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葬儀の祭壇とは? 種類や意味、費用相場まで葬儀で知っておきたい基礎知識を解説

作成日:2025.07.04
最終更新日:
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監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

葬儀の準備を進めるに当たり、祭壇選びに悩む方も多いでしょう。祭壇は葬儀の中でも重要な要素であり、葬儀費用の多くを占める項目です。

 

この記事では、祭壇についてよく理解した上で検討をしたいご家族に向けて、祭壇の種類や宗教ごとの違い、費用相場などを解説します。

 

大切な故人を見送る大切な時間だからこそ、後悔のない選択ができるように、祭壇の選び方についてもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

  • 葬儀における祭壇の意味と役割
  • 葬儀祭壇の種類と宗教ごとの違い
  • 祭壇を選ぶ際のポイントと費用相場
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目次

  1. 1 祭壇とは? 葬儀における意味と役割
  2. 2 祭壇の種類と特徴
  3. 3 祭壇の選び方
  4. 4 宗派や形式で異なるポイント
  5. 5 【祭壇のタイプ別】費用相場
  6. 6 祭壇にお供えする物
  7. 7 まとめ|故人らしさを大切にした祭壇選びを

1 祭壇とは? 葬儀における意味と役割

祭壇とは?説明画像

祭壇とは本来、どのような意味があるのでしょうか。葬儀における祭壇の意味や、葬儀に祭壇を設置する理由を解説します。祭壇に関する知識を身に付けて、大切な方を気持ちよく送り出しましょう。

1-1 祭壇の基本的な意味

祭壇は、亡くなった方への供物や遺影を飾るための台であり、葬儀や追悼の場で用いられるのが一般的です。宗教や宗派を問わず、故人をしのぶための大切な役割を担っています。

もともと、祭壇は儀式で使用する物を並べる目的で用いられていました。祭壇には主に、神仏や霊などへ向けた、供物や祭器・祭具を祭ります。

 

仏教における祭壇は、「仏や故人を供養する檀」という意味で設置され、遺影や供物、仏具などを飾るのが一般的です。

 

時代の経過と共に、葬儀における祭壇は、物を置くだけの目的にとどまらず使用されるようになりました。現代では故人の好みに合わせて装飾をこだわったり、故人を表現したりする手段としてデザインやサイズの異なるユニークな祭壇が多く見られています。

2 祭壇の種類と特徴

祭壇の種類と特徴説明画像

葬儀の印象を大きく左右する「祭壇」には、大きく分けて「白木祭壇」と「花祭壇」の2つの種類があります。

それぞれに特徴や意味合いがあり、故人への想いを表現する大切な要素です。自身の希望に合った祭壇を選ぶために、まずは違いを知っておきましょう。

2-1 祭壇の種類①白木祭壇

白木祭壇は、塗装や装飾を施さない白木(しらき)を使用して作られた祭壇で、主に仏式の葬儀で用いられます。

 

白木祭壇が日本で使用されるようになったのは、昭和初期(1920〜30年代)頃からとされています。伝統的な寺院建築を模したデザインの格式が好まれ、葬儀の場に欠かせない存在として定着しました。

昨今では、白木祭壇に花を組み合わせるなど、アレンジを行うことも可能です。

 

また白木祭壇は購入ではなく、葬儀社が所有している祭壇をレンタルで用意できるため、費用を抑えられるのがメリットです。

一方でシンプルな見た目なので、華やかさを求める方にとっては物足りなさを感じる可能性があるのがデメリットだといえます。

2-2 祭壇の種類②生花祭壇

花祭壇とは、生花をふんだんに使用して飾られた祭壇のことを指します。一般的な白木祭壇と比べて、より華やかで個性が表れやすいのが特徴です。使用する花の種類や色合いによって、故人の好きだったものや人柄を表現できるため、オリジナリティのあるお別れの場を演出できます。

 

また、宗教や宗派を問わず設置できる点も、花祭壇の魅力のひとつです。近年では、形式にとらわれずに「自分らしい葬儀」を希望される方が増えており、そのニーズに応えるかたちで花祭壇の人気が高まっています。

 

ただし、使用する花は季節や流通状況によって入荷が難しい場合があり、必ずしも希望どおりの花材を用意できるとは限りません。特に特定の品種にこだわりたい場合は、事前に葬儀社とよく相談しておくと安心です。

 

なお、生花だけの祭壇は、一点ずつその葬儀のためだけに作成されるため、白木祭壇に比べて費用が掛かる傾向にあります。昨今では部分的に造花(シルクフラワー)を使用した花祭壇も登場しています。費用負担を抑えつつ、華やかな雰囲気の祭壇を飾ることができるため、検討してみても良いでしょう。

くらしの友では、一つひとつの祭壇を丁寧にお作りしています。オーダーメイドも可能で、故人らしい葬儀を演出することが可能です。

 

くらしの友|花祭壇>

3 祭壇の選び方

祭壇は、故人の希望や人柄、家族の気持ちに加え、予算や式場の広さ・規模も考慮しながら検討するのがよいでしょう。ここでは、選ぶ際に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

3-1 1.故人の希望や人柄

故人の希望や、生前の趣味・好みを反映した祭壇を選択するのがおすすめです。「その人らしい」お見送りを実現したい方は、祭壇の種類や花の種類・色、雰囲気などにこだわりましょう。選択した祭壇によっては、自由度が高く個性的な装飾が可能です。

 

例えば生前花が好きだった方には、華やかな生花祭壇を選んだり、落ち着いた方なら白を基調としたシンプルな白木祭壇を選んだりすると故人らしい葬儀を演出できます。

3-2 2.ご家族の想い

ご家族の想いを優先して、祭壇を選ぶ方法もあります。「どのように故人を見送ってあげたいか」を基準にすると選びやすくなるでしょう。

 

例えば「温かく和やかに」「厳かにしっかりと」などがあれば、演出したい葬儀の判断基準となります。故人の思い出の品や写真を飾りたいといった要望があれば、飾る物を想定して決めると良いでしょう。

 

具体的にどのような葬儀になるのか分からない方は、葬儀社へ希望する雰囲気を伝えるのもおすすめです。

3-3 3.予算

祭壇の大きさやデザイン、使用する花の種類によって金額が変わるため、事前に決めておいた予算を考慮して祭壇を決めると良いでしょう。

 

「想定していたよりも費用が高額になってしまった」という事態を避けるためにも、あらかじめ上限を決めておくと安心です。

 

費用を抑えつつも華やかな見た目を維持したいときは、生花にこだわらず造花を組み合わせることを検討するのもおすすめです。

3-4 4.式の規模・会場の広さ

一般的に葬儀会場が広い場合は、祭壇も大きい方が映えます。一方でコンパクトな規模の葬儀会場では、祭壇の大きさも小さめのデザインを選ぶと良いでしょう。式場の規模よりも小さい祭壇を選んだ場合は、両脇に供花を飾るのもおすすめです。

 

会場の広さと祭壇の大きさを決める際は、参列者の人数を事前に把握しておくとスムーズに進みます。そのためある程度、参列者数の目安を立てておくと安心です。

 

また故人のイメージに合わせたサイズや規模の祭壇を選ぶと良いでしょう。

3-5 5.宗教や宗派の形式

特定の宗教・宗派を大切にしている場合は、宗教・宗派に合わせた祭壇を選ぶことが大切です。

 

祭壇の種類や構成は、仏式や神式、キリスト教式、無宗教など、宗教・宗派によって異なります。事前に宗教・宗派ごとの違いを把握しておきましょう。

 

宗教に関しての注意事項は、次項で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3-6 6.葬儀社へ相談

葬儀において祭壇は費用がかかり、ご家族の負担になってしまいます。祭壇の費用が不安に感じる場合は、葬儀社へ事前に相談してみるのもおすすめです。費用面や、葬儀の雰囲気などで不安を抱えるご家族を葬儀社がサポートするため、希望通りの祭壇を選びやすくなります。

 

葬儀社へ相談しておくと、祭壇の雰囲気や大きさを事前に把握できます。花の種類や配置、色合いなどの細部も確認すれば、「故人の好みや希望に合っているか」「葬儀のイメージと実際のギャップが生じていないか」をチェックでき、心の準備がしやすくなるでしょう。

 

葬儀社によって祭壇のデザインやプランは異なるため、複数の選択肢から比較検討しておくと理想的な葬儀を演出できます。

 

くらしの友では、専門技術を持ったスタッフが、デザインや予算、規模などに合わせてご家族の希望に添った祭壇をご提案しています。祭壇でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

くらしの友の花祭壇一覧>

4 宗派や形式で異なるポイント

宗教や宗派によって、祭壇の形式は異なります。実際にどのように違うのか、各宗教・宗派における祭壇形式のポイントをご紹介します。

4-1 神式(神道式)の祭壇

神式(神道式)の祭壇には、白木祭壇のほか、花祭壇を用いることもあります。故人やご家族の想いに添った祭壇を選ぶと良いでしょう。

 

祭壇の上段には、三種の神器とされている、八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)のレプリカを飾るのが通例です。祭壇中央に神鏡を配置し、その両脇に置いた五色旗に剣と鏡・勾玉をつるして飾ります。

 

その際、遺影は神鏡を飾った段の一段下へ、右側に寄せて置くのが基本の配置です。また、供物として米・酒・塩・水・海の幸・山の幸など季節の物を用意する点も、神式祭壇特有のものでしょう。

 

仏式では焼香台がある場所に玉串を置くための台が設置されているのも、神式祭壇の特徴で、参列者は焼香ではなく玉串を捧げます。

 

なお花祭壇を選んだ場合も、供物や神器などの配置は基本的に白木祭壇と同様です。

4-2 キリスト教式の祭壇

キリスト教式の場合、柩(ひつぎ)は祭壇の手前に安置し、その奥に遺影を置きます。祭壇の中央部分には十字架を飾り、両脇に供花として白い生花を飾ります。

 

また祭壇の両脇には、ろうそくを設置し火を灯すのが伝統的な形式です。

 

キリスト教には、主にカトリックとプロテスタントという宗派があり、宗派によっても祭壇の装飾が異なります。宗派ごとの違いにも配慮する必要があるため、事前に確認しておくと安心です。

4-3 日蓮正宗・創価学会の祭壇

日蓮正宗・創価学会の祭壇には、共に樒(しきみ)を供えるのが一般的です。

 

創価学会の葬儀では、祭壇の上部中央にご本尊を祭り、供物やお膳を捧げるのが一般的です。

 

また日蓮正宗で使用する祭壇では、仏像やお膳、仏花などは使用せず、樒のみのシンプルな飾りで完結します。日蓮正宗において樒は生命力が強く、邪気を払うというイメージがあり、来世での繁栄を願って使用されるようになりました。

4-4 無宗教葬の祭壇

無宗教葬では、特定の宗教的儀式を行わないため、祭壇の形式にも決まりがなく、自由度の高い設えが可能です。故人の趣味や人柄を反映した写真や品々を飾ったり、生花を中心とした花祭壇で華やかに演出したりと、ご家族の思いに沿った形で空間を整えることができます。

位牌や宗教的なシンボルを用いず、遺影やお花を中心に構成します。参列者にとっても堅苦しさがなく、自然体で故人と向き合う時間を持てる点が、無宗教葬の魅力です。

5 【祭壇のタイプ別】費用相場

祭壇は葬儀費用の中でも高額な項目となります。予算に合った無理のない祭壇を検討するのがおすすめです。祭壇のタイプ別に費用相場を確認しておきましょう。

5-1 白木祭壇の費用

白木祭壇は、葬儀社のプランに含まれており、別途費用がかからないケースがあります。ただしプランの内容は葬儀社により異なるため、事前にどの程度の費用がかかるのか確認しておくと安心です。

 

シンプルで小規模な祭壇では、10万~30万が相場です。

 

白木祭壇には生花を飾ることも可能なため、シンプルな祭壇に華やかさを加えたい方は、生花での装飾を検討してみるのがおすすめです。

 

白木祭壇の詳しい費用を知りたい方は、くらしの友までご相談ください。

5-2 花祭壇の費用

花祭壇の費用は葬儀社によって大きく異なります。一般的には30万円程度から利用でき、予算に応じて上限なく豪華にすることも可能です。

 

花祭壇の場合、費用に影響する主な要素としては以下の項目が挙げられます。

  • ・祭壇のサイズ
  • ・使用する花の種類や量
  • ・葬儀社のプランや方針

 

同じ予算でも葬儀社によってデザインや仕上がりは異なるため、納得のいく祭壇にするためには、複数の葬儀社から見積もりを取り、予算内でどのような仕上がりになるか事前に確認しておくことをおすすめします。

 

なお、花の仕入れ状況によっては、「特定の花を多く使用してほしい」などの希望がかなわない場合もあります。花の色やボリュームなど、限定的な内容であれば、対応できる可能性が高いでしょう。まずは、葬儀社に相談してみることをおすすめします。

6 祭壇にお供えする物

祭壇にお供えする物説明画像

祭壇にお供えする物の例は、以下の通りです。

  • ・喪主花・供花
  • ・盛篭(果物・缶詰など)
  • ・故人の好物など

 

また宗教によって異なるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

6-1 喪主花・供花

供花は贈り主の名前が記された札とともに祭壇の横に飾られ、華やかさを添えるとともに、故人への深いお悔やみの気持ちを伝える大切な役割を果たします。

供花は通常、葬儀社を通じて注文します。

喪主花や供花を送る際は、トゲのある花や毒のある花、強い香りのする花は避けることが大切です。一般的には菊やカーネーション、胡蝶蘭、デンファレなどが多く選ばれており、故人を敬う気持ちを表現するのにふさわしい花とされています。

 

なおキリスト教の場合は供物ではなく、供花を飾る慣習があります。

6-2 盛篭(果物・缶詰など)

盛篭(もりかご)とは、主に通夜や葬儀の際に供える供物の一種で、故人への供養の気持ちを表すために贈られるものです。果物や缶詰、乾物、お菓子などが美しく盛られた籠に収められ、地域や宗教に応じた形式で用意されます。見た目にも華やかで、祭壇の周囲を彩る役割も担っており、贈り主の名前を記した札を添えて供えられるのが一般的です。葬儀が終わった後は、親族や関係者によって分けられることもあります。

 

贈る際は、宗教や葬儀の形式に合った内容・タイミングで用意することが大切です。ご不明な点がある場合は、葬儀社に確認すると安心です。

6-3 故人の好物など

故人が生前好きだった食べ物を供えるのもおすすめです。故人への弔意を表す手段としても適しています。

故人の好物は、出棺前のお別れの際に花とともに棺に納めることができます。

お菓子や食品を供える場合は、常温で保存できる物や腐りにくい食べ物を選ぶようにしましょう。

 

仏教では故人の好物であっても、肉や魚などの殺生に直結するものや、においの強いものを選ぶのは不適切とされているため注意しましょう。

7 まとめ|故人らしさを大切にした祭壇選びを

祭壇は、故人や家族の想いを表現する場として大切にされてきました。故人を見送る最後の場として、宗教・宗派や形式にこだわり過ぎず、希望を反映した祭壇を選択すると良いでしょう。

 

祭壇の規模やデザイン、費用などに疑問がある場合は、葬儀社に相談しながら祭壇選びをするのがおすすめです。悔いの残らない祭壇を選び、気持ちよく故人を見送れる葬儀を行いましょう。

 

くらしの友では、専門のスタッフが故人やご家族の希望を反映した祭壇選びをサポートいたします。お悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。

 

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