- 法事・法要
数珠の使い方を解説!種類やマナーも紹介
/(株)くらしの友 商事本部
東京都23区エリアを中心に、法事や葬儀などの施行業務を担当。法事・法要・仏壇や位牌のほか、墓地や墓石など、先祖供養に関連するさまざまな知識をもつエキスパート。
葬儀や法要に参列する際「数珠はどのように使えばよいのだろう」「宗派によって違いがあるのだろうか」と迷う方は多いでしょう。数珠は故人への敬意を示すための大切な仏具ですが、正しい扱い方を知る機会は意外と少ないものです。
本記事では、数珠の基本的な意味や種類、宗派ごとの使い方やマナーを分かりやすく解説します。初めて数珠を手にする方も、ぜひ参考になさってください。
この記事で分かること
- 数珠とは合掌の際に使用する仏具
- 数珠には略式と本式があり、宗派ごとに正しい持ち方と扱い方がある
- 焼香の際や葬儀参列時における、数珠の基本マナーや所作を押さえておく必要がある
目次
1 数珠(じゅず)とは?
数珠とは、仏教において合掌や礼拝の際に使用する仏具の一つです。多数の珠を糸でつなげて輪にしたもので「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれます。信仰を持つ人にとっては、心を落ち着け、祈りの気持ちを表すための大切な道具です。
珠の数は108個が基本とされ、これは人間が持つ108の煩悩を象徴しています。珠を指で一つずつ繰りながら念仏を唱えることで、煩悩を鎮め、功徳を積むという意味が込められています。
現代では、宗派を問わず使用できる略式の数珠を持つ人も多く、礼拝時だけではなく、お守りや魔除けとしての意味合いを込めて持つ場合もあるようです。また数珠の素材には木や水晶、瑪瑙(めのう)などが用いられています。
1-1 数珠の起源
数珠の起源は、古代インドのヒンドゥー教にあります。当時、神々の名を唱える際に用いられていた「マーラー」と呼ばれる道具が原型とされています。マーラーは、祈りや瞑想の際に真言(マントラ)を唱える回数を数えるためのもので、珠を糸で連ねた形状は現在の数珠とよく似ています。
紀元2世紀頃には、仏教にもこの習慣が取り入れられました。仏教では、珠を繰りながら念仏を唱えることで心を整え、煩悩を浄化する修行法として発展していきます。
やがて仏教の伝来とともに日本にも数珠が広まり、奈良時代には僧侶や貴族の間で礼拝用具として定着しました。その後、数珠は信仰を象徴する法具として庶民にも普及し、現在では葬儀や法要に欠かせない存在となっています。
「祈りを形にする」という点で、キリスト教のロザリオなど他宗教の祈祷具とも共通する精神が感じられます。
2 数珠の種類と選び方
数珠には、大きく「略式数珠」と「本式数珠」の2種類があります。略式数珠は宗派を問わず使える一方、本式数珠は宗派ごとに形や房の仕様が異なるのが特徴です。
初めて数珠を選ぶ際は、どちらを選べばよいか迷う方も多いでしょう。どちらを使ってもマナー違反にはなりませんので、目的や場面に合ったものを選ぶことが大切です。次で、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
2-1 【宗派を問わない】略式数珠(片手数珠)
略式数珠は、宗派を問わず誰でも使用できる数珠で「片手数珠」とも呼ばれます。珠が一連につながった形で、正式な108珠よりも数が少なく、軽くて扱いやすいのが特徴です。小ぶりなサイズで持ち運びしやすく、作法に不安のある方でも安心して使用できます。
初めて数珠を購入する方は、略式数珠を選ぶのが一般的です。
一般的な葬儀や法要では、略式数珠を持っていれば問題ないとされています。男性用は黒檀や縞黒檀などの落ち着いた色合いで、主玉の大きさは10〜12mmが一般的です。女性用はローズクォーツや水晶など明るい色の天然石が多く、6〜8mmほどの小ぶりな珠と華やかな房が特徴です。
2-2 【宗派により異なる】本式数珠(本連数珠)
本式数珠(本連数珠)は、各宗派の教えや作法に基づいて形が定められた正式な数珠です。珠の数は108個が基本で、略式数珠よりも長さがあります。
房や珠の形、色などは宗派によって異なり、購入時には自分や家族の宗派を確認しておくことが大切です。
格式を重んじる場面や、自分の宗派を大切にしたい場合は、本式数珠を選ぶとよいでしょう。
3 数珠の基本的な使い方
数珠には共通する持ち方と、宗派ごとに異なる扱い方があります。ここでは、まずどの宗派でも共通して使える略式数珠の基本的な持ち方を説明し、続いて宗派別の本式数珠の使い方を紹介します。
3-1 略式数珠の場合
略式数珠の持ち方にはいくつかの基本があります。
まず、合掌していないときは、輪を左手の人さし指と親指の間にかけ、房が真下に垂れるように持ちます。親指以外の4本の指が輪の中に入る形が自然です。宗派や地域によって異なりますが、一般的には左手で持つのが正式とされていますので、左手にかけて扱うのがよいでしょう。
合掌するときは、左手に輪をかけたまま手を合わせるか、輪の中に8本の指を全て通し、親指2本だけを外に出します。房は下を向け、ねじれたり手の甲にかかったりしないよう注意します。
3-2 本式数珠の場合
本式数珠(本連数珠)は、宗派ごとに持ち方や形状が異なります。以下では、代表的な宗派ごとの持ち方を順に説明します。
3-2-1 禅宗
禅宗(曹洞宗・臨済宗・黄檗宗)の数珠は、略式数珠とほぼ同じ持ち方です。輪を二重にし、左手の親指と人さし指の間にかけて房を下に垂らします。曹洞宗の数珠には親珠の近くに小さな輪があり、臨済宗にはそれがない点で区別できます。
3-2-2 浄土宗
浄土宗の数珠の持ち方には、2通りの方法があります。
1つは、合掌した両手の親指にのみ輪をかける方法です。輪は手前側に流し、房は手前側または親指の外側で真下に向けて垂らします。
もう1つは、人さし指から小指までの4本の指に輪をかける方法です。房は両手の甲の真下に垂らします。いずれも正式な作法とされており、どちらを選んでも問題ありません。
3-2-3 日蓮宗
日蓮宗の数珠は、房が5本あるのが特徴です。輪を一度ねじり、8の字にして両手の中指にかけ、そのまま合掌します。5本の房のうち2本は右側、3本は左側に垂らすのが基本です。
3-2-4 真言宗
真言宗の数珠は、日蓮宗と似ていますが、ねじらずに一重のまま使用します。両手の中指に輪を通して合掌し、4本ある房を左右2本ずつ、手の甲の側に垂らすのが作法です。
3-2-5 天台宗
天台宗では、親玉を上にして輪を二重に巻き、左手の親指と人さし指の間にかけます。合掌の際は、房を両手のひらの方に垂らし、そのまま両手を合わせます。
3-2-6 浄土真宗
浄土真宗は、本願寺派(西)と真宗大谷派(東)で持ち方が異なります。いずれも輪を二重にして、合掌した4本の指にかける点は共通です。
本願寺派では、房を両手の甲の真下に垂らします。一方、真宗大谷派では、親玉部分を上にして輪をかけ、房を左手の甲に垂らす形で、左親指で親珠を軽く押さえるのが特徴です。
4 お焼香の際の数珠の使い方
お焼香の際には、数珠をどのように扱えばよいのか迷う方も多いでしょう。数珠は仏様や故人への敬意を表す仏具であり、お焼香の最中も含めて左手に持ち続けるのが基本です。
お焼香の動作に合わせて、以下のように使いましょう。
右手で数珠を扱うのは作法上望ましくないため、常に左手で持つのがよいでしょう。ゆっくりとした所作を心がけることで、より丁寧な弔意を示すことができます。
5 数珠を使う際のマナー
数珠は信仰の象徴でもあり、心を込めて丁寧に扱うことが大切です。ここでは、保管や持ち歩きの方法など、覚えておきたい基本的なマナーを紹介します。
5-1 貸し借りをしない
数珠は持ち主と仏様とのご縁を結ぶ大切な仏具とされており「自分だけの数珠」として扱うのが基本です。そのため、他人と貸し借りをするのはマナー違反とされています。数珠には持ち主の念がこもると考えられており、他人が使うことは敬意を欠く行為と捉えられるためです。
万が一、数珠を忘れてしまった場合は、無理に借りる必要はなく、持たずに参列しても失礼にはあたりません。数珠は仏具店などで購入できるため、時間に余裕があれば探してみるのも一つの手です。
5-2 袋に入れて持ち歩く
数珠は直接手で持ち歩かず、専用の数珠入れや袱紗(ふくさ)に入れて持ち運ぶことが望ましいとされています。そのままバッグに入れると、他の物とぶつかって傷ついたり、汚れたりする恐れがあるためです。
数珠入れや袱紗は仏具店やホームセンター、100円ショップなどでも手に入ります。持ち歩きにも便利なため、持っておくとよいでしょう。
なお後述しますが、葬儀や法要の間は袋から出してポケットやバッグに入れておき、必要なときに静かに取り出すのが望ましいです。
5-3 焼香の前に取り出しておく
焼香の順番が近づいてから慌てて数珠を探すと、周囲の動きを乱すことがあります。葬儀会場に入って着席した時点で、あらかじめ数珠を用意しておきましょう。
着席後は左手に持ち、房が下を向くようにして膝の上に静かに置くと自然です。前もって準備しておくことで、焼香の際に落ち着いて動作でき、所作も美しく見えます。
6 まとめ
数珠は、仏教の葬儀や法要の際に使う仏具の一つで、略式と本式があります。
略式数珠は宗派を問わず使えるもので、初めての方でも扱いやすいのが特徴です。本式数珠は宗派ごとに形や房の位置が異なり、浄土宗や日蓮宗、真言宗などでは持ち方に違いがあります。
お焼香の際は、左手に数珠を持ったまま右手で香をくべます。また数珠は貸し借りをせず、袋に入れて丁寧に持ち歩くことが基本的なマナーです。正しい扱いを身に付けておくことで、葬儀の場でも落ち着いて行動できるでしょう。
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