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友引とは? 葬儀ができないって本当? 葬儀日程を決める際のポイントも紹介


/(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
「友引には葬儀をしてはいけない」と一度は聞いたことがあるかもしれません。友引とは六曜といわれる暦注の一つで、慶事では吉とされる一方、その意味合いから葬儀の日程としては避けるべきとされる風習があります。
しかし「なぜそのようにいわれるのか」「そもそも友引とは何か」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、六曜・友引の基本的な意味や、友引の葬儀の可否、葬儀日程を決める際のポイントなどを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 六曜の一つである「友引」の意味と由来
- 友引に葬儀を避けるとされる風習の背景
- 葬儀日程を決める際の注意点と判断のポイント

目次
1 そもそも六曜の役割とは?

六曜(ろくよう・りくよう)とは、14世紀頃に中国から日本に伝わった暦注(れきちゅう)の一つです。暦注とは、日にちや方角の吉凶を占うもので、六曜の他にも二十八宿(にじゅうはっしゅく)や九星(きゅうせい)などがあります。
六曜には「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6種類があり、この順番で繰り返されます。旧暦では新月のときが常に一日(ついたち)とされており、それに当たる日にちに、それぞれの六曜が割り当てられます。
明治時代頃からその日の運勢を占うものとして広がったとされており、現代の日本では、市販の手帳やカレンダーにも記載されているほどなじみのある風習です。日常生活では結婚式や葬儀の日程を決める際に参考にされることが多く、特に「大安=吉日」「仏滅=凶日」というイメージは広く知られています。
2 友引とは?

友引とは、六曜の中の一つで、漢字の通り「友を引き寄せる」とされる日です。もともとの意味は「共に引き分け」で、勝負の決着が付かない日、良くも悪くもない日とされていました。
次第に意味が転じて「友を引く」という解釈が強まっていき、今日のように冠婚葬祭の日取りを決める目安として活用されるようになったと考えられています。
そのため、友引の日には葬儀を避ける傾向が見られる一方で、「良いことも引き寄せる」として、結婚式や入籍には縁起が良い日とされています。
また、時間帯によっても運勢が異なるとされ、友引の日は「午前中」と「夜」が吉、「丑の刻」である11時から13時が凶です。特に縁起を気にする場面では、時間帯も考慮されることがあります。
3 友引に葬儀を行っても良い?
先述の通り、友引には「友を引く」という意味合いがあるため、故人が親しい人をあの世へ引き寄せてしまうと考えられ、葬儀を避けるべき日という認識が広く根付いています。その影響から、火葬場も友引を休業日としているところが少なくありません。
しかし、六曜は宗教的な考えに基づくものではなく、仏教とは直接関係のない民間信仰です。
また、現代では気にしなくても問題ないという考え方も広がってきています。とはいえ、まだまだ六曜を気にする方も多く、友引に対する意識には地域差や年齢差が見られるのも事実です。そのため、さまざまな参列者に配慮する形を取るなら、友引に葬儀を行うのは避ける方が無難でしょう
3-1 葬儀を行っても問題ない日
葬儀を行っても特に問題がないとされるのは「先勝」「先負」「仏滅」「赤口」「大安」の日です。
それぞれの意味合いを簡単に紹介します。なお、六曜では午前は14時までとされ、午後は14時から18時あたりまでを指します。
- ・先勝(せんしょう、せんかち):六曜における吉日に当たる日。午前中は吉、午後は凶。「先んずれば勝つ」の意味のため、物事を早めに済ませると良いとされる。
- ・先負(せんぶ、さきまけ、せんまけ、せんぷ):六曜においてあまり運勢が良くないとされる日。午前中は凶、午後は吉。「先んずれば負ける」という意味のため、ゆったりと過ごすと良いとされる。
- ・仏滅(ぶつめつ):六曜における凶日に当たる日。元の虚亡(物事の始まりにおける虚しく滅びること)や物滅に由来し、仏を滅ぼす意味に転じた。祝い事には避けられるが、葬儀には問題ないとされる。
- ・赤口(せきぐち、しゃっこう、しゃっく):六曜における凶日に当たる日。陰陽道における鬼神(赤舌神)に由来するため不吉とされるが、「丑の刻(11時から13時)」に当たる時間帯は吉とされる。
- ・大安(たいあん):「何事も成功する」とされる吉日であるため、友引と同じく慶事に選ばれることが多い日ですが、葬儀をしても問題はないとされています。
4 葬儀日程を決める際のポイント

葬儀の日程を決める際には、六曜だけでなく、他にもいくつかの事柄を確認し、調整する必要があります。ここでは、スムーズに葬儀の日程を決めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
4-1 葬儀・告別式に友引が重ならないようにする
葬儀の流れは、一般的に1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式・火葬を行うのが一般的です。そのため、葬儀・告別式の日が友引に重ならないよう日程を調整するのが良いとされています。
なお、通夜は友引であっても気にされることは少ないため、友引に通夜、翌日に葬儀・告別式という形でも問題はありません。
4-2 葬場の営業日を確認する
火葬場にも休業日があります。地域や各火葬場によって異なりますが、一般的には年末年始や設備のメンテナンス日、そして友引も休業日としているところが多いです。
火葬場が休みの日は葬儀を行うことができません。また、火葬場が混み合い予約が取りにくいケースもあり、希望の日程が難しい場合があります。火葬場の手配は葬儀会社が行うことが多いため、あらかじめ担当者に確認しておきましょう。
4-3 僧侶の空いている日程を確認する
仏教の場合、葬儀では僧侶にお経をあげてもらうのが一般的です。
菩提寺(ぼだいじ)がある場合は、担当の僧侶の予定を押さえなければならないため、できる限り早めに確認しておく必要があります。僧侶の都合が付かない場合は、同じ宗派の別のお寺を紹介してもらうことで対応します。
菩提寺がない場合は、葬儀社に僧侶の手配を依頼することも可能です。
4-4 参列者が参加しやすい日程かを確認する
故人と親交があった方にはできる限り参列してもらい、最後のお別れをしたいところです。参列者全員の予定を合わせるのは難しいかもしれませんが、特に故人と親しかった方や近しい親族が参加しやすい日程かを確認し、スケジュールの調整をしましょう。
また、遠方から参列する方がいる場合は、移動や宿泊の負担も考慮し、日程を遅らせるなどの検討をする必要があります。
4-5 その地域の風習に則しているかを確認する
葬儀の流れや日程の考え方は地域によってさまざまです。昔から伝えられてきた風習が今でも根強く残っている地域もあります。近隣の方が葬儀に参列したり、お手伝いをお願いしたりするケースもあるでしょう。より良い関係を続けていくためにも、葬儀に関してその地域の風習に則しているか、確認しておくとトラブルなく円滑に進められます。
5 まとめ
友引は「友を引く」とされることから、葬儀の日程として避けられることが多い六曜の一つです。しかし、六曜は仏教に直接由来するものではなく、気にし過ぎる必要はないという考え方もあります。とはいえ、親族や参列者への配慮も大切なため、可能であれば友引を避けるのが無難でしょう。
葬儀の日程を決める際は六曜だけでなく、火葬場や僧侶の予定、参列者の都合、地域の風習なども考慮することが大切です。悔いのないお別れができるよう、事前の準備と確認をしっかり行いましょう。
葬儀に関するご相談は、東京・神奈川で多くの実績と信頼のある「くらしの友」にお任せください。ご家族の希望に寄り添いながら、きめ細やかなサポートで大切なお別れをお手伝いいたします。
葬儀や法要のことに関して分からないことやお悩み事がある場合は、ぜひくらしの友にご相談ください。
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