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つたえたい心の手紙 傑作選

つたえたい、心の手紙 傑作選第2弾:母の置き土産

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日暮れも早まりいよいよ秋も深まってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

くらしの友では、亡くなった大切な方に向けて、生前伝えられなかった想いを手紙に綴っていただく、「つたえたい、心の手紙」活動を2008年から実施しています。くらしの友のWebサイト内にて、金賞・銀賞に選ばれた作品の全文をご紹介していますが、まだ掲載されていない作品のなかにも、想いのこもった素敵なお手紙が多数あります。
そこで、「つたえたい、心の手紙」事務局より、まだWebサイトでは公開されていないお手紙の中から、ぜひ読んでいただきたいお手紙を傑作選として、テーマや季節に合わせて定期的にご紹介いたします。

第2弾となる今回は、秋は日暮れが早くなり、早々と灯る家の灯りはどこか懐かしく、家路を急ぐ気持ちにさせられますね。そんな静かで、ほっとする秋の灯を感じながら読んでいただきたい、息子さんからお母様へ宛てたお手紙を1つご紹介いたします。

<息子から母へ> 母の置き土産

私の子供の頃、育ち盛り食い盛りの五人の兄妹は、母ちゃんの作る料理を楽しみにしていた。けんちん汁、大学芋、オムレツ、焼きまんじゅうなど、なかでも十八番の料理は焼売(しゅうまい)だった。
この味は格別で、風味があってまろやかです。これを私たちの誕生日に作るのでその日が待ち遠しい。母ちゃんは横浜生まれで、祖母から焼売の作り方を伝授されたとのこと。祖母は中国の料理人と親しくしていたようですね。だから本場の味が出せるのです。長兄が出征する前夜、母は食料不足のなか工面して焼売を膳に出した。私達は目を丸くして舌なめずりをしたものです。それが最後で終戦後の安定した世の中になるまで、お得意の料理は作れませんでした。終戦の年、次兄の戦死を耳にした母は遺影を抱きしめて慟哭(どうこく)した。そして七回忌に亡き息子の墓前に焼売の皿を置き「たんとおあがり」と手を合わせていたのを覚えていますよ。
 母は七十一歳の早春、この世を去った。脳出血で意識不明のまま安らかに息を引き取った。通夜の準備が終って一休みした時、義理の姉が焼売の材料を大盛りにした皿を私の前に出した。「おばあさんが倒れる前に、楽しそうに焼売の仕込みをしていて、『昌男の誕生日のお祝いに作っている』と言っていました。これが最後のお料理です」と。私はぐっと胸に迫るものがあり、死に顔をみつめて小声で語りかけたのを覚えているかい。
 「おふくろ、ありがとう。この歳までよくぞ私の誕生日を覚えてくれました。それに大好物の贈り物、喜んで頂戴しますよ。それにひきかえ、親孝行の真似事もできずじまい。焼売がお別れの料理になったね、嬉(うれ)しいよ、ありがとね、おふくろの最高の料理を大事に大事に食べることにするよ」と。落ちる泪(なみだ)の先に「おふくろの置き土産」がロウソクの明かりに輝いていましたよ。

(第6回入賞作品/斎田 昌男様/年齢:84歳)

「つたえたい、心の手紙」の概要や過去の受賞作品については、下記のページでご紹介しております。

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