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自宅葬とは?メリット・デメリットや流れ、マナーを解説

作成日:2026.03.09
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

自宅で葬儀を行う「自宅葬」に関心を持つ方の中には「準備が大変そう」「どのような手順が必要なのだろう」と不安を感じている方も多いでしょう。

この記事では、自宅葬の基本的な仕組みや特徴、実際に行う際の流れやマナー、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。自宅葬を検討している方は、ぜひ参考になさってください。

この記事で分かること

  • 自宅葬の基本や歴史
  • 自宅葬を選ぶメリット・デメリット
  • 自宅葬を行う際の注意点やマナー
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目次

  1. 1 自宅葬とは?
  2. 2 自宅葬の歴史
  3. 3 自宅葬を選ぶメリット
  4. 4 自宅葬を選ぶデメリット
  5. 5 自宅葬の基本の流れ
  6. 6 自宅葬の主催者側のマナー
  7. 7 まとめ

1 自宅葬とは?

自宅葬とは?

 

自宅葬とは、その名の通り自宅を会場として執り行う葬儀のことを指します。一般葬や家族葬、一日葬など、葬儀の形式の種類に関係なく「葬儀を執り行う場所が自宅である場合」は自宅葬と呼ばれます。

 

かつては多くの家庭で自宅葬が行われていましたが、近年は斎場や会館を利用する葬儀が主流です。しかし「故人を慣れ親しんだ家から送り出したい」「落ち着いた空間で見送りたい」との思いから、自宅葬を選ぶ方もいます。

 

自宅葬は自由度が高く、家族の希望に合わせた柔軟な形式が取れる点が特徴です。一方で、参列人数や住宅環境によっては実施が難しい場合もあります。事前にスペースや近隣への配慮を確認し、葬儀社と相談しながら進めることが大切です。

2 自宅葬の歴史

もともと日本では、戦前から昭和の中頃まで、自宅葬が一般的な葬儀形式でした。葬儀は家の中や庭で行われ、近所の方々が準備や片付けを手伝うなど、地域全体で故人を見送るのが習わしでした。

 

しかし、高度経済成長期以降の都市化や住宅事情の変化により、広い空間を確保できる家庭は減少しています。さらに、葬儀社の会館や斎場が普及したことで、設備の整った施設で行う葬儀が主流となりました。

 

近年では、家族葬や小規模葬の増加により「自宅でゆっくり見送りたい」という希望が再び注目を集めています。葬儀社によるサポート体制も整い、自宅であっても祭壇設営や搬送、進行までトータルで対応できるようになってきました。伝統的な文化を現代の形で取り戻す動きといえるでしょう。

3 自宅葬を選ぶメリット

自宅葬を選ぶメリット説明画像

自宅葬には、心情面・費用面・自由度などの利点があります。近年は家族葬や小規模葬の増加に伴い「自宅で穏やかに見送りたい」という思いから注目されるようになりました。以下では、自宅葬ならではの具体的なメリットを紹介します。

3-1 故人が住み慣れた家で見送れる

自宅葬の最大の魅力は、故人が長年暮らしてきた自宅で葬儀を行えることです。病院や施設で亡くなった場合でも、最期は「自宅に帰りたい」という願いをかなえられる形となり、家族にとっても大きな意味を持ちます。

 

慣れ親しんだ部屋や庭の風景に囲まれて過ごす時間は、遺族にとっても心穏やかなものになります。参列者も形式にとらわれることなく集まることができ、故人との思い出を静かに振り返るひとときを過ごせるでしょう。

 

また自宅での葬儀は思い出の品や写真を飾るなど、故人をしのぶ演出をしやすい点も特徴です。空間全体に「その人らしさ」を残したお見送りができるため、家族にとっても心の整理につながります。

3-2 時間制限を気にせずゆっくりお別れできる

自宅葬では、斎場のように開館時間や利用枠を気にせずお別れの時間を持つことができます。家族が交代で故人のそばに付き添い、気持ちの整理をしながらゆっくりと過ごせる点が大きな安心につながります。

 

また友人や知人も自分の都合に合わせて訪問できるため、一人ひとりが落ち着いて弔意を伝えることができます。

静かな時間の中で「ありがとう」を伝えられるのは、自宅葬ならではの良さといえるでしょう。

3-3 会場費用を抑えられる

自宅葬では、葬儀会館やホールなどの式場を借りる必要がないため、会場費用を抑えられる点もメリットです。一般的に斎場の使用料は数万円から十数万円程度かかりますが、その分を削減できるのは葬儀費用の軽減になります。

葬儀社のサポートを受けながら、無理のない範囲で準備を進めれば、経済的にも安心してお見送りができます。

 

節約だけでなく「必要な部分に丁寧に費用をかける」という考え方で、自宅葬を選ぶご家族も増えています。

3-4 葬儀中もリラックスして臨める

自宅という慣れ親しんだ空間で行う葬儀は、家族が落ち着いて臨める点が大きな特徴です。見慣れた場所で過ごす安心感があり、緊張せずに穏やかな気持ちで故人を見送ることができます。

 

寝食や着替えなども自由にできるため、体力的な負担も少なく、小さなお子さまや高齢者がいる家庭でも無理なく執り行うことができます。斎場との往復が不要な分、時間にも心にも余裕が生まれるでしょう。

 

身近な空間で過ごすからこそ、家族同士の言葉や思い出が自然と交わり、静かで温かな時間を共有できます。

4 自宅葬を選ぶデメリット

自宅葬を選ぶデメリット説明画像

自宅葬は自由度が高く温かみのある一方で、実務面や環境面での配慮も欠かせません。準備や対応に時間や労力がかかる場面もあるため、実際に行う前に理解しておくことが大切です。以下では、自宅葬を検討する上で知っておきたい注意点を紹介します。

4-1 近隣住民に配慮する必要がある

自宅葬を行う際は、近隣の方への配慮がとても重要です。弔問客や葬儀社スタッフの出入り、僧侶の読経、おりんの音、線香の香りや、寝台車や霊柩車の駐停車など、普段よりも人や音の往来が増えるため、思わぬ迷惑をかけてしまうこともあります。

 

そのため、葬儀の日程が決まったら、事前に近隣住民や管理組合へ一言伝えておくのが望ましいでしょう。

 

また駐車スペースや車両の出入りを事前に調整し、通行の妨げにならないようにすることも大切です。こうした配慮によって、地域との良好な関係を保ちながら、安心して葬儀を進められます。

4-2 参列者のおもてなしをする必要がある

自宅葬は、斎場葬と比べると家族が参列者をもてなす機会が増えます。お茶やお菓子を出すなどの対応が求められます。家族葬のように身内だけの葬儀でも、簡単なおもてなしをするのがマナーです。

 

通夜や葬儀中に休憩するスペースや飲み物を準備したり、遠方から来た方への気遣いを考えたりと、細やかな配慮が必要になります。ただし、負担に感じる場合は葬儀社にサポートを依頼することも可能です。

 

最近では、弔問者に折り菓子や飲み物を渡すなど、接待を簡略化する方法も増えています。無理をせず、家族の体力や状況に合わせて調整することが大切です。

4-3 準備や片付けを自分たちで行う必要がある

自宅葬では、葬儀会場の設営から片付けまで、家族が関わる作業が多くなります。事前に部屋を片付けて掃除を行い、祭壇を設けるために家具を移動する必要がある他、食事の準備や食後の片付け、駐車場の確保といった細かな対応も発生します。

 

こうした作業は慣れない方にとって負担に感じることもありますが、葬儀社によっては設営や撤収をサポートしてくれる場合もあります。レンタルサービスを利用すれば、必要な備品を一時的にそろえることも可能です。

 

無理なく準備を進めるためには、早めの計画と家族間での役割分担が大切です。限られた人数で行う場合は、外部のサポートを活用することで心身の負担を軽減できます。

 

また、出棺後には葬儀社による使用物品の搬出や、遺骨を安置する準備があるため、留守番をする方が必要になります。

4-4 ある程度のスペースが必要になる

自宅葬を行うには、棺や祭壇を設置できるだけの広さが必要です。現代の住宅では空間に限りがあるため、事前に間取りや動線を確認しておくことが大切です。以下では、どのようなスペースが必要になるのかを詳しく見ていきます。

4-4-1 棺の搬入出経路

自宅葬を行う上で、棺を安全に搬入・搬出できる経路を確保することは非常に重要です。棺の標準的なサイズは幅約60cm、長さ180〜200cmほどで、玄関や廊下の幅によっては通りにくい場合があります。

 

搬送時には担架を使い、前後2人で対応するのが一般的です。そのため、玄関から安置する部屋までの通路に段差や狭い曲がり角がないかを確認しておきましょう。傾けずに進むことのできるスペースを確保することで、搬入がスムーズに進みます。

 

もし経路に不安がある場合は、葬儀社へ事前に相談しておくと安心です。経験豊富なスタッフが実際の間取りを確認し、必要に応じて代替ルートや搬入方法を提案してくれます。

4-4-2 通夜・葬儀・告別式の部屋

通夜や葬儀を行う部屋には、祭壇・棺・供花を置くスペースのほか、僧侶や家族が着席できるだけの広さが必要です。小規模な祭壇であっても、最低でも6畳以上のスペースが必要とされます。

 

参列者が複数人いる場合は、椅子や座布団を置くスペースも考慮し、できれば8〜10畳ほどあると安心です。和室を使う場合は畳の上に座布団を並べ、リビングを使う場合はテーブルや家具を一時的に移動して空間を確保します。

 

部屋同士をつなげて使うなど、柔軟な工夫で広さを補うことも可能です。どのように配置すれば動線が取りやすいか、事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。

4-4-3 会食の部屋

通夜振る舞いや精進落としを行う場合は、会食のためのスペースも必要です。広いリビングやダイニングを使うことが一般的ですが、スペースが足りない場合は折り詰めを用意し、お持ち帰りしてもらう方法もあります。

 

会食を行う場合は、食事の準備や後片付けも家族で行う必要があります。ケータリング業者に依頼して食事を提供してもらうことも可能です。

 

少人数であれば、同じ部屋を兼用して会食を行うことも可能です。負担を減らすために、無理のない形で対応しましょう。

4-4-4 受付・返礼品置き場・控室

参列者が訪れる場合には、受付や返礼品を置くスペースも必要になります。玄関や廊下を活用して簡易的に設けることもできますが、出入りの動線は確保するようにしましょう。

 

参列者が多い場合は、待合スペースを設けると混雑を防げます。天候や季節にも配慮し、雨天時は玄関前にテントを張るなどの工夫も有効です。

 

また僧侶の控室や家族の休憩場所を別に設けることで、式中の動きがスムーズになります。限られた空間でも、配置を工夫することで快適な環境を整えられます。

4-5 集合住宅は規定によりできない場合がある

マンションやアパートなどの集合住宅では、管理規約によって自宅葬が制限されている場合があります。事前に管理会社や管理人へ確認し、実施が可能かを確かめておきましょう。

 

共有スペースである集会所やエントランスホールなどを利用できる場合もあります。その際も、ほかの住人に迷惑をかけないよう、音や人の出入りに十分な配慮が必要です。

 

また棺やストレッチャーを搬入する際にエレベーターへ入るかどうかも確認しておく必要があります。規約の確認と安全面への配慮を行うことで、無理のない形で自宅葬を検討できます。

5 自宅葬の基本の流れ

自宅葬の流れは、葬儀専門の会館で執り行う葬儀と大きく変わりません。葬儀社が全体の進行をサポートしてくれるため、初めてでも安心して進められます。

 

以下で、自宅葬の一連の流れを見ていきましょう。

  1. 1.ご臨終・葬儀社へ連絡
  2. 2.故人の搬送・自宅への安置
  3. 3.打ち合わせ(見積もり)
  4. 4.納棺
  5. 5.通夜の設営と準備・実施
  6. 6.通夜振る舞い
  7. 7.葬儀・告別式
  8. 8.出棺(火葬場へ向かう)
  9. 9.片付け
  10. 10.火葬・お骨上げ
  11. 11.帰宅・遺骨の安置
  12. 12.精進落とし

まず、ご臨終を迎えたら葬儀社へ連絡します。依頼を受けた葬儀社は、速やかに故人を病院などから自宅へ搬送し、安置を行います。このとき、安置場所となる部屋の準備(布団の用意・室温の管理など)を整えておくとスムーズです。

 

次に、納棺の儀を行い、ご遺体を清めて棺へ納めます。その後、通夜式を自宅の和室やリビングなどで行います。自宅葬でも、僧侶の読経や焼香など、一般的な葬儀と同じ形式で進行するのが一般的です。

 

通夜の後には、親族や親しい友人と軽い食事を取る「通夜振る舞い」を行います。自宅の場合、弁当や仕出し料理を取り寄せたり、簡単なお茶菓子で済ませたりと、無理のない形で問題ありません。

 

翌日には葬儀・告別式を行い、出棺後に火葬場へ向かいます。火葬とお骨上げを終えたら、自宅へ戻って遺骨を安置し、精進落としを行うのが一般的な流れです。

 

このように、自宅葬は「ご臨終から精進落としまで」という全体の流れは一般的な葬儀と同じです。ただし自宅葬では途中で、会場設営・参列動線の確保・近隣への配慮が加わります。

 

葬儀社に相談しておけば備品の設営や撤収をサポートしてもらえることが多いため、家族だけで進める場合でも心配ないでしょう。

6 自宅葬の主催者側のマナー

自宅葬は、故人を身近な空間で穏やかに見送れる一方で、周囲への配慮や基本的なマナーも大切です。温かく落ち着いた葬儀にするためには、細やかな気遣いが欠かせません。

 

以下では、主催者が意識したいマナーのポイントを紹介します。

6-1 近隣住民・管理会社などに配慮する

自宅葬では、音や人の出入りが普段より多くなるため、近隣や管理会社への配慮が欠かせません。葬儀前にあいさつをしておくことで、トラブルを防ぐだけでなく、地域との関係を良好に保てます。

 

例えば、次のような伝え方が参考になります。

〇月〇日に家族だけの葬儀を自宅で行う予定です。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最近ではご近所付き合いが少ない家庭も多くあり、顔見知りではないこともあるでしょう。しかし、最低限のマナーとして事前にお伝えしておくことが大切です。直接あいさつに行けない場合は、短い手紙を投函する方法もあります。

 

またマンションなどでは管理会社に事前に連絡し、駐車や搬入のルールを確認しておくと安心です。

 

葬儀後には「ご迷惑をおかけいたしましたが、無事に終了いたしました」と一言添えることで、丁寧な印象を残せます。

6-2 喪服を着用する

自宅葬であっても、喪服を着用します。形式が簡素であっても、故人への敬意を表す姿勢が大切です。服装を整えることで、葬儀の雰囲気を乱さず、気持ちを落ち着けて臨むことができます。

 

男性は黒のスーツに白いシャツと黒いネクタイ、女性は黒のワンピースやアンサンブルが一般的です。かばんや靴などの小物類も黒で統一しましょう。ワニ革やヘビ革など殺生を思い起こさせるアイテムは避けるほか、光沢のあるものも避けるのが無難です。

 

結婚指輪以外のアクセサリーは外し、真珠の一連のネックレス程度に留めましょう。薄化粧で髪型も落ち着いた印象になるよう心がけます。

6-3 弔問を辞退しても来客があれば対応する

弔問を辞退する場合は、故人や家族の意向であることを丁寧に説明しましょう。また自宅葬を行った旨や、香典・供花の辞退も併せて伝えるとスムーズです。文例としては「故人の遺志により、弔問および香典は辞退申し上げます」などが適しています。

 

ただし、知らせを受けて訪問してくださる方がいた場合には、無下に断らずに対応しましょう。香典や供花を受け取った場合も「ご厚意をありがとうございます」と感謝を伝え、快く受け取ります。

 

家族葬のマナーや香典を辞退する際の注意点などは、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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7 まとめ

自宅葬は、故人を住み慣れた家で見送ることができる葬儀の形式です。

 

メリットとしては、時間を気にせず過ごせることや、費用を抑えられる点、慣れ親しんだ場所から故人を見送れることが挙げられます。一方で、スペースや準備の負担など、現実的な課題もあります。そのため、自宅葬のメリット・デメリットを踏まえたうえで、自宅で行うか葬儀専門会館で行うかを慎重に判断することが大切です。

 

流れは一般葬とほとんど変わらず、ご臨終後の搬送から通夜・葬儀・出棺・火葬・精進落としまでを一連の流れで行います。ただし、自宅を会場とするため、会場設営や動線の確保、近隣への配慮など、準備面での工夫が求められます。

 

株式会社くらしの友では、家族葬をはじめとするさまざまな葬儀や供養に関するご相談を承っています。葬儀の事前相談や資料請求、お見積もりも承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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