020年に初めて200万円を下回りました。

 

また、葬儀を執り行う際にかかる費用は、大きく3つに分けられます。2020年の平均葬儀費用の内訳は以下です。(※)

  • ・儀式費用(平均112.5万円)
  • ・会葬者の接待費用(平均37.2万円)
  • ・宗教者への費用(平均36.4万円)

 

葬儀費用の半分以上を占めるのは葬儀社へ支払う儀式費用です。具体的には葬儀を行うために必要な、祭壇、寝棺、遺影などの葬儀用具や、霊柩車の費用、式場使用料、その他サービス費用などが含まれます。式の進行役や駐車場警備などを依頼する場合は、その人件費も支払わなければなりません。

 

会葬者への接待費とは、まず通夜振る舞いや精進落とし(葬儀後の会食)の料理代、飲み物代、配膳スタッフの人件費などです。その他、香典返し、遠方からの参列者の宿泊などの費用がかかります。接待費は地域ごとの特性で大きく費用が変わる項目であるため、お住まいの地域の慣習を確認しておくとよいでしょう。

 

宗教者への費用はお寺や教会に納める費用です。主に読経や戒名に対するお布施、御車代、御膳料、献金などが含まれます。これらは全て謝礼であり、金額の決まりはありません。ただし相場はあるため、お寺や教会に失礼がないよう適切な金額を用意しましょう。なお、謝礼金は現金手渡しが一般的なルールです。

 

※参考:くらしの友「葬儀費用の相場」(2023/11/14)

2 葬儀のお金がない場合は? 3つの手段

平均総額が減少傾向にあるとはいえ、葬儀を執り行うためには多額の費用が必要であることは変わりません。葬儀を執り行おうにもお金がないという方もいるでしょう。ここでは葬儀費用がない場合に検討してほしい3つの手段を紹介します。

2-1 簡略化した葬儀を行う

1つ目は葬儀を簡略化して執り行う方法です。通常、葬儀はお通夜と葬儀・告別式と2日間かけて執り行います。これら一連の流れを省略し、規模を縮小することで葬儀費用を抑えることも可能です。簡略化した葬儀には以下のような方法があります。

  • ・家族葬
  • ・一日葬
  • ・直葬

 

家族葬は、参列者に明確な定義はありませんが、主に故人の家族や親しい友人など少人数で執り行う葬儀です。参列者が少ないことから、式場が家族葬向けの小規模なものになり、大きな式場に比べて式場使用料が抑えられる、また参列者の移動に関わる車両の費用が抑えられる、という場合があります。

接待費については、一時的な支払いという意味では少人数の方が抑えられますが、参列者からいただくお香典でまかなえる部分も大きいため、家族葬と一般葬でそれほど大きな違いがなかったという場合も多々あります。

 

一日葬とは、お通夜をせずに葬儀・告別式だけを執り行う方法です。お通夜を省略することで通夜振る舞いなどの飲食費が不要となり、その分の費用の削減ができます。

2日間かけて執り行う一般的な葬儀と比べて、家族の時間的な負担を軽減できます。

 

直葬とは、少人数で火葬のみを行う葬送の仕方のことです。お通夜や葬儀、告別式といった一連の流れを省略するため、式場の使用料や祭壇など葬儀用具に関わる費用は大幅に抑えられます。

2-2 市民葬・区民葬を行う

市民葬や区民葬で執り行うという方法もあります。市民葬・区民葬は各自治体がその地域の住民に対して提供する市民サービスの一環です。その地域の住民であれば比較的安価な価格で葬儀を執り行えます。

 

なお、市民葬・区民葬は自治体によって申し込み方法や運用ルールが異なるため、あらかじめお住まいの地域の自治体に確認しておくとよいでしょう。

3 葬儀の費用を支給されるお金で支払う場合

葬儀費用を給付金で支払う場合解説図

家族が亡くなった際は、保険制度などにより給付金が発生する場合があります。給付金制度を活用すれば葬儀費用の負担も軽減できるでしょう。なお給付金を受け取るためには、原則として故人の家族による申請手続きが必要です。

 

ここでは葬儀費用を補助する給付金制度を紹介します。

3-1 国民年金の死亡一時金を使う

国民年金の死亡一時金は、故人が国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が、36カ月以上であった場合に申請できる給付金です。保険料を納めた月数に応じて12万~32万円の給付が受けられます。また、付加保険料を納めた月数が36カ月以上になる場合は、8,500円が加算されます。(※)

 

ただし死亡一時金は、故人が生前に老後基礎年金や障害基礎年金、を受け取っている場合や、故人の家族が遺族基礎年金や寡婦年金の支給を受けている場合は、申請ができません。また、受給手続きは故人が亡くなってから2年以内に行う必要があります。故人が基礎年金などを受け取る前に亡くなった場合は、死亡一時金が給付される可能性があるため、お住まいの自治体や年金事務所に確認してみましょう。

 

国民年金の死亡一時金を申請するための要件は、以下のとおりです。(※)

  • ・故人が国民年金の第1号被保険者として保険料を支払った月数が36カ月以上である
  • ・故人が老齢基礎年金および障害基礎年金を受け取っていない
  • ・故人の家族が遺族基礎年金の支給を受けない
  • ・寡婦年金を受けない
  • ・故人が亡くなってから2年以内である

3-2 健康保険の給付金を使う

健康保険組合では、組合員が亡くなった際に埋葬料などの名目でお金の給付を実施しています。多くの中小企業が加盟する全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、加入者が亡くなった際に給付される埋葬料は5万円です(※)。給付額や申請方法は保険組合によって異なるため、給付金を希望する場合は故人が加入していた保険組合に問い合わせましょう。

 

なお、故人が会社員であった場合は、生前に勤めていた会社で給付金の受給手続きを代行してもらえるケースもあります。

3-3 葬祭扶助制度を利用する

葬祭扶助制度は、故人の家族が経済的な理由で葬儀を執り行えない場合に、自治体が最低限の葬儀を行うための費用を扶助する制度です。主に生活保護を受けている方を対象とする制度であり、その利用には以下のような要件があります。(※)

  • ・故人が生前に生活保護を受けるなど困窮状態にあり、葬儀を行うための資産を残していない
  • ・故人の家族が困窮状態にあり、葬儀を行うための費用捻出が困難である

 

この制度を利用した葬儀は、福祉葬とも呼ばれます。福祉葬の場合、故人の家族は自費負担なしで葬儀を執り行うことが可能です。

制度の利用には審査があり、自費での葬儀が可能と判断された場合は扶助を受けることはできません。

 

葬祭扶助制度で扶助される金額の上限は自治体によって異なりますが、おおむね20万円前後です。制度の利用を希望する際は、お住まいの自治体の福祉事務所に相談しましょう。

 

※参考:e-Gov法令検索「生活保護法 第18条2」(20231114)

4 「葬儀費用がない」と困る前に事前に対策できること

規模を縮小したとしても、葬儀を執り行うためにはある程度まとまった額のお金が必要です。いざというときに慌てないためにも、いつか訪れる葬儀の機会に備えて費用の工面をしておくことが大切です。

ここでは「葬儀を手配したいけれど費用がない」と困らないよう、事前にできる対策を紹介します。

4-1 生命保険に加入する

生命保険は加入者本人の病気やけが、死亡などのリスクに備えた生活保障です。加入者本人が亡くなってしまった場合、保険の受取人には保険会社から給付金が支払われます。保険金は相続財産にはならないため、故人が生命保険に加入していれば保険金を葬儀費用として活用できるでしょう。

4-2 冠婚葬祭互助会に入会する

冠婚葬祭互助会は、会員が毎月一定の掛金を支払うことにより、冠婚葬祭の儀式に関連する費用を相互に補助する仕組みのことです。互助会の会員は通常よりも低価格で葬儀を執り行える他、冠婚葬祭に関するさまざまなサービスを受けることも可能です。

 

近年では葬儀の生前予約が注目されていますが、これは互助会への加入を意味しています。会員には加入時の契約に応じた葬儀内容が保証されるので、故人の意図に沿った葬儀を執り行える点もメリットです。なお、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会加盟の互助会間であれば、引っ越しなどで葬儀社を変更する場合も掛金の移籍ができます。

 

くらしの友の互助会についてはこちら>

5 「葬儀費用がない」という時によくある質問

最後に、葬儀費用がないという時によくある質問にお答えします。葬儀に対して不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

5-1 親の葬儀費用は誰が出す?

親の葬儀費用を誰が負担するかという点について、法的な決まりはありません。故人が自身の葬儀への備えをしている場合もあれば、家族や親族が葬儀費用を負担しなければならない場合もあります。

 

まずは親の資産状況や生命保険・互助会への加入の有無を確認し、葬儀に対する備えがあるかを把握しておきましょう。葬儀への備えがない場合は、家族や親族間でトラブルが発生しないよう、費用負担について事前に決めておくことが大切です。

5-2 なるべくお金をかけずに葬儀をあげるには?

葬儀費用を低く抑えたいのであれば、葬儀規模の縮小も検討しましょう。具体的には、参列者を限定する家族葬や、お通夜を省略する一日葬、火葬のみで済ませる直葬といった方法があります。

 

ただし、葬儀は故人を安らかにお送りするための儀式であることは、忘れてはなりません。金額が全てということにならないよう、故人への敬意を忘れることなく適切な葬儀を執り行うよう努めましょう。

 

くらしの友の葬儀プランについてははこちら>

6 葬儀費用がないときは葬儀規模の縮小や給付金の活用を検討しよう

今回は葬儀費用がない場合の対策について解説しました。費用の工面が難しい場合は葬儀規模の縮小を検討する他、自治体からの給付金も活用できることを覚えておきましょう。また、自身の葬儀に備えて生命保険や互助会への加入も検討してみてください。

 

株式会社くらしの友では、葬儀の生前予約も承っています。家族に金銭的負担をかけないためにも、互助会への加入をぜひご検討ください。

 

くらしの友の互助会についてはこちら>

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