
時代と共に簡略化されている結婚式ですが、最低限の知識とマナーは身につけたいもの。くらしの友グループの衣装担当者が、装いのルールとコツをお伝えします。
知っておきたい 礼服の歴史と基本
礼服とは、冠婚葬祭の儀式にふさわしい装いであり、相手に敬意を表するためのものです。
結婚式では、新郎新婦の新しい門出を祝福する気持ちを込めた装いが大切です。
正式には立場や格式によって決まり事があり、洋装の場合は昼と夜でも装いのルールが変わってきます。
礼服のマナーは、時代や文化によって変化してきました。
たとえば、女性の黒留袖が最も格式が高いとされるようになったのは明治初期と、そう古い歴史ではありません。また男性のモーニングは、もともと世紀に貴族が馬に乗る時に、ジャケットの裾をカットしたのが始まり。
朝の散歩用だったことから、この名前が付きました。
儀式が簡略化されても守りたい最低限のマナー
現在は、装いのルールも簡略化されつつありますが、礼を失しないように、最低限守るべきマナーはあります。
新婦のドレスと重なる白い服はタブーですし、ファーやアニマル柄など動物を連想させるものもルール違反。
柄物も避けた方がよいでしょう。
また、靴はつま先が空いたタイプは、フォーマルな場にふさわしくありません。
さらに女性の洋装の場合、昼の結婚式なら光るものや露出を避け、アクセサリーはパールなど控えめに装います。
対して夜は、肩や腕を出し、光るアクセサリーを身につけるのもマナーのうちです。女性の列席者にはその場に華やぎを添える役割もあります。
新郎新婦の両親は格式の高い装いで
主役である新郎新婦に次いで格式の高い礼装を求められるのが、新郎新婦のご両親です。
正式には和装の場合 は黒の五つ紋付き。
洋装の場合ならば男性は昼の式には モーニング、夜はタキシード、女性は昼ならばアフタヌーンドレス、夜はイブニングドレスを着用します。
しかし現在は、あまり細かいことを気にしなくても問題ありません。
お父様は式の時間帯に限らずモーニングを、お母様は五つ紋付きの黒留袖をお召しになること
が多いようです。和装か洋装かは事前に両家で話し合いをし、揃えるのが基本です。
逆に一般招待客が両親と同格の装いをするのはマナー違反です。
高齢者の礼服は無理せず 心地よさを重視して
ご高齢の方が出席する機会も増えてきました。新郎新 婦の祖父母の場合でも、礼服の格より大切なことがあります。
締め付けの多い和装だと、途中でご気分を悪くされる方がいらっしゃいます。
あまり無理をせずに、ゆったりとしたワンピースやスーツを着用するなど、長い時間を快適に過ごすことを優先した礼服を選びましょう。
また、つい無難なものを選び、地味になりがちですが、鮮やかな色物にためらいがある方、手持ちのものを利用したい方も、小物使いで華やかさを出すと素敵になります。胸元にコサージュを添えたり、明るい色やラメ入りのショールを羽織ったり、華やかなバッグをお持ちになるだけでも、だいぶ印象が変わります。
くらしの友グループ直営の貸衣装店『ドレス・アペア』では、和装から洋装まで、礼服のレンタルをご用意しております。着用されるシーンやご要望に応じて、アドバイスもいたしますのでお気軽にご相談ください。
また、衣装についてホームページにも一部ご紹介しておりますので、併せてご覧ください。